
2004年生まれ、イギリス・レスターシャー州出身の大器、シークゥ(Sekou)が今夏のサマーソニックで初来日を果たす。10代でレーベル契約を果たして以来、誰もが認めるその歌声は、クインシー・ジョーンズやジャスティン・ビーバー、BTSのJIMINからも支持されてきた。彼はRolling Stone UKのインタビューで、音楽シーンでの大成に向けた計画を語る。
Jimin posted about my music not long ago and last night we met for the first time ! BTS thank you for inviting me to your show Im such a fan @bts_bighitpic.twitter.com/let4BoZPjp — Sekou (@sekouumusic) July 7, 2026 今年5月にJIMINが自身のInstagram投稿で、シークゥの楽曲「Catching Bodies」をBGMに使用。シークゥは元々BTSの大ファンであったことから交流が生まれ、BTSワールドツアーのロンドン公演に招待された
自分らしさの追求
音楽業界には、力強いボーカリストたちを単なるバラード歌手として決めつける傾向がある。それは実証された成功の公式であり、シルキーなバリトンボイスと底知れぬ才能を引っさげてシークゥのようなアーティストが登場したとき、周囲の力によって同じ道を歩まされる可能性があることを意味している。「僕が契約できた主な理由はそれだったと思う」と、21歳の彼は振り返る。「『彼がピアノバラードだけを作っていれば、そのうちどれかひとつは当たるだろう』とみんなが考えていたんじゃないかな」
ある意味で、それは功を奏した。初期のリリース作は一世代にひとりの歌声を提示し、クインシー・ジョーンズからブルーノ・マーズに至る音楽界の大物たちの関心を惹きつけ、史上最年少の19歳にしてBRITライジング・スター賞にノミネートされたアーティストとなった。「でも心の底では、少し無理をさせられているように感じることもあった」と彼は認める。「他人の意見に従うだけで成功したいわけじゃない。だから、少し気を引き締めて、他のことにも挑戦しなければならなかった」
その「他のこと」が結実したのが、全4曲からなる2025年のミックステープ『In a World We Dont Belong (Pt.1)』だ。この作品は、グルーヴィーな真夏の夜に最適なサウンドトラックであると同時に、シークゥという人物の本質を力強く伝える自己紹介としての役割も果たしている。ここで彼は、子供時代に教会で長年歌うことで磨き上げた歌唱技術と、そもそも彼が音楽を始めるきっかけとなったクラシックなソウル、ファンク、ディスコからの影響を絶妙なバランスで融合させている。「成長していくなかで、自分はいつも浮いた存在だと感じていた」と彼は言う。「普通の世界があって、それとは別に、少し変わった、少し尖った人たちの世界みたいなものがあると思う。そして自分は、ずっとその世界に属する運命なんだと感じていたんだ」
このミックステープにおいて、その世界はダンサブルなシンセのレイヤー、ディスコのニュアンスを帯びたストリングス、そして彼が聴いて育ったモータウンのアーティストたちへのオマージュであるキャッチーなサビによって構築されている。視覚的には、ノーザン・ソウルを含む様々なダンス・サブカルチャーからインスピレーションを得ており、「Never Gunna Give You Up」のビデオは、ここ数年英国中で熱狂的に復活している数々のクラブイベントの、汗ばむような狂乱のエネルギーを捉えている。
ジャスティン・ビーバーとの邂逅
「楽器やボーカルのリフからインスピレーションを受けることもある」と彼は、そうしたノスタルジックな影響を自身の音楽に織り交ぜるスクラップブック的な手法について語る。しかしシークゥにとって、すべてを一つに結びつける揺るぎない共通項は「喜び」だ。「みんなサウンドがすべてだと思いがちだけど、本当に重要なのは感情なんだ」と彼は笑顔で語る。
それは彼のステージ上での圧倒的な存在感の特徴でもあり、見逃せないライブアクトとしての評価を着実に高めている。「もっと大きな会場でライブができるようになることは、僕にとってすごく重要なことなんだ」と彼は認める。これほど若いポップスターには予想外かもしれない、抜け目のないビジネス感覚を隠すことなく見せる。「ライブがうまく機能しているときこそ、本当に勢いがつく。まさに今、僕が体感していることだ。1年半前はチケットを50枚売るのもやっとだったのに、今回のイギリスとヨーロッパのツアーでは7000枚のチケットを売り切ったんだから」
急増するファン層の中には、格別に著名な顔ぶれも含まれている。ジャスティン・ビーバーが復活アルバム『SWAG』をサプライズリリースした際、鋭いリスナーなら「Too Long」の中でシークゥの甘い歌声が際立った輝きを放っていることに気づいたかもしれない。このコラボレーションは、同じく10代でスカウトされた才能であるジャスティン・ビーバーから、シークゥの音楽への称賛と「そのまま突き進め」という励ましを伝える突然のダイレクトメッセージが届いたことから実現した。
