フィリップ モリス ジャパンは、加熱式たばこ「IQOS(アイコス)」初のグローバルフラッグシップとして、新たに「IQOS フラッグシップ 銀座」を9月4日にオープンする。

今回、新しい拠点の詳細やコンセプト、なぜ日本の銀座だったのか、今後の日本市場をどう見ているかなどを、フィリップ モリス インターナショナル(PMI)東アジア、オーストラリア & PMI グローバル トラベル リテール・リージョン プレジデントのヴァシリス・ガツェリス氏に聞いた。メディア向け発表会の様子と合わせてお伝えしよう。

  • 「IQOS フラッグシップ 銀座」は9月4日にオープン。東京・銀座1丁目の銀座YOMIKOビル1~2階に入り、営業時間は11時~20時(アフターケア・ラウンジは19時30分で受け付け終了)

    「IQOS フラッグシップ 銀座」は9月4日にオープン。東京・銀座1丁目の銀座YOMIKOビル1~2階に入り、営業時間は11時~20時(アフターケア・ラウンジは19時30分で受け付け終了)

  • 店内はストア機能にとどまらず、ブランドの発信やさまざまな体験ができるようになっている

    店内はストア機能にとどまらず、ブランドの発信やさまざまな体験ができるようになっている

IQOS初のグローバルフラッグシップが銀座に

はじめに、「IQOS フラッグシップ 銀座」の概要をまとめておく。

ロケーションは東京・銀座一丁目交差点の北東角、2025年8月までハリー・ウィンストン銀座店があった一等地。これまでの「IQOSストア銀座」は8月30日に閉店し、新たなコンセプトの店舗としてオープンする。PMIでは、このグローバルフラッグシップを単なる販売拠点ではなく、ブランド体験やイノベーション、文化的な価値を世界に発信する拠点と位置づけている。

1階では製品やフレーバーとの出会いを中心とした体験を楽しめ、2階にはIQOS会員向けのプレミアムラウンジなどを用意。日本の文化や美意識、自然、四季を取り入れた空間も特徴だ。カフェバーもあり、オリジナルのドリンクやスイーツを楽しめる。

  • 1階のアトリウムを貫く高さ7メートルの「FLUX - 流れ -」。アーティストの松尾高弘氏が手がけた光のアートインスタレーションだ

    1階のアトリウムを貫く高さ7メートルの「FLUX - 流れ -」。アーティストの松尾高弘氏が手がけた光のアートインスタレーションだ

  • 画面を操作しつつ、実際の香りを感じながら好みのフレーバーを探せる「フレーバーステーション」

    画面を操作しつつ、実際の香りを感じながら好みのフレーバーを探せる「フレーバーステーション」

  • 2階にはIQOS会員向けのプレミアムラウンジを用意。270度のパノラマデジタルスクリーンを備える「イマーシブラウンジ」では、日本の四季を感じる映像を楽しめる

    2階にはIQOS会員向けのプレミアムラウンジを用意。270度のパノラマデジタルスクリーンを備える「イマーシブラウンジ」では、日本の四季を感じる映像を楽しめる

「IQOS フラッグシップ 銀座」のオープンを記念し、9月4日から13日まで「セレブレーションウイーク」を開催。期間中は、店舗所在地の「銀座1丁目8番14号」にちなみ1814台限定の「IQOS イルマ i プライム 銀座限定モデルセット」を販売。来店者には「Sadaharu AOKI paris スイーツセット」を用意するほか、2階のプレミアムラウンジでは同ブランドとのコラボレーションによる限定マリアージュメニューを提供する。

  • 「IQOS イルマ i プライム 銀座限定モデルセット」。価格は11,980円、山中塗グラス(2個)と特別パッケージがセットになっている

    「IQOS イルマ i プライム 銀座限定モデルセット」。価格は11,980円、山中塗グラス(2個)と特別パッケージがセットになっている

  • パティシエの青木定治氏が特別に仕立てたスイーツとドリンクの「Sadaharu AOKI paris」マリアージュメニュー

    パティシエの青木定治氏が特別に仕立てたスイーツとドリンクの「Sadaharu AOKI paris」マリアージュメニュー

なぜ銀座に?

