ABEMAオリジナルドラマ『バカンスの法則』(毎週 月・水・金 20:00〜配信)で、連続ドラマ作品での本格的な演技に初挑戦しているAマッソの加納愛子にインタビュー。橋本環奈やチェ・ジョンヒョプらとの共演を通して感じた俳優のすごさや、東村アキコからかけられた言葉、役作りについて語った。(前後編の前編)

  • 加納愛子 撮影:佐藤容平

    加納愛子 撮影:佐藤容平

ドラマ『バカンスの法則』の脚本を読んで感じた魅力

――まずは、脚本を読んだときの感想から伺ってもよろしいでしょうか。

東村さんの作品のいいところがたくさん詰まっていて、映像化すると聞いたときに、いろいろな場面を思い浮かべられるというか。楽しさが伝わってくる作品だなと思いましたね。

――東村アキコさんの漫画は、普段から読まれていましたか?

『東京タラレバ娘』と『かくかくしかじか』を読ませてもらっていたので、そのイメージがありました。

――その2作品は、現実の人たちのやり取りを描いた印象がありますが、今回は死神のような存在も登場して、少しファンタジー的な設定がありますよね。その点はいかがでしたか?

映像化するにあたって、より面白い演出になってくるのかなと思いました。確かに、ちょっとファンタジーですもんね。そこはファンタジー感があって、どんな感じになるんだろうと思いました。

加納愛子が演じる紬はどんなキャラクター?

――加納さんは今回、橋本環奈さん演じる緑の親友で、ツッコミ気質の占い好きなサブカル女子・紬を演じられます。映像作品で本格的に演技をするのは初めてだと伺いました。

そうですね。短編映画などに出させてもらったことはあったんですけど、ちゃんとお芝居をするのは初めてでした。

――撮影はいかがでしたか?

演技のことは本当に何も分からないんですけど、(東村さんから)「普段の加納さんの感じで」と言っていただいて、セリフをわざわざ関西弁に直していただいたりもして。寄り添ってもらって、温かく迎え入れてもらいました(笑)。

――良かったです(笑)。「普段の加納さんの感じで」と言われたということは、紬は加納さんと似たところがあるようなキャラクターなんですか?

紬は、みんなのいる場を見て、ちょっとツッコミを入れる役でもあったので、私とすごくかけ離れたキャラクターではなかったと思います。東村さんがイメージした通りになっているかは分からないですけど、私は全く無理なくやらせていただいた感じがありますね。

――紬は占い好きなサブカル女子という役柄ですが、ここは加納さんに全く印象のない設定だなと思いました。

そうですね。私は、そういうところは全くないです。ただ、紬がやっている占いも結構適当というか、タロットを使って楽しんでいる感じなので、ガチガチの洗脳系ではないです(笑)。

――ガチガチだとまた一つお芝居で考えることが乗っかってくると思うので、安心ですね(笑)。役を演じるときには、自分の想像から人物像を作る方法もあれば、実在の誰かをモデルとしてイメージする方法もあると思います。今回は、どのように役へ入っていきましたか?

特にモデルにした人はいなかったですね。東村さんの作る作品の世界観でイメージして、「このセリフは、あの登場人物のあのセリフの感じかな」と考えることはありましたけど、モデルがどうということではなかったと思います。

橋本環奈、チェ・ジョンヒョプと共演「やっぱりすごかった」

――これまでコントでたくさんの役を演じてきたと思うのですが、俳優として演技をするときに違いを感じる部分はありますか?

演劇の舞台に出演させていただいたときも思ったんですけど、コンビだと、自分がしゃべっていないときは受けの演技になるじゃないですか。だから、第三者としてそこにいるときに何をしていいのか、本当に分からなくて。そこは難しかったですね。皆さんのお芝居を見ながら勉強させてもらったという感じです。

――共演者の皆さんは俳優として経験値が豊富な方ばかりで、勉強させてもらうにはこの上ないお手本ですよね。

皆さん、切り替えがすごいなと思いました。直前まで普通に笑ってふざけた話をしていたのに、お芝居に入った瞬間、ぐっとプロになるというか。その切り替えがすごかったですね。

――俳優の方はお芝居に入る前後の切り替えがすごいと聞いたことがありましたが、やはり感じるものなんですね。ドラマは橋本環奈さんが主演で、チェ・ジョンヒョプさんが物語の鍵を握る役柄を演じています。お二人とご一緒されてみて、いかがでしたか?

演技はもちろんですけど、撮影現場での振る舞いも含めて、本当に勉強させていただきました。(お芝居では)お二人とも大先輩なので、制作の方とどう向き合っているのかという姿勢も含めて学ばせていただきましたし、お二人のシーンをモニターで観ていると、本当に美しくて。何もしゃべっていなくても、画面に吸い寄せられるような力強さがあって、やっぱりすごかったですね。

――演技だけでなく、スタッフさんとの向き合い方も目を引いたんですね。

そうですね。たくさんの人が関わる作品作りの中で、現場の熱量を一つにまとめることって、誰にでもできることじゃないと思うんです。全員が気持ちよく作品を作れるように、気持ちよく働けるようにという空気作りは、本当にすごいなと思います。

■プロフィール
加納愛子
1989年2月21日生まれ、大阪府出身。2010年に村上とお笑いコンビ・Aマッソを結成。作家としても活動し、エッセイ『イルカも泳ぐわい。』(筑摩書房)、『行儀は悪いが天気は良い』(新潮社)、小説『これはちゃうか』(河出書房新社)、『かわいないで』(文藝春秋)などを刊行。脚本も手がけるなど創作の幅を広げている。
■ABEMAオリジナルドラマ『バカンスの法則』
『バカンスの法則』は、多忙な日々に疲弊した主人公・星野緑(橋本環奈)が、海辺の別荘で過ごす“非日常のバカンス”のなかで、ミステリアスな管理人・西上(チェ・ジョンヒョプ)と出会い、恋に落ち、人生の大切な時間を取り戻していくひと夏の“デトックス・ロマンス”を描く。『海月姫』などのマンガで知られる東村アキコ氏が、原作・脚本・監督を務める。