![石田千尋 [写真]=KNVB Media](index_images/index.jpg)
オランダの地から、なでしこジャパン入りを目指す選手がいる。オランダのズヴォレでプレーするMF石田千尋だ。
現在24歳の石田はノジマステラ神奈川相模原、アルビレックス新潟レディースを経て、昨シーズンからオランダのズヴォレでプレー。加入初年度からチームの主軸を担い、リーグ戦全試合にスタメン出場した。昨シーズンは公式戦通算24試合に出場し、2得点3アシストを記録している。
チームを支えるボランチの一角として充実した海外挑戦初年度を終え、オフ期間は日本でフィジカル強化に取り組んだ。身長は165センチと「日本では中の上か、中の中くらいだと思っていましたが、今はチームで一番小さいです」と明かしていた石田。「昨シーズンは対人の部分でのコンタクトの強さ、スピードの速さに衝撃を受けました」と振り返り、さらなる活躍に向けてベースアップを図った。
「昨シーズン、初めてオランダでプレーをして、日本で体感していたフィジカルレベルと基準が全く違うと感じました。その中でベースのスピードを上げる事で、守備面でも攻撃面でも優位性を得て、そのフィジカル差を補う必要性があると思い、オフシーズンは日本でスピードアップのトレーニングを重点的に取り組みました」
さらなる飛躍を期すズヴォレ在籍2シーズン目、その成果は早くも数字に表れている。今シーズンもここまでリーグ戦全試合にスタメン出場中。リーグ戦5試合で2得点を記録し、早くも昨シーズンの得点数に並んだ。中盤3列目からの機を見た飛び出しで得点を挙げており、本人も攻撃面での成長を実感している。
「見た目でも明らかにフィジカル差があるのは分かっていたけど、試合中に体感するコンタクトの強さには驚きました。その中で、1年間全試合スタメンとして戦い続けた事が、自分の中でも自信・財産になっていて、激しいコンタクト時の身体を当てるタイミングやメンタリティなど、今シーズンはコンタクト時に負けない心と身体の準備ができています」
「また、日本にいる時は守備が得意なボランチとして自分自身も認識していましたが、 オランダに来てからは攻撃面におけるタスクも多く与えられています。昨シーズンはそれにチャレンジし続けた結果、自分自身でも攻撃面でできるプレーの新たな気付きや幅が広がったと感じています。今シーズンはそのプレーを開幕から出せている事が、シーズン序盤での2ゴールにもつながっていると思います」
来年2027年はFIFA女子ワールドカップがブラジルで行われる。狩野倫久監督率いるなでしこジャパンは、すでに出場権を獲得済み。今年オーストラリアで開催されたAFC女子アジアカップを制覇し、アジア女王として10大会連続10回目のワールドカップに臨み、2011年大会以来2度目の優勝を目指す。
石田は2023年のアジア競技大会で日の丸を背負った。オランダでの経験を糧に、さらなる成長となでしこ入りを見据える中、10月にはハイチ女子代表、ドイツ女子代表との欧州遠征を控えている。「(ドイツ戦の会場)ブレーメンはズヴォレから近い事もあり、発表されてから意識しています」という石田。オランダで培った経験を、なでしこジャパン入りへとつなげたい。
「ヨーロッパの中でも、オランダは個人戦術、個人での打開を重要視されるリーグなので、その中で攻撃面でも守備面でも『個人で解決する力』や『あと一歩』の部分で戦える強度を培えたと思います。フィジカル差のある国との対戦や、もともと自信のあった運動量・守備面に加え、オランダで成長できた攻撃面でもマルチタスクをこなす事で、周りの選手をサポート、輝かせる事ができるのではないかと常にイメージして日々の練習に取り組んでいます」
石田はタフなオランダリーグで着実に進化を遂げ、目標のなでしこジャパン入りへ歩みを続ける。オランダで磨き上げた強度と攻撃面での新たな武器を携え、さらなる成長を目指していく。
取材・文=三島大輔(サッカーキング編集部)