今回、世界初のグローバルフラッグシップに日本が選ばれた背景には、IQOSと日本市場の深い関係がある。

IQOSは2014年に日本の名古屋とイタリアのミラノで発売された。その後も日本は新しいデバイスや製品が早い段階で投入されてきた市場だ。現在、世界のIQOSユーザーは約3,500万人。そのうち日本は約3割にあたる1,000万人超を占める。

  • フィリップ モリス インターナショナル(PMI)東アジア、オーストラリア & PMI グローバル トラベル リテール・リージョン プレジデントのヴァシリス・ガツェリス氏

    フィリップ モリス インターナショナル(PMI)東アジア、オーストラリア & PMI グローバル トラベル リテール・リージョン プレジデントのヴァシリス・ガツェリス氏

ガツェリス氏も、日本をIQOSにとって特別な市場だと強調する。

「日本ではIQOSユーザーがすでに1,000万人を超えています。IQOS フラッグシップ 銀座のオープンによって、私たちは次のチャプターへ移行します。イノベーションは常に日本から始まってきました」(ガツェリス氏)

日本で始まったIQOSの歩みを、再び日本から次の段階へ進める――。その象徴となるのが今回の銀座店というわけだ。

では、なぜ東京の中でも銀座だったのだろう。

ガツェリス氏は「銀座は世界でも最も象徴的な商業地のひとつ」と表現する。イノベーションや文化、日本のアート、デザインを世界へ発信するうえで、銀座はふさわしい場所だと語る。

  • ガツェリス氏は銀座を「世界でも最も象徴的な商業地のひとつ」と表現。日本の文化やアート、デザインとIQOSの体験を結びつけられる場所だと語った

    ガツェリス氏は銀座を「世界でも最も象徴的な商業地のひとつ」と表現。日本の文化やアート、デザインとIQOSの体験を結びつけられる場所だと語った

「銀座には独自の文化やデザインがあります。この店舗では、それらとブランド、消費者体験がひとつになっています。IQOSにとって新しいチャプターの始まりであり、日本から世界へ新しい体験を発信していく場所になると思っています」(ガツェリス氏)

実際に、完成したIQOS フラッグシップ 銀座へ足を踏み入れたときのことを「とても特別な瞬間だった」と振り返る。何カ月にもわたるチームの努力が形になり、日本の文化やデザインとIQOSのブランド体験を同時に感じられる場所になったと話す。

  • 発表会に登壇したフィリップ モリス インターナショナル グループ CEOのヤツェック・オルザック氏。日本の「過去を大切にしながら、次に来るものの基準を高め続ける」姿勢に触れ、銀座は単なる出店場所ではなく、グローバルフラッグシップが伝えるメッセージの一部だと説明した

    発表会に登壇したフィリップ モリス インターナショナル グループ CEOのヤツェック・オルザック氏。日本の「過去を大切にしながら、次に来るものの基準を高め続ける」姿勢に触れ、銀座は単なる出店場所ではなく、グローバルフラッグシップが伝えるメッセージの一部だと説明した

日本の消費者が次のイノベーションを生む

話を聞く中で、日本の消費者に対して感じていることも印象的だった。

「2014年に名古屋でIQOSを始めて以来、日本の消費者は私たちにもっと深く考えることを求めてきました。日本の消費者から得られるインサイトやインスピレーションが、次のイノベーションにつながっています」(ガツェリス氏)

IQOSはこれまで複数の世代へと進化してきたが、使いやすさやテクノロジー、消費者体験を改善していくうえで、日本市場から得られるフィードバックは大きな役割を果たしてきたという。

