HBAは6月29日~7月1日、北海道・鹿追町で「地域課題解決型ワーケーション」を実施した。今回のテーマは「鹿追町の未来資源を見つけよう!」。HBA社員が町内を巡り、観光や農業、教育など各分野で活躍する人々へのインタビューや現地視察を通して、鹿追町役場の職員とともに地域が抱える課題と、その土地に眠る新たな可能性を探った。

地域に入り、課題解決のヒントを探る

HBAが2022年2月から実施している「地域課題解決型ワーケーション」は、地域の人々との交流を通じて課題を発見し、ITでどのように解決できるかをワークショップ形式で考える2泊3日の宿泊型研修だ。

SDGsや地域課題解決型ビジネスへの理解を深めることに加え、自発的な取り組みを行いやすい企業文化の醸成、本部を超えたコミュニケーションの活性化なども目的としている。道内外で開催され、今回で8回目。鹿追町での開催は5回目となった。

今回はHBA社員11人に加え、鹿追町役場の若手~中堅職員6人も参加。合同研修として交流を図りながら、エネルギー、観光、農業、教育の各分野を切り口に、鹿追町の「未来資源」を探った。

観光、農業、教育……現地を巡って見えてきた鹿追町

初日は「カントリーパパ」を訪れ、観光協会会長の山岸さんから、鹿追町の観光を取り巻く現状や、町内で開催されているイベントなどについて話を聞いた。

  • 鹿追町の観光について話を聞く参加者

    鹿追町の観光について話を聞く参加者

続いて、HBAの奥村さんから、同社が鹿追町で取り組んでいる「ジャイアントミスカンサスを活用したGX実証事業」について説明を受けた。

ジャイアントミスカンサスは、1年で3~4メートルに成長する多年生のイネ科植物で、次世代型のバイオマス資源として世界的にも注目を集めている。参加者は、今年4月に収穫したジャイアントミスカンサスを保管するハウスも見学した。

  • ジャイアントミスカンサスを保管するハウスを見学

    ジャイアントミスカンサスを保管するハウスを見学

  • 実際にジャイアントミスカンサスに触れる参加者

    実際にジャイアントミスカンサスに触れる参加者

その後はHBA社員と鹿追町役場の職員が混合チームを組み、鹿追町が持つ「ポテンシャル」と「問題・課題」の2軸から現状を分析し、それぞれの立場から鹿追町について感じたことを出し合った。

2日目には内海ファームを訪問。酪農を営む内海さんから話を聞き、酪農の現場やジャイアントミスカンサスの栽培場所を見学した。また、地域みらいコーディネーターの吉村さんからは、鹿追町が全国に先駆けて取り組んでいる先進的な教育施策について話を聞いた。

  • 内海ファームで酪農の現場を見学する参加者

    内海ファームで酪農の現場を見学する参加者

  • ジャイアントミスカンサスの栽培場所も見学

    ジャイアントミスカンサスの栽培場所も見学

「祭り」や「遊休資産」を未来資源に

現地で得た情報や気付きをもとに、参加者は4チームに分かれて鹿追町の「未来資源」を考え、そのアイデアを発表した。発表には鹿追町の副町長や総務課長らも参加し、各チームの提案にコメントを寄せた。

あるチームが着目したのは、鹿追町で行われている「祭り」。既存の祭りを、町の魅力や生産者の思いが伝わる「象徴的な祭り」へと発展させ、町外からの集客や地域の認知向上、交流人口の拡大につなげるアイデアを提案した。

また別のチームは、町内にある空き家や空き地、廃校などの遊休資産と、新規事業者や起業希望者をつなぐマッチングプラットフォームを提案。地域で活躍する人材やネットワークも資源として活用し、移住促進や地域経済の活性化を目指す構想を発表した。

現地の声から得た、仕事にもつながる気付き

今回のワーケーションは、地域について考えるだけでなく、参加したHBA社員にとって普段の仕事を見つめ直す機会にもなったようだ。

自治体ソリューション本部の藤澤さんは、「一人ひとりが案を出すことで、課題解決の糸口が見つかる可能性があるということを実感できました」と振り返る。今後は「周りの方々の意見をこれまで以上に意識的に取り入れ、より良い成果を出せるよう努めたい」と話した。

エンタープライズソリューション本部の蒲さんは、現地の人に鹿追町の良さを尋ねた際、食べ物や店、施設など具体的な魅力が次々と挙がったことから、「地元に対する気持ちの強さ」を感じたという。

一方で、地域の人が「望んでいる姿」について、事前に自身が想像していたものと、実際に話を聞いて分かったものとの間に乖離があることにも気付いた。「今後の仕事では、自分の考えるニーズと実際のニーズが異なっている場合があることを念頭に置き、本当に求められているものを提供できるように取り組んでいきたい」と話した。

  • 最終日は然別湖でカヌーを体験

    最終日は然別湖でカヌーを体験

最終日には然別湖でカヌーを体験し、3日間のプログラムを終えた。地域の人々との交流や現地視察、意見交換を重ねた今回のワーケーション。鹿追町の「未来資源」を探るとともに、参加者にとって地域課題への向き合い方を改めて考える機会となった。