「ここの裏方さん、本当にヤバい」所属芸人が明かす、裏方スタッフの仕事ぶり
大宮ラクーンよしもと劇場には、「大宮にしかないお笑い」を求めて来場するファンが多い。中でも所属ユニットの「大宮セブン」は、平日の昼にも関わらず、公演チケットが完売するほどの人気ぶりだ。ユニットの解散、メンバー脱退、加入を経て現在は、囲碁将棋、マヂカルラブリー、GAG、タモンズ、すゑひろがりず、ジェラードンがメンバーだ。取材に訪れた日は、奇しくも劇場とユニット12周年の記念日。楽屋は出番を待つ芸人たちで活気に溢れていた。
まずは本番直前のタモンズに話を聞くことができた。
――劇場のスタッフの仕事ぶりで印象に残っていることはありますか?
大波さん:ここの裏方さん、本当にヤバいんです。というのも、大宮セブンの公演って台本の通りに進まなくて、リハーサルやっても意味ないんちゃうか、ってくらいその場の雰囲気でどんどん横道にそれるんです。コーナーを4つ用意してたのに1つしかやらない上に別のコーナーを始めちゃうとか。
でもここの裏方さんは本当のプロなので、演者が勝手にやったことに対して、欲しい音を入れてくれたり、うまいこと照明で調整してくれたり、機転が利くんですよ。僕らがちょうどやりたいことを、阿吽の呼吸でできるんですよ。
安部さん:本番中も、集中して舞台を見てくれていますね。次にやりそうなことを先読みしてくれてて、たとえば急に「ガムテープ欲しい」ってなっても、すぐに袖から飛んでくる。
大波さん:「これしたかったんでしょ?」って言わんばかりに、楽屋にちょっと変な衣装が置いてあったり。ほかの劇場では、ここまで裏方さんがついてこれません。大宮の裏方さんは笑いを増幅してくれる、その対応力が半端ないです。本当に感謝しています。
――大宮ラクーンよしもと劇場が12周年ということで、大宮セブンも結成から12年が経ちましたね。
大波さん:そうなんです。大宮に来た当初のことを思い出すんですが、あの頃はボクらも大宮という土地に馴染めてなかったし、あと何をやってもお客さんが入ってくれなかったんですよ。「お金を払って劇場でお笑いを見るって、どういうこと?」という感じでした。
安部さん:最初の頃は、大変な営業もたくさんありました。大宮ラクーンの下でずっとお汁粉を配ったり、お祭りのときに組むような高いやぐらの上で漫才やったり、せっかく漫才やってんのに焼き鳥の煙がすごすぎて何も見えないこともあったし。
大波さん:そうそう。あんときは声だけしか届かへんかったな。そんな状態からのスタートだったので、今日、本番前のロビーにお客さんが詰めかけてくれている様子を見ると、本当に感慨深いものがありますね。
この後、ジェラードンの2人にも話を聞けた。
――大宮ラクーンよしもと劇場の印象について教えてください。
アタック西本さん:良い意味でノリが独特です。だから、一見さんは笑えないかも? それでも人気の芸人さんが見たくて大宮に来て、このノリにハマってしまうお客さんがたまにいらっしゃって。大宮にハマった濃いファンが1人、また1人とリピーターで残っていく、そんなイメージです。
かみちぃさん:平日夜公演はお笑いが濃いので、まずはルミネtheよしもと、渋谷、神保町の漫才劇場でお笑いの免疫をつけていただいて、「もっと濃いの欲しいな」ってときに大宮に来てください。舞台でパンツ一丁になる方も出てくるので。でもハマる人はガッツリ、とことんハマるので。特殊な劇場ですよね。
西本さん:日常生活の中で、目の前で成人男性がパンツ一丁になる姿を見ることって、なかなかないですよね。尖ってる、とも違う。GAGの福井俊太郎さんはよく「ビビってるか、ビビってないかだ!」って言うんですが、チキンレースに近いものを感じます。
――大宮ラクーンよしもと劇場に来るお客さんにメッセージをお願いします。
西本さん:本当に濃い劇場なので、この記事を読んでいる人も普段から大宮ラクーンに来てくれている人だと思います。まだこっから10年、20年と頑張っていきますので、よろしくお願いします。いま客席にいる人たちと、50代、60代とずっと一緒に歳をとっていければと思います。
かみちぃさん:そうですね、まず初めてのお笑いライブに大宮はやめてください。大宮のお笑いはかなり過激なので、ご注意ください。最後になりますが、ボクは大宮の笑いは苦手です、とお伝えしておきます(笑)。



