ダンヒル「Heritage in Motion」第2章となる「Century」発表

クラシックカーの魅力は、古さそのものではない。革の艶や金属の摩耗、手で操作する機構の感触に、走ってきた時間が刻まれていることだ。ダンヒルが発表した「Heritage in Motion」の第2章、その主役となるレザーグッズコレクション「Century」にも、同じ美意識が息づいている。

【画像】手作業で色を重ねたパティーナカーフやコントラストステッチと補強されたコーナーに、馬具製作を原点とするダンヒルの技術が表れる(写真3点)

ダンヒルと自動車の関係はブランドの原点に遡る。1893年、21歳のアルフレッド・ダンヒルは、馬具やハーネスを製作していた父の事業を継承。ほどなくしてモーターカーの時代を見据え、家業を自動車とその乗り手のためのアクセサリーを扱うビジネスへと転換した。その思想を示した言葉が「Everything But The Motor(エンジン以外のすべて)」である。ドライビングコート、ゴーグル、時計、ライター、ラゲージなどを展開した「Motorities」は、今日でいうカーライフスタイルを自動車の黎明期に構想していた。

今回発表されたCenturyは、20世紀初頭にモータリストのために製作されたトラベルバッグや自動車用トランクを現代に再構成したものだ。曲線を描く底部のコーナーは1914年のモータリング用トランクに着想を得た意匠。ハンドルには、革巻きステアリングの縫製を思わせる「ステアリングホイール・ステッチ」が手作業で施される。パドロックやラゲージタグには繊細なリードパターンを刻み、ティアドロップ形のキーやスタッズには「AD」のサイファーを配した。レザーと金属の緊張感ある組み合わせは、英国製グランドツアラーのボディと計器類にも通じる。

掲載モデル「Century 45 Patina Calf」は、タンカラーのパティーナカーフとコットンキャンバスのライニングを組み合わせた、幅61cmのホールドオールである。一点ごとに手作業で色を重ねた革は、使い込むほど固有の艶を深めていく。ファスナーとスタッズ付きレザーストラップという2通りの開閉方法を備え、現代の旅に必要な機能性も確保した。

「Heritage in Motion」とは、ヘリテージを静止した過去として飾るのではなく、再び旅へ連れ出す試みなのだろう。Centuryは、時間を味方につけながら持ち主の記憶を刻む、現代のモータリング・ラゲージである。

「Century 45 Patina Calf」タン

モータリング用トランクを想起させる曲線的な底部が特徴。

主素材:100% カーフレザー

主裏地:88% コットン、12% ポリエステル

副裏地:100% ゴートレザー

サイズ:W45×H33×D22cm

価格:687,500円