
『Octane』UKスタッフによる愛車レポート。ロバートが、2004年BMW Z4 3.0iのリヤまわりの違和感の原因究明と修理に挑む。
【画像】新旧ブッシュやショックなど、交換を要したパーツ(写真9点)
叩いて、引っ張って、加熱して、穴を開けて、切って!これは”Bop-It”(訳注:叩いたり引っ張ったりする動作の指示に従って遊ぶアメリカの玩具)の話ではなく、20年以上も経ったZ4のトレーリングアームのブッシュを外そうとしている、私のことだ。
リヤまわりに、日常の運転で少しガタつきを感じるようになっていた。家の段差のある縁石をバックで乗り越えるたびに、ガタンという音がしていた。リヤサスペンションの部品をいつか交換しなければならないことは分かっていた。でも、その日がもうとっくに来ていて、1~2カ月も放置されていた状況だったとは気づかなかった。タイヤの内側のエッジが摩耗していたことを長い間、見落としていた。しまった!
…というわけで、避けて通れない部品(ショック、アッパーマウント)だけでなく、同時に交換すべき部品(リア・トレーリングアームのブッシュ)もすべて注文する必要が生じた。しかもリヤタイヤまで新品が必要になり、ついには自分専用のジャッキとスタンドまで購入するはめになった。その後には、アライメント調整も必要だ。
リヤのショックはスプリングが組み込まれていないので、緩める必要はなかった。トランク内張りとトノカバーを少し外し、トップマウントのボルトを緩め、それから下側のストラットボルトを外すだけだ。元々のショックは、完全にダメになっていた。リコイルが全くない状態だったので、スプリングだけであれほど順調に走れたのは、実に驚きだった。フロントに合わせて、新品のビルシュタインのダンパーとトップマウントを用意し、あっという間に取り付けた。最高だ!
トレーリングアームのブッシュの方は、もっと手こずった。ブッシュのキャリアを固定しているボルトはとても腐食していたので、最近お気に入りの「プラスガス・ファスト・リリース」をあらかじめ浸透させておいた。腐食したボルト上部には、さまざまなサイズのソケットをかませることで、すべて外すことができた。しかし、6本のうち少なくとも3本は、交換が必要であることが明らかだった。それに、これらはホイールアライメント調整用のボルトなので、どちらにせよ交換が必要だった。
最寄りのBMWディーラーが、最後の4本を在庫していた。バスに乗って取りに行くということは、できればしたくなかった。しかし、そうするだけの価値はあった。キャリアとそれを受けるくぼみの部分が両方とも、錆びかかっていた。今このまま何もしなければ、将来きっと溶接が必要になるだろう。「何事もできる限り最善を尽くす」という私の信条に従い、錆転換剤と保護用のトップコートも購入することにした。
トレーリングアームが出てきて、ようやくブッシュにも手が届くようになった。そこで、新しく購入したプーラー工具セットのサイズを確認してみたのだが、サイズが違っていた。なんてことだ!それでも諦めず、このセットを使って、なんとか合うように細工できないかと考えた。いや、時間の無駄だった。バーナーもハンマーも、全く役に立たなかった。Googleで検索だ!ある人がドリルを使い、ゴムの中央部分を縫うように切り取り、外側のアルミ製リングを金ノコで切断していた。そこで、私も同じことをやってみた。
ここ数回の車検では、ブレーキパイプの腐食が指摘され、実際に見た目もひどかった。触るのが怖いほどだった。こういったBMWではよくあることで、加工しやすい銅ニッケル製のものに交換されることが多い。しかしながら、自分の限界は承知しているので、その対応のために何件か電話をすることにした。
私が選んだパワーフレックス社製のブッシュは、取り付けに専用工具を使う必要はなかった。(2つのパーツに分かれていて、それぞれ左右から押し込んで取り付けることができる)同様に、OEM品で必要となる、地面に車体を下ろした際にブッシュに負荷がかからないように締め付け時にブッシュの位置を合わせる、プリテンション調整も必要なかった。すべて元通りに組み上がったので、ホイールアライメント調整のため、地元の整備工場「テンプルトンズ」へ車を持ち込んだ。
こうした作業を終え、この車のフィーリングは格段に良くなった。おまけに、低速でのシフトチェンジやアクセルのオンオフ時に時折デフから聞こえていた、異音も消えた。どうやら、ブッシュの摩耗が原因だったようだ。
価値が下がりつつあるし、出費は増えるし、座席は2つだけ…。Z4を手元に残すべきかどうか、私はずっと迷ってきた。だから、次の決断はちょっとした正念場になる。オーナーズグループでは、ランフラットタイヤをやめれば車が別物のように変わる、と言われていた。急いでそうするつもりはなかったものの、新品のランフラットを2本買う金額で、通常のプレミアムタイヤなら4本も買える。となると、その違いを確かめてみたくなってきた。さて、どうしたものやら。
文:Robert Hefferon