三井住友海上火災保険が8月26日、浜松市立赤佐小学校の学童クラブで交通安全教室を実施した。交通事故削減に向けた活動の一環で、夏休み期間中の小学校1〜4年生の児童を対象とした今回の企画。その実施背景や地域の課題解決の取り組みについて、三井住友海上の担当者に聞いた。
防災と交通安全をクイズで楽しく学ぶ
自動車保険や火災保険、傷害保険などの損害保険事業を展開する三井住友海上は2025年度、社内に「子どもを救おう対策チーム」を発足。楽しみながら交通安全について理解を深めてもらう啓発活動の一環として、市内の学童クラブなどで交通安全教室を開催している。
8月26日に赤佐タイガークラブに通う小学1~4年生を対象に開催された交通安全教室は、同社の浜松保険金お支払センターによって2回実施され、各回に約60名の児童が参加した。
本教室で最初に行われたのは、「防災スタンプラリー」というプログラム。川遊びや留守番中の地震、避難所や火事などシチュエーション別にA/Bの二択クイズが4問出題され、いざというときの防災について考えた。クイズ自体は、いずれの選択肢を選んでも正解となる内容で、「ピンチをのりこえるヒント集」という冊子を使った解説も行われた。
続いて、「交通安全クイズ」では登下校や日常生活で注意したい交通ルールについて、◯×クイズを5つ出題。歩道がない道路を歩く時は基本的に道路の右側を歩くこと(歩道があれば歩道を歩く)、自転車は原則として車道の左側を通行すること、安全確保が難しい場合などは歩道を通行できること、ヘルメットを着用することなども伝えられた。
最後はスタッフのレクチャーのもと、バルーンアート制作も実施。参加者の児童一人ひとりに、天竜ヒノキを使ったオリジナルの定規もお土産としてプレゼントされた。
神奈川静岡損害サポート部浜松保険金お支払センター所長・飯島一征氏は、「お互いに声をかけ合いながら、みんなで交通ルールを守ることが、お互いの命を守ることにつながります。まずは自分の身は自分で守るということを大切にして、今日の学びを家族の人たちとも話し合ってみてください」と、子どもたちにメッセージを送っていた。
地域全体で子どもを交通事故から守る
昨年度より「子どもを救おう対策チーム」を発足させて、交通安全の取り組みをスタートさせた三井住友海上だが、かねてから「ドアパンチゼロ対策」などにも継続的に行っている。
ドアパンチは車に乗り降りする際、ドアを開けた拍子に隣に駐車している車や壁などにぶつけてしまうトラブル。浜松は年間を通じて風が強く、とくに冬から春先にかけては「遠州のからっ風」と呼ばれる強い北西の季節風が激しく吹き抜けるため、ドアパンチによる物損事故が多発してきたという。
「ドアパンチによる事故は軽くコツンとぶつかっただけでも高額な修理費がかかることも少なくないため、けっこう揉めてしまうことも多いんです。ドライバーなどに対する“ドアパンチ”事故の認知拡大や注意喚起などの活動に手応えを感じ、2025年度から新たな活動として『子どもを救おう対策チーム』を立ち上げたというのが、今回のイベント開催の経緯となっています」(飯島氏)
また、浜松市は政令指定都市の中で人口10万人あたりの人身事故件数が、16年連続ワースト1位。2024~2025年にかけて、小学生が交通事故で死亡する事故が2年連続で2件発生していることも背景になっているようだ。
「おそらく複数の要因があると思われますが、浜松はとくに郊外などの公共交通手段が少なく、自動車の保有率が非常に高いことが考えられます。また、浜松市の道路総延長は約8,500キロメートルで政令指定都市の中で最長。2位の横浜市(約7,796キロメートル)を大きく上回っている点も、事故件数が多くなる一因とも考えられます」(飯島氏)
同社の小学生向けの交通安全の取り組みとしては、毎年3月に開催される「虹彩(にじいろ)よさこい」の会場にブースを出展し、今回と同様の交通安全クイズや防災クイズを実施。さらに今年6月には旗振り活動(通学路の交差点や横断歩道に立ち、通学を見守る交通安全ボランティア活動)も行ったという。
「今回は弊社社員のお子さんが通っているご縁もあり、こちらの学童クラブで交通安全教室を開催させていただくことになりました。今後はさまざまな地元の企業・団体とコラボしながら、市や警察とも連携して子どもたち向けの交通安全活動を拡大させていきたいと考えています」(飯島氏)
ドアパンチゼロ対策では2年連続で市内のレンタカー事業者と連携。三井住友海上との保険契約の有無に関係なく、配車時に県内外の利用者へチラシ等を配布し、活動を推進してきたという。
「毎日事故の受付で被害者の方の話を聞くなかで、交通事故を減らしたい、なくしていきたいということが、我々の強い思いとしてありますね。“ドアパンチゼロ対策”の取り組みも継続しながら、安全なまちづくりを地域全体で推進していきたいです」(飯島氏)