ガツェリス氏自身、日本との関係はPMIでのキャリアよりも古い。

「若いころに初めてソニーのウォークマンを手にしたとき、音楽の体験そのものが変わりました。日本は、テクノロジーだけでなく、それを優れたデザインや品質と組み合わせ、日常の体験を変えることができる国だと感じています」(ガツェリス氏)

「日本は私にとって、イノベーション、品質、信頼の象徴です。日本の消費者は、品質や信頼性、サービス、デザインに対する要求も非常に高い。そうした環境が、私たちに毎日より良いものを作るよう求めており、それがイノベーションと進化の原動力になっているのです」(ガツェリス氏)

  • 若いころにソニーのウォークマンを愛用していたというガツェリス氏。「日本は私にとって、イノベーション、品質、信頼の象徴」と語る

    若いころにソニーのウォークマンを愛用していたというガツェリス氏。「日本は私にとって、イノベーション、品質、信頼の象徴」と語る

もうひとつ感じているのは、日本のチームワークだという。

「日本には“和”という考え方があります。社会やパートナーなど、さまざまな関係者が協力しながら物事を実現していく。そうした点も、日本がイノベーションやインスピレーションを生み出すハブになれる理由のひとつだと思います」(ガツェリス氏)

「煙の出ない製品」はPMIの純売上の42%に

日本市場の重要性は、PMI全体が進める事業転換ともつながっている。

PMIの「煙の出ない製品」は世界109市場で展開。2025年12月31日時点で、全世界で4,300万人以上の成人喫煙者がPMIの煙の出ない製品を使用していると推定されている。2026年第2四半期には関連事業がグループ純売上の42%を占め、出荷量も8%増となった。

日本では、ニコチン製品の販売本数に占める加熱式たばこの割合が51%に達している。IQOSは国内の加熱式たばこカテゴリーで約70%のシェアを持ち、紙巻たばこと加熱式たばこの構成比も大きく変わってきた。

  • PMIにおいて、「煙の出ない製品」に関連する事業がワールドワイドで成長中

    PMIにおいて、「煙の出ない製品」に関連する事業がワールドワイドで成長中

  • 日本は加熱式たばこのユーザーが多く、その中でIQOSは約70%のシェアを占める

    日本は加熱式たばこのユーザーが多く、その中でIQOSは約70%のシェアを占める

PMIは2030年までに、煙の出ない製品による売上がグループ純売上の3分の2を超えることを目標としている。

「IQOS フラッグシップ 銀座」は、こうした変化の中で完成した店舗でもある。ここで得た消費者体験やサービス、店舗運営の知見は、今後のグローバルフラッグシップにも生かしていく考えだ。グローバルフラッグシップは世界でも3~5拠点程度に絞って展開する予定で、銀座はそのスタートとなる。

「IQOS フラッグシップ 銀座で得られる経験は、今後ほかの国で展開する店舗にも生かせると考えています。それぞれの国の文化とIQOSを組み合わせ、その市場ならではの体験をつくっていく。銀座は、その最初となる場所なのです」(ガツェリス氏)

  • 発表会では紅白の獅子による舞が披露された。白獅子を演じたのは歌舞伎役者の三代目 市川右團次氏。赤獅子を演じたのは歌舞伎役者の大谷廣松氏。PMIのオルザック氏は、伝統を守りながら進化を続ける歌舞伎の姿勢を、PMIが進める変革にも重ね合わせた

    発表会では紅白の獅子による舞が披露された。白獅子を演じたのは歌舞伎役者の三代目 市川右團次氏。赤獅子を演じたのは歌舞伎役者の大谷廣松氏。PMIのオルザック氏は、伝統を守りながら進化を続ける歌舞伎の姿勢を、PMIが進める変革にも重ね合わせた

  • 発表会では改めて「煙のない社会」の実現に向けた決意を表明。オルザック氏が「だるまの目入れ」を行った

    発表会では改めて「煙のない社会」の実現に向けた決意を表明。オルザック氏が「だるまの目入れ」を行った