「友人とペットの顔がそっくり!」「長年連れ添った夫婦、なんだか顔まで似ている?」――そんなふうに感じたことはないだろうか。
血のつながりがない夫婦や、飼い主とペット。それなのに、なぜ顔や雰囲気が似て見えるのだろうか。実は、そこにはそれぞれ異なる心理学的な理由があるという。
今回は、『図解 身近にあふれる「心理学」が3時間でわかる本』(明日香出版社)から、「夫婦の顔はなぜ似てくるのか」「ペットと飼い主の顔が似ているのはなぜなのか」、その不思議について紹介する。
長年連れ添った夫婦はなぜ顔が似てくるの?
結婚して何十年も経った夫婦の顔を見ると、そっくりなことが多いものです。みなさんも不思議に思ったことはありませんか? 遺伝的なつながりはないのに、なぜなのでしょうか?
血のつながりがない夫婦の顔が似てくる不思議
親と子どもの関係とは違って、夫と妻には血のつながりがありません。であれば、遺伝的に「顔が似ている」ということはないはずです。
それにもかかわらず、長年に渡って一緒に暮らしてきた夫婦は、お互いの顔や雰囲気が驚くほど似てきてしまうということがよくあるような気がします。
街中や公園を歩いている年配のご夫婦を見ていると、「この2人は間違いなく夫婦だろう!」と思えるくらい顔が似ている、と感じることは少なくありません。読者のみなさんも、そのような夫婦を見た経験があるのではないでしょうか?
結婚当初の顔はあまり似ていない
この「夫婦で顔が似ている」ことに疑問を持った、アメリカのミシガン大学のロバート・ザイオンスは、結婚してから25年以上連れ添った夫婦に、現在のお互いの写真と、25年前の新婚時代のお互いの写真を提出してもらいました。
そして、それぞれの写真を110名の大学生に見せて、似ている度合いについて判定してもらったのです。
その結果、25年前の夫婦の顔は「あまり似ていない」と評価されたのに、現在の写真では「似ている」と判断されやすいことがわかりました。
結婚当初はお互いに違う顔をしているのに、25年も連れ添っていると同じような顔になってくるのですから、夫婦というものはまことに面白いものです。
一緒に暮らしていると、同じ感情を抱くことが多くなる
なぜ、夫婦が似たような顔になっていくのでしょうか?
それは、一緒に暮らしていれば、同じ感情を持つことが多く、同じ感情を抱けば、同じ表情をすることが多くなるからです。たとえば、いつでも冗談をいい合って笑っている夫婦は、笑うときに同じ表情筋を動かします。それを何年もくり返していると、お互いに同じように笑ったときの顔立ちになっていくわけです。その結果、夫婦ともににこやかな顔になります。
反対に夫婦の仲が険悪だと、やはりどちらも眉をしかめたり、やぶ睨みの表情をするので、長い年月をかけて、その表情が顔に染みついていきます。すると、その夫婦はどちらも険しい顔立ちになる、というわけです。
似た表情がお互いの雰囲気を近づける
私も結婚して20年以上経ちますが、「妻と顔が似ている」といわれることが少なくありません。
結婚してすぐの頃と現在の2人の顔をくらべると、「2人とも、明らかに顔が似てきたなぁ……」と自分でも思います。その理由は、やはり妻と同じ表情をしていることが多いから、ということでしょう。
夫婦の顔が似てくるのは、正確にいうと、目鼻立ちが似てくるということではありませ ん。同じ表情をすることによって、「顔の雰囲気が似てくる」ということなのです。 結婚前には似ていない夫婦が、何年も一緒にいれば顔が似てきてしまうのも、同じ表情 をしていることが多いからです。
つまり私たちは、自分で思っている以上に、パートナーと同じような感情を抱き、同じような表情をしているということなのですね。


