京都の撮影所には、「勝手に厳しいイメージがあって、最初はピリピリしているのかなと思ったんです」という本島。だが実際は、「劇中に登場する猫を空き時間にみんなで抱っこしてかわいがっていて、毎日行きたくなるような現場でした」と、アットホームな雰囲気だったそうだ。
柳葉との共演にも当初は緊張があったが、「本当に温かく包み込んでくださいました」と振り返る。歩き方や刀の差し方など、時代劇ならではの所作も柳葉から直接教えてもらった。さらに、劇中で魚を焼く場面の撮影では、「魚の焼き方はこうだよ」「このぐらいの焼き目がいいよ」とアドバイスをくれたという。
もっとも、魚の焼き方が江戸時代ならではだったわけではない。本島は「現代と一緒だと思います。僕が単純に焼けなくて(笑)」と告白。「焼肉に行っても結構焦がしちゃいます」と笑わせた。
柳葉から学んだのは、所作だけではない。喜兵衛が屋根の上を掃除しながら落ちそうになる芝居を目にした本島は、柳葉によるアドリブだと感じ、「そういう動きがあることで、キャラクターの人間らしさや魅力が観ている人にも伝わりやすい。現場で一緒に芝居をしていても喜兵衛さんという人物に自然と親しみを感じ、懐に入っていく感覚になるのはお芝居を超えたものだったと思います」と刺激を受けた。
待ち時間や撮影所の食堂でも「今日、何食べたの?」と気さくに話しかけてくれ、「いつも支えてくださったので、また共演できるように頑張りたいです」と願った。
江戸の暮らしに憧れ「みんなで雪見酒をしてみたい」
今回の撮影を通して、「物の取り方一つでも現代とは全然違っていて、とても丁寧に生きているなと感じました」と、江戸の暮らしに対する印象が変わったという本島。中でも印象に残ったのが、本を書き写す場面だ。一文字ずつ写していく姿を見て、「物一つ一つに対して大切さや思い入れがあるんだなと思いました」と感じた。
原作や脚本からも「江戸の人たちの温かい暮らし」が伝わってきたといい、「時代劇を観たことがない方でも、江戸の時代が鮮明に分かって観やすい。一日の中でちょっとほっとする時間に観たいですし、何回観ても楽しめる作品だと思いました」と魅力を語る。
また、江戸の人々の暮らしそのものにも惹かれたそうで、「ご近所付き合いは、とてもうらやましいなと思いました。近所の人と年末に大掃除しながら話す、みたいなことは現代ではなかなかないですもんね」と語る。
もし江戸時代にタイムスリップできたら、やってみたいのは「みんなで雪見酒」。江戸の人々と食卓を囲み、現代との価値観の違いについて語り合いたいという。
また、江戸時代で「怪談をする人」もやってみたいという本島。怖い話が好きで、眠れない夜には稲川淳二の怪談を聴くこともあるといい、「聞いていて落ち着く、とてもいい声だと思って。今度は僕が話す側になってみたいです」と、新たな願望も明かした。
「こんな顔、知らなかった」と言われる俳優に
初めての時代劇は、着物の着方から刀の扱い、歩き方、姿勢まで「本当にゼロからのスタート」だった。京都の現場で一つずつ学び終えた今、本島は「また時代劇に挑戦する時の大きな力にもなるし、自信にもつながる」と手応えを感じている。俳優としての引き出しも「とても広がりました」と力を込めた。
その先に思い描くのは、一つのイメージに収まらない俳優だ。
「本当にいろいろな役柄に挑戦したいです。それと同時に、応援してくださる方たちをいい意味でどんどん裏切っていきたいと思っています。“純政くんってこんな役もできるんだ”、“こんな顔、知らなかった”と言ってもらえるような俳優になりたいです」
そして、「僕を追っていくのが楽しくなって、みんなと一緒に歩んでいけるような俳優になれたらと思います」と前を向いた。
時代劇専門チャンネルでは、全20話を一挙にTV初放送。これまでスマートフォンやタブレットで作品を楽しんできた視聴者に、“大画面ならでは”の楽しみ方を勧める。
「セットも一つ一つ、細かいところまでこだわって作っています。一度観ていただいた方でも、細かいところまで観るとまた全然違った見え方になると思います。初めての方にも、この時代の温かさや人と人とのつながりを楽しんでいただきたいです」
【衣装協力】
ジャケット:Re:stock/New Style Japan
スタイリスト:津野真吾(impiger)
ヘアメイク:木内真奈美



