「インターン=社員アシスタント」。そんなイメージを持っている人であれば、驚くに違いない。
INFORICHで、街中のコンビニや駅・商業施設などに設置されたモバイルバッテリーシェアリングサービス「CHARGESPOT」のマーケティングを担当する早稲田大学4年生の岩崎桃子さん。インターン生という立場でありながら、約100人のアンバサダーコミュニティを運営し、1年で総フォロワー数を250万人から800万人へと伸ばした。
SNSで絶大な影響力を持つインフルエンサーたちとの関係構築、企画立案、コミュニティ運営。いずれも本来であれば経験豊富な社員が担っていてもおかしくない仕事だ。なぜ一人の大学生がそこまでの役割を任され、結果を出すことができたのか。その背景には、本人の努力だけではない、INFORICH独自の育成文化があった。
「CHARGESPOTを文化にする」インターンが担うミッション
――まずは岩崎さん、自己紹介と現在担当されている業務について教えてください。
岩崎さん:早稲田大学4年生の岩崎です。大学では異文化理解をテーマに社会学や歴史学を専攻しています。大学3年生のときにスイスへ1年間留学し、帰国後の昨年8月からINFORICHでインターンを始めて、ちょうど1年が経ちました。
INFORICHでは「CHARGESPOTを文化にする」を目標にマーケティング業務を担っていて、具体的には「インフルエンサー業務」と「アンバサダー業務」の2つを担当しています。
インフルエンサー業務では、毎月のテーマに沿ってサービスの魅力を訴求する動画をTikTokやInstagramのリール向けに企画・制作しています。アンバサダー業務では、現在約100名ほどいるサポーターの方々のコミュニティ管理を行い、SNSを通じて「CHARGESPOTがあるのが当たり前」という空気感を醸成することを目指しています。
――アンバサダー業務では、具体的にどのような成果が出ているのでしょうか。
岩崎さん:私が入った当初は50名ほどだったアンバサダーが、現在は100名まで増えました。以前は運営側からお声がけすることが多かったのですが、今ではありがたいことに「アンバサダーになりたい」という連絡を向こうからいただけるようにもなっています。
もっと具体的な数字で言うと、アンバサダー全体の総フォロワー数は250万人から800万人と、3倍以上に増えました。一人あたり40万人のフォロワーを持つような影響力の強い方にも参加いただけるようになり、コミュニティの質も確実に上がっていると感じています。
成果を生んだ「個別のコミュニケーション」
――それほどの成果を出すために、何か意識していることはありますか?
岩崎さん:まずはアンバサダーの方々への丁寧なコミュニケーションですね。100人もいるとテンプレートで返信したほうが効率はいいのですが、それだと相手のモチベーションも冷めてしまうと思うんです。だから私は、インスタのDM一通一通にできるだけ自分の言葉で返信するよう意識しています。
――実際に、丁寧なコミュニケーションが成果につながったと感じますか?
岩崎さん:はい。アンバサダーの方々も一人ひとり価値観や活動スタイルが違うので、数字だけを見るのではなく、その方自身を理解しようと意識しています。その積み重ねが信頼関係につながり、結果としてコミュニティ全体の活性化にもつながっていると思います。
――インフルエンサー向けの動画制作では、どのような工夫をされていますか?
