那覇・国際通りの一等地にあるフルスペックホテル|ホテル コレクティブ

沖縄・那覇のメインストリートである国際通り。その中心部に堂々たる存在感を放つのがホテル コレクティブである。グランドオープンは2020年と、とても新しい。国際通り沿いのホテルと聞けば、多くの人は利便性を最優先した都市型ホテルを想像するだろう。しかし実際に足を踏み入れてみると、その印象は良い意味で裏切られる。

【画像】沖縄・那覇で宿泊、食事、宴会、ウェルネスを高レベルで提供するフルスペックホテル「ホテル コレクティブ」(写真15点)

まず感心したのはアプローチである。交通量の多い国際通りに面していながら、車寄せは建物の奥に設けられ、立体式のほか地下には自走式駐車場も完備されている。レンタカー利用が多い沖縄において、この快適さは想像以上に価値が高い。国際通りの喧騒を背にエントランスへ向かうと、そこにはまったく異なる空気が流れている。

ホテル コレクティブは台湾資本によって誕生した。運営母体は台湾証券取引所上場企業である嘉新水泥(Chia Hsin Cement Corporation)グループ。1954年創業の老舗企業であり、現在はホテル、不動産、ヘルスケアなど多角的な事業を展開している。その象徴的プロジェクトのひとつが、このホテル コレクティブだ。単なる投資案件ではない。街づくりをト―タルで手掛けてきたユニークな企業が、沖縄の未来に可能性を見出し、国際通りの一等地に築き上げた大型プロジェクトなのである。

ロビーに足を踏み入れると、そのコンセプトはすぐに伝わってくる。アースカラーを基調とした落ち着いた色彩。スワロフスキークリスタルによって表現された滝をイメージした巨大なシャンデリア。その下には静かな水盤が広がり、脇には美しく整えられた松が配される。水、木、光。自然の要素を巧みに取り込んだ空間は豪華でありながら決して威圧的ではない。台湾で重視される風水の思想が館内の随所に息づいているという説明にも納得した。

実際、その思想は客室にも及んでいる。案内された客室では、家具の角がほぼすべて丸く仕上げられていた。そういえばエレベーターの天井も同様であったことを思い出す。鋭角を避け、気の流れを妨げないという台湾独特の美意識がすべてに貫かれているのだ。デスクには大ぶりの琉球ガラス製ランプが置かれ、夜になれば穏やかな光で室内を包み込む。バスルームにはガラス越しに大型テレビを眺められる工夫が施され、レインシャワーとハンドシャワーの両方を備える。もちろんトイレは独立型。近年は高級ホテルでさえアメニティをロビーでセルフピックアップするケースが増えているが、ここでは必要なものが客室内にきちんと揃えられている。その姿勢にも好感が持てる。

続いて見学したコーナースイートは約67㎡。ブルーを基調としたカーペットが印象的なリビングスペースには応接室のようなゆとりがあり、ベッドルーム側には畳敷きのスペースまで設けられている。ちゃぶ台と座椅子が置かれたその空間は、日本人には懐かしく、海外からの宿泊客には新鮮に映るだろう。コーヒーメーカーやヘアドライヤーもワンランク上の仕様となり、ホテル専用のフェイスシートマスクまで用意されている。細部へのこだわりが滞在の質を高めている。

そして何より驚いたのは静かさだった。国際通りに面した客室にもかかわらず、窓を閉めると街の喧騒は完全に消え去る。静かというより無音に近い。開業以来、隣室を含めた騒音に関する苦情が一件もないという説明を聞いたが、それも十分に納得できるレベルだった。

13階にはプレミアムフロアやコーナースイートの宿泊者は無料で利用できるエグゼクティブラウンジ「Altitude」が設けられている。17時から19時まではカクテルタイムとなり、アルコールやフィンガーフードが提供される。テラスへ出ると那覇市街を一望する眺望が広がり、ガゼボやソファ席が夕暮れ時の時間を特別なものに変えてくれる。

2階のエレベーターを降りるとブルーの美しい着物が目に入る。紅入藍型技法を用いた作品らしく、実に沖縄らしい美しいものだ。あらゆるところにアートが施されている点にも、国際色豊かなコレクティブの魅力を感じることができるが、ホテル コレクティブがフルスペックホテルと呼ばれる理由は、実はさらに奥深いところにある。街の中心にありながら、着席300名規模の宴会や国際会議にも対応する約480㎡の大宴会場が用意されているのだ。さらにその手前には150名規模の中宴会場が設けられ、用途に応じて分割利用も可能だ。宿泊、レストラン、プール、スパだけでなく、大規模なMICE需要まで受け止める。この総合力こそがホテル コレクティブの本質である。

館内を巡った後は4階の沖縄料理レストラン「碧海庭」で夕食をいただいた。近海魚のサラダ仕立てには赤マチ、まぐろ、島ダコが使われていたが、わさびと醤油ではなく酢味噌で味わう、沖縄らしい食文化を感じさせる一皿である。印象深かったのはイラブーと豚足のとろみ餡かけだった。海蛇であるイラブーを食したのは初めてだったが、一度乾燥させてから戻すことで独特のコクと旨味が生まれている。そこに豚足、大根、結び昆布、島豆腐、椎茸、栗が加わり、滋養に満ちた味わいを作り出していた。スーチカーは沖縄伝統の塩漬け豚肉を香ばしく焼き上げたもので、外はカリッと、中はしっとり。紅芋の変わり揚げは湯葉で包まれ、軽やかな食感を生み出している。イカ墨を使った茶碗蒸しは見た目とは裏腹に爽やかな後味で、締めには真鯛、まぐろ、シマアジの握り寿司が供された。

料理に合わせていただいたのは泡盛古酒の飲み比べである。瑞泉熟成古酒40度、おもろ10年古酒43度、おもろ15年古酒43度、北谷長老13年古酒43度、甕仕込み10年古酒35度。長期熟成によって生まれる芳醇な香りと深い余韻は、一般的な泡盛のイメージを大きく覆すものだった。特に15年古酒はまるで上質なシェリーやコニャックