11-12シーズンにプレミア初優勝を果たしたシティ [写真]=Getty Images

 マンチェスター・シティの財務規則違反を認定したプレミアリーグだが、過去に同クラブが獲得したトロフィーを剥奪する可能性は現時点で低いようだ。26日、イギリスメディア『BBC』が報じた。

 プレミアリーグは2023年2月、115件の財務規定違反でマンチェスター・シティを告発。2024年末に審理が完了した後、長らく音沙汰がなかったが、今月25日に事態が進展を見せた。スポーツ専門メディア『アスレティック』が、115件のうち114件の違反認定を報じたのだ。

 プレミアリーグは公式声明を発表しておらず、マンチェスター・シティも「無実の証明」へ徹底抗戦の構えを見せており、今後の動向に注目が集まっている。ライバルクラブのサポーターたちはマンチェスター・シティへの重罰を期待しており、その一つが、不正の対象期間とされる2009年から2018年に獲得した8つのトロフィー(FAカップ、リーグカップ、コミュニティシールドを含む)はく奪だ。

 しかし、『BBC』がプレミアリーグ内部(組織および各クラブ)から入手した情報によると、マンチェスター・シティから過去のタイトルをはく奪することに対する意欲は「ほとんどない」という。独立委員会が最終的にタイトル剥奪の処分を下す可能性はあるものの、「勝ち点減点」や「巨額の罰金」、あるいは「プレミアリーグからの追放」といった処分の方が現実的だと見られている。

 もし該当期間のタイトルが空位ではなく、2位クラブに与えられる場合、2011-12シーズンと17-18シーズンはマンチェスター・ユナイテッドが、2013-14シーズンはリヴァプールが、リーグ王者として記録され直されることになる。

 また、『BBC』はマンチェスター・シティに対して遡及措置が適用されるのであれば、チェルシーに対しても同様の措置を問う声も上がるだろうと予想している。チェルシーは2011年から2018年にかけて、移籍をめぐりエージェントに対して一連の秘密の支払いをしていたことが発覚し、その期間に獲得したタイトルの正当性に疑問符がついている。

 しかし、『BBC』は「これほど長い期間にわたるタイトルの一斉再配分は、プレミアリーグの歴史を茶化すことになりかねず、その評判や商業的存続を危うくする恐れがある」と指摘。一方で、「最初の違反疑惑から約17年が経過し、シティが複数シーズンにわたり競争を歪めたと非難されている現状では、リーグの地位にはすでに深刻な損害が生じている」との主張も紹介している。

 なお、他リーグにはいくつかタイトル剥奪の前例がある。最も有名なのは、イタリアサッカーの凋落を招いたカルチョポリのスキャンダルだ。5クラブが八百長で処分を受けたなか、最も重い処分を科されたユヴェントスは2部降格、そして2004-05シーズンと05-06シーズンに獲得したセリエAのタイトルを剥奪された。最初のタイトルは当局によって空白とされ、2つ目のタイトルはインテルに割り当てられた。

 ただ、プレミアリーグのクラブは遡及的措置の観点において、タイトル剥奪よりも実効的な、マンチェスター・シティの成功により失われた賞金などの収益に対する補償を求めると見られている。ただ、そちらもすぐに結論が出る問題ではないだろう。ある弁護士は『BBC』に対し、「問題はクラブが法的措置を取るかどうかではなく、訴訟を提起する人々のラインが実際にどこで終わるかだ。優勝できなかったクラブ、欧州カップ戦に出場できなかったクラブ、残留できなかったクラブ。ボーナスや契約延長を受けられなかった選手やボーナスを逃したスタッフ。選手契約で昇給できなかった代理人…。それは際限がなく、全体のエコシステムに対して非常に破壊的だ」と語った。