岩崎さん:デジタルネイティブ世代の私たちにとって、CHARGESPOTはどこにでもあって当たり前のサービスに思えますが、実はCHARGESPOTの認知度は全国でまだ60%程度。残りの40%の「名前は聞いたことあるけど何だっけ?」という人たちを取りこぼさないよう、動画では必ず「どんな時に必要になるか」という利用シーンを入れるようにしています。
写真撮影で充電が切れた時などに、パッとCHARGESPOTを思い出してもらえるようなフックを作ることを意識していますね。
「大きな服を着せる」若手に挑戦を託すINFORICHの育成文化
――ここからは上司の大澤さんにもお話をうかがいたいと思います。インターンさんにこれほど大きな裁量を任せるのは、当初からの意向だったのでしょうか。
大澤さん:そうですね。僕は前職のユニクロでさまざまな経験を積んできましたが、そこでは「大きな服を着せる」という文化がありました。あえて本人の実力より少し上のミッションを与えて、それにふさわしい人間になってもらうということです。
INFORICHでも、フレッシュな感性を持つ若手にどんどん挑戦してほしいと思っていて。岩崎に関しても、面接の時から「インターンだからといってぬるく考えないでほしい」と伝えていました。
――大きな仕事を任せられる人間か否か、その判断基準はどこにあるのでしょう。
大澤さん:簡単に言うと、本人のモチベーションとコミット量ですね。スキルは僕たちがフォローすればなんとでもなりますが、やる気と責任感だけは本人次第じゃないですか。岩崎は週3日、実働6時間という限られた時間で働いてくれていますが、責任感がすごく強く、出勤日以外でも自分から動こうとする姿勢があるので、大きな仕事でも任せようと思えました。
――岩崎さんは、大澤さんのマネジメントをどう感じていますか?
岩崎さん:私はすごく落ち込みやすい性格なのですが、大澤さんは私の性格をありえないぐらい理解してくださっていて(笑)。例えば、アンバサダーさんとやり取りが上手くいかなかったとき、アドバイスだけでなく「今、絶対落ち込んでると思ったよ」とメンタルフォローまでしてくれるんです。私のことを水晶で見ている占い師みたいだなって(笑)
大澤さん:占い師(笑)
岩崎さん:毎週の1on1では、まず褒めて伸ばしてくださって、その上で現状に満足しないための次のステップを提示してくれます。その期待に応えたいという思いがモチベーションにもなっていると思います。
若手の挑戦を歓迎する環境が、大きな成長につながる
――これまで、「さすがにこの仕事はインターンの枠を超えているんじゃないか」と感じた瞬間はありますか?
岩崎さん:CHARGESPOTは今、九州で大々的なキャンペーンを行っているのですが、福岡まで2泊3日の出張に行かせてもらったときですかね。現地のCHARGESPOT設置箇所を何箇所も回って調査したのですが、自分の足で歩くことで「こんなに設置されているんだ」と体感できましたし、サービスが人の役に立っていることを改めて感じました。
他にもモデルさんの撮影同行など、普通の学生ではできない経験をたくさんさせてもらっています。
――INFORICHという会社の環境についてはどう思いますか?
岩崎さん:大企業ほどガチガチではなく、立ち上げ直後のベンチャーほど予算や体制に制約があるわけでもないので、ちょうどいい塩梅だなと感じています。突拍子もないようなアイデアも頭ごなしに否定せず、みんなが耳を傾けてくれる。人柄がいい人ばかりで、のびのびと挑戦させてもらえる環境です。
――ちなみに岩崎さん、卒業後の予定は……。
岩崎さん:そのままINFORICHに新卒として入社する予定です! 最初は使ったこともなかったサービスでしたが、中の人たちの温かさに触れ、業務を通じて愛着が湧き、今では友達にも自分から勧めるくらいCHARGESPOTが大好きになりました。
――最後に、大澤さんから見て、若いうちから大きく成長する人にはどんな共通点がありますか。
大澤さん:「出る杭」になれる人だと思います。INFORICHは中途の即戦力採用が多く、待ちの姿勢だと、たくさんの仕事に関わるのは難しいかもしれません。そのなかで「これをやってみたい」「こっちの方がいいんじゃないか」と自発的に手を挙げられる人であれば、色々な仕事を任せようと思っています。
スキルは関係ありません。空気を読んで何もしないより、岩崎のように失敗を恐れず、フィードバックを自分の糧にできる。そんな“回収率”の高い人には、自然と挑戦の機会が集まってくるし、成長していくと思います。