「とにかくただただ呆然とするほど驚いた」とシークゥは振り返る。ロサンゼルスへの旅行中に二人はついに合流し、アルバム制作となるセッションに「ビーバー・ファミリーの一員」として温かく迎え入れられた。ジャスティン・ビーバーとの楽曲制作は、クリエイティビティのマスタークラスのような時間になったと彼は語る。「今までプロデューサーや一緒に仕事をしてきた他のアーティストたちと経験してきたものとは、全く違っていた。完全にゼロから、ただ純粋に音楽に向き合い、楽器を手に取って、その部屋に自然と漂っているようなアイデアを形にしていくんだ」
レスターシャーの小さな町から、ポップス界最高峰のスターの一人が所有するロサンゼルスの大邸宅へという、思いもよらない道のりをシークゥ自身も強く実感しており、この好機を決して逃すまいとしている。「自分がどこ出身かを誇りに思っているけれど、いつも『もし努力を怠れば、あの生活に引き戻されるかもしれない』と自分に言い聞かせているんだ」と彼は語る。「地元は愛しているけれど、あそこは本来の僕の居場所じゃない。傲慢に聞こえたら嫌だけど、僕はあの環境で生きていくようには作られていないんだ」
「本物志向」の確固たるヴィジョン
シークゥは、現代のポップ・サウンドを形作る新世代の英国人アーティストたちの一角を担っている。結果として、2026年は若く才能あふれるイギリス人にとっての黄金時代となっており、ローラ・ヤングやFKAツイッグス、オリヴィア・ディーンといった自国のアーティストたちが今年のグラミー賞で栄冠を手にしている。そこでシークゥが指摘するのは、いずれの受賞も一朝一夕の成功ではなく長年の地道な努力の賜物だということだ。例えば、オリヴィア・ディーンは最優秀新人賞の受賞スピーチで、その瞬間のために10年間積み重ねてきたと語っていた。
「僕のような多くのイギリス人アーティストにとって、特に大西洋を越えた大きなステージへ辿り着くには時間がかかるという事実が希望になるんだ」とシークゥは語る。この堅実なマインドセットのおかげで、彼はこれまでのところ、一時的なネット上のバズを生み出さなければならないというプレッシャーに流されることなく、自身のスキルを磨くことに集中して取り組むことができている。「今の時代、アーティストがどれほどのパワーを持ち、どれほどの力関係を握ることができるかを、みんな低く見積もりすぎていると思うんだ」と、加速し続けるポップカルチャーの狂騒にも動じることなく、彼は語る。「その影響力は決して消え去ることはない」
だからこそ、彼はデビューアルバムの制作にじっくりと時間をかけたいと考えている。次のシングル「Dangerous Lover」を聞けば、アルバムがどんなサウンドになりそうかの予感を掴めるという。ロサンゼルスでの目まぐるしい一夜に着想を得たこの曲は、キャッチーなコンテンポラリー・ディスコのビートに乗せて、恋に落ちた瞬間の幸福感に満ちた高揚と不確実性を描いている。「誰かと出会ってから4時間足らずで恋に落ちたと思うんだ」と彼は語り、笑い交じりに付け加える。「それに、少し酔っ払っていたから、何が起きてもおかしくなかったんだと思う」
このトラックはロンドンへ戻るフライトの直前、一瞬のひらめきによって誕生したものだったが、彼が新たなサウンドの方向性を模索している間、しばらくの間ライブラリに眠っていた。「リリースするタイミングとして、どうしても今じゃない気がしていたんだ。でもミックステープによって独自の空間が作り上げられた今なら、完璧なタイミングだと感じられる」
現在、アルバムはいくつかのアイデアの断片として存在しているに過ぎず──『In a World We Dont Belong (Pt.1)』というミックステープのタイトルが示唆するように、まずは続編の『Pt.2』が6月にリリースされた──シークゥはアルバムについて、ポップスとソウルをさらに深く掘り下げると同時に、ロックミュージックの「アティチュード」を捉えたものにする計画だと明かしてくれた。しかし急ぐ気はなく、その瞬間を慎重に演出しようとしている。「多くのアルバムが世に出ては消えていくけれど、自分の作品がそんな風になるのだけは絶対に嫌なんだ」
「そう遠い未来の話じゃないよ」と彼は明かす。「少なくともあと1年は制作に取り組むことになると思うけれど、曲作りは間違いなく進めている。様々な理由から、僕はどうしてもアルバムを作りたいんだ。アルバムを出せば、自分のキャリアを真に大きく変えることができるし、アーティストとしての確固たる信頼も得られると感じているからね」
16歳で契約して以来、シークゥは数々の賞賛や栄誉を受けてきたが、それに浮足立つ様子はない。むしろ、彼を突き動かしているのは、彼自身の野心と大成への飢えだ。「アルバムを出してこそ、本物なんだ」と語る彼の声には、ブレることのない圧倒的な集中力が満ちており、その姿勢は誰の目にも明らかだ。「その時初めて、一人の本格的なアーティストになれるんだ」
From Rolling Stone UK
![In A World We Don't Belong[デジタル配信] - シークゥ - UNIVERSAL MUSIC JAPAN](images/img20260810-16988-pk9c00.jpeg)
シークゥ
『In a World We Dont Belong』
配信中
再生・購入:https://umj.lnk.to/S_IAWWDB
SUMMER SONIC 2026
2026年8月14日(金)・15日(土)・16日(日)
東京会場:ZOZOマリンスタジアム & 幕張メッセ
大阪会場:万博記念公園
※エルミーンは8月14日(土)大阪会場、16日(日)東京会場に出演