老後、仕事を辞めて時間ができたものの、「今日は何をしよう」「人と話す機会がなくなった」と感じる人もいるでしょう。今回は、図書館で開催されているイベントを例に、お金をかけずに学びや楽しみ、人との交流を得る方法をご紹介します。※サムネイル画像:amanaimages

老後、仕事を辞めて時間ができたものの、「今日は何をしよう」「人と話す機会がなくなった」と感じる人もいるでしょう。かといって、趣味や習い事にお金をかけ続けるのも気になります。

そんなときに活用したいのが、身近な図書館です。図書館では、本や新聞を読むだけでなく、読書会、セミナー、展示、健康に関するイベントなどを開催しているところがあります。

今回は、図書館で開催されているイベントを例に、お金をかけずに学びや楽しみ、人との交流を得る方法をご紹介します。

◆千代田図書館では「本を通じた交流」ができる

東京都の千代田図書館では、「本と出会う読書サロン」という、読書を通した交流イベントを開催しています。

2026年7月から2027年3月までの第26期では、毎月異なるテーマを設定。参加者がテーマに合う本を1冊持ち寄り、その本を紹介し合います。例えば、9月は「酒」、10月は「菓子」、11月は「味覚」がテーマです。興味のある回だけ参加したり、見学したりすることもできます。参加費は無料、定員は各回15人です。

本を読むだけなら一人でもできますが、読書サロンでは、自分では選ばなかった本に出会えるのも魅力です。同じテーマでも、参加者によって選ぶ本はさまざま。「そんな本があったのか」「こんな見方があるんだ」と、新しい発見にもつながります。

「最近、人と話す機会が減った」という人でも、本という共通の話題があれば会話のきっかけをつくりやすいでしょう。本を通じて人と交流しながら、自分の興味の幅も広げられる場です。

◆東京都立中央図書館では「学ぶ」「見る」「参加する」

東京都立中央図書館でも、さまざまなイベントが開催されています。

2026年度は、ショートセミナー、図書館見学ツアー、企画展示などが企画されています。ショートセミナーは、図書館の資料や情報を活用しながら、さまざまなテーマについて学ぶ機会です。また、書庫見学ツアーなど、普段は見ることのできない図書館の裏側を知るイベントもあります。

図書館のイベントというと、本の紹介や読み聞かせを思い浮かべるかもしれません。

しかし、実際には「知りたいことを学ぶ」「展示を見る」「普段と違う図書館の一面を楽しむ」といった使い方があります。

例えば、これまで気になっていた医療や暮らしの情報を調べてみる。地域の歴史を知る。展示をきっかけに興味のある分野を見つける。

1つのイベントをきっかけに、「次はこれを調べてみよう」という新しい興味が生まれることもあるでしょう。

参照:イベント一覧 東京都立図書館

◆横浜市の山内図書館では「認知症」「運動」「eスポーツ」のイベントも

横浜市山内図書館では、本を借りるだけの場所にせず、健康や交流につながるイベントも開催しています。

2026年9月26日には、認知症について学ぶ「知るヒント・支えるヒント~みんなで学ぶ認知症~」を開催。専門家の話を聞きながら、認知症を知り、支えるためのヒントを学ぶ内容です。

また、7~9月には「図書館でハマトレ」を開催。横浜市が高齢者の「歩き」に着目して開発した、家の中でも簡単にできるトレーニングを図書館で体験できます。こちらは無料、予約不要です。

さらに9月23日には、65歳以上の人とその家族を対象に「eスポーツ体験」も開催。申し込み不要で参加できます。このように、図書館では本に関するイベントだけでなく、健康、介護、運動、ゲームなど、シニアの生活に身近なテーマを扱うこともあります。

◆図書館に行く理由があると、外に出るきっかけになる

図書館のメリットは、無料で本を読めることだけではありません。読書会に参加すれば、本を通して人と話せる。セミナーなら新しい知識が得られる。展示を見れば興味のあるテーマに出会える。健康イベントなら体を動かせる。

定年後は、会社員時代のように、仕事を通じて自然と人と顔を合わせる機会が減る傾向にあります。そんなときこそ「お金をかけずに出掛ける場所」を持っておくことは、老後の孤独対策としても意味があるといえるでしょう。

◆「お金がないから何もできない」ではない

老後は、現役時代より収入が減る一方で、自由な時間は増えます。その時間を旅行や習い事など、お金のかかる趣味で埋めようとすれば、家計への負担も大きくなります。

そこで活用したいのが、自治体や公共施設が提供する無料・低額のサービスです。さまざまなサービスがあるため、「お金をかけずに何ができるか」を知っておくことが大切です。

図書館なら、本を借りるだけでなく、読書会、セミナー、展示、健康イベントなど、さまざまな過ごし方があります。

「図書館なんて、何年も行っていない」という人も、まずは近所の図書館のホームページを見てみましょう。お金をかけずに学び、楽しみ、人と話す。そんな時間をつくることができるでしょう。図書館は、老後の「やることがない」「人と会う機会が減った」という不安を小さくするために活用できる、身近な公共サービスです。

文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)

会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方を発信。3匹の保護猫と暮らす。All About おひとりさまのお金・ペットのお金ガイド。

文=舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)