
車庫証明は、車を購入したり引越しをしたりする際に必要になる公的書類です。手続きはカーディーラーなどを通して行政書士に代行してもらうことが多いですが、自分で取得することもできます。ただ、自分での取得は代行費用を節約できる一方で、多少の手間がかかる点に注意が必要です。
この記事では、車庫証明の基本情報や取得が必要になるタイミングのほか、自分で取得する際の必要書類と流れを紹介。また、自分で取得するメリットとデメリットについて解説します。
記事のポイント
車庫証明は、平日昼間に申請・受取の2回時間を確保できれば自分でも取得できる。
駐車場を借りている場合、駐車場所有者または管理者に記載してもらう書類があるので早めに準備する。
自分で取得すると代行費用を節約できるが、書類不備や再提出には注意が必要。
車庫証明は自分で取れる?
車庫証明を自分で取ることは可能です。申請と受取のために平日に2回は警察署に赴く必要があるので代行を依頼することが多いですが、「代行」と言っている通り、自分で車庫証明を取ることは何ら問題ありません。
なお、車庫証明の取得代行はカーディーラーが行っている印象が強いかもしれませんが、法令上の制約(行政書士法)があり、ディーラーは窓口に過ぎず、書類作成や申請は提携している行政書士が行う形、あるいは書類作成は本人が行ってディーラーはそれをそのまま警察署へ提出しに行く形になっていることが多いです。
平日に書類の提出・受領の時間が取れないという場合でも、ディーラーを通さず自分で行政書士を探せば代行手数料を抑えられる可能性があります。
<車庫証明を自分で取得するかの判断基準>
平日に2回警察署へ行ける人:自分で取得がおすすめ
書類作成や地図作成が苦にならない人:自分で取得がおすすめ
平日の日中に時間が取れない人:代行がおすすめ
書類の誤りで納車日を遅らせたくない人:代行も検討
車庫証明取得が必要になるタイミング
車庫証明の取得は、どのようなタイミングで必要になるのでしょうか。ここでは、車庫証明取得が求められるタイミングについて解説します。
車の購入時
新車・中古車にかかわらず、車を新たに購入して登録する前のタイミングには、車庫証明の取得が必要となります。カーディーラーや中古車販売店で車を購入する場合、車庫証明を含む手続きを代行してもらえるのが一般的です。ただ、カーディーラーや中古車販売店は書類の作成を代行することはできないので、提携している行政書士に委託するか、購入者本人が作成した書類を提出・受取に行く形になっています。
住所変更時
引越しなどによって車の使用の本拠となる住所が変わったタイミングでは、あらためて車庫証明を取得する必要があるでしょう。転居先の最寄りの警察署で、車の新たな保管場所について、申請を行わなければなりません。
名義変更時
車を知人から譲り受けたり、家族間で車の名義を変更したりするタイミングで、保管場所も変わるのであれば車庫証明の取得が必要になります。名義変更にあわせて保管場所も変わる場合は、忘れずに手続きを行いましょう。
車庫証明取得に必要な書類・書き方
車庫証明を取得するためには、いくつかの書類が必要です。ここでは、車庫証明取得に必要な書類について解説します。書類の書き方については提出先の都道府県警察の公式サイトも併せてご確認ください。
<車庫証明を取得するのに必要な書類>
自動車保管場所証明申請書
保管場所の所在図・配置図
保管場所使用権原疎明書面(保管場所を自己所有している場合)
保管場所使用承諾証明書(保管場所を借りている場合)
使用の本拠の位置が確認できる書類
自動車保管場所証明申請書
自動車保管場所証明申請書の記載例(警視庁の公式サイトより)
自動車保管場所証明申請書とは、車名や型式・車台番号などの車両情報のほか、使用者の住所や保管場所の位置などを記入する書類です。自動車保管場所証明申請書は警察署の窓口で入手できるほか、多くの都道府県警の公式サイトでダウンロード可能です。例えば警視庁(東京都)の場合はこちらのページからダウンロードできます。
なお、2025年4月の法改正以降は、保管場所標章の交付を前提とした様式から、証明書のみを交付する様式に変更されています。
保管場所の所在図・配置図
保管場所の所在図・配置図の記載例(警視庁の公式サイトより)
車庫証明申請の際に、自宅(使用の本拠)と駐車場(保管場所)の位置関係を示す所在図と、保管場所内における車両の駐車位置を示す配置図の提出も必要です。使用の本拠と保管場所の距離は、直線距離で2km以内でなければなりません。
なお、所在図をすべて手書きで書く必要はなく、Googleマップなどを使って作成することも認められています。ちなみに、自宅と保管場所の位置が同一である場合には、所在図の記載を省略することができます(配置図は必要です)。
使用権原疎明書面
使用権原疎明書面(しようけんげんそめいしょめん)とは、保管場所を使用する権限があることを証明する書類を指します。保管場所を自分で所有しているか借りているかで必要な書類が変わります。
自己所有の場合:保管場所使用権原疎明書面
自分が所有する土地・建物を車の保管場所とする場合は、一般的に「自認書」と呼ばれる「保管場所使用権原疎明書面」を提出します。
保管場所使用権原疎明書面(自認書)の記載例(警視庁の公式サイトより)
借りている場合:保管場所使用承諾証明書
一方で、月極駐車場など保管場所を借りている場合には、「保管場所使用承諾証明書」を用意し、駐車場の所有者や管理会社に記入してもらわなければなりません。なお、保管場所使用承諾証明書は駐車場の契約書の写しで代用できる場合もあるため、事前に申請先の警察署へ確認しておきましょう。
保管場所使用承諾証明書の記載例(警視庁の公式サイトより)
使用の本拠の位置が確認できる書類
住民票の写しや公共料金の領収書、消印付きの郵便物など、申請者の住所(使用の本拠の位置)を確認できる書類が、使用の本拠の位置が確認できる書類です。
この書類は車庫証明の手続き時において、申請者の住民票の住所と実際に車を使用・管理する場所が異なる場合、「その場所で生活している証明」として必要となります。
なお、運転免許証の住所欄で生活場所が確認できる場合は、この書類の提出が不要になるケースもあります。
自分で車庫証明を取得する際の流れ
1.必要書類を揃える
まずは、車庫証明に必要となる書類を準備します。注意したいのは、自分では作成できない保管場所使用承諾証明書が必要な場合です。駐車場の管理会社などへの依頼に時間がかかることもあるため、早めに準備しましょう。
2.管轄の警察署に行く
続いて、車の保管場所を管轄する最寄りの警察署の交通課(車庫証明の申請窓口)へ赴きます。自宅と駐車場が離れている場合は駐車場の方の管轄する警察署に向かう必要があります。申請の受付時間は平日日中(午前8時30分から午後4時30分)に限られているので、注意が必要です。
3.申請書類を提出する
警察署の窓口で必要書類一式を提出し、申請手数料を納めます。書類に不備がなければ、そのまま受理されるでしょう。
なお、自宅から保管場所まで直線距離で2km以上離れていたり、保管場所と車の寸法が合わなかったりした場合は、書類受理後の審査に落ちる可能性があります。
4.後日、車庫証明を受け取る
警察署での申請から審査完了までは数日、長くても1週間程度です。審査後に、車庫証明が交付されます。基本的には、車庫証明の受け取りにも警察署へ出向く必要があり、平日日中の受付時間内に、あらためて窓口に行かなければならない点に注意してください。
なお、地域や自治体によっては車庫証明の送付に対応している場合もあります。
車庫証明にかかる費用
車庫証明の取得には、警察署で支払う申請手数料が必要です。申請手数料の金額は都道府県によって異なり、普通車の場合は概ね2,000円台です。例えば、東京都の場合は2,400円です。
なお、2025年3月31日以前は車庫証明の交付時、車の保管場所が確保されていることが一目でわかるように「保管場所標章(車庫証明シール)」が交付されていました。その保管場所標章は、500円程度の交付手数料が必要でした。
2025年4月1日に施行された改正車庫法により、この保管場所標章の交付・貼り付け義務は廃止となっています。これは、車のナンバーだけで保管場所が照会できるようになったためです。現在は保管場所の申請のみが残ったため、保管場所標章の交付手数料の必要がなく、申請手数料のみを納めれば完結します。
ちなみに、カーディーラーや中古車販売店に手続きを代行依頼する場合は、この申請手数料に加えて代行手数料として、1万〜2万円程度の費用が別途発生するのが一般的です。行政書士に依頼する場合は5,000円(申請・受取の代行)~15,000円(書類の作成も代行)程度+申請手数料が代行費用の相場です。
| 取得方法 | 費用の目安 | 手間 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 自分で取得 | 申請手数料:2,000円台(都道府県による) +交通費 |
大きい | 平日に2回時間を取れる人 |
| 行政書士に依頼 | 申請手数料:2,000円台(都道府県による) +5,000円~15,000円程度 |
小さい | 費用は抑えたいけど平日に時間を取るのが難しい人 |
| ディーラーに依頼 | 申請手数料:2,000円台(都道府県による) +10,000円~20,000円程度 |
小さい | 車の購入手続きとまとめて任せたい人 |
車庫証明を自分で取得するメリット・デメリット
メリット
車庫証明を自分で取得する最大のメリットは、カーディーラーや行政書士に代行を依頼する手数料の支払いが不要になることです。自分で車庫証明の手続きを行えば、カーディーラーなどに依頼した場合の代行手数料を節約できます。
自分で手続きを行うことでかかる費用は、申請手数料と、場合によっては保管場所使用承諾証明書の発行手数料と警察署までの交通費などで済むでしょう。代行依頼と比べて数千円~1万円程度の節約になるため、時間に余裕がある場合には経済的なメリットを得られます。
デメリット
自分で車庫証明を取得する場合は、いくつかのデメリットも存在します。ひとつは、手続きのために警察署へ2回も足を運ぶ必要がある点です。しかも、土日祝日や年末年始などは対応していないため、平日日中に手続きの時間を確保しなければなりません。
また、書類に不備があったり、審査に落ちたりした場合は、再提出を求められることがあります。これによって車庫証明の交付が遅れ、結果として車の納車日に影響が出てしまう可能性もあるのです。
車の費用を抑えるなら自動車保険の見直しも検討しよう
車庫証明は自分で取得することで、業者への代行依頼にかかる手数料などを最大で1万円程度も節約できます。ただし、警察署へ2回も行ったり、再提出によって納車日が遅れたりするリスクも伴うことは認識しておきましょう。
なお、車庫証明を自分で取得することで節約できる金額は、数千円から1万円程度です。一方、自動車保険を代理店型からネット型に見直せば保険料が数万円安くなることもあります。車に関する費用を見直したいのであれば、車庫証明の代行費用を節約するよりも、自動車保険の保険料を見直すほうが、節約効果は高いといえるでしょう。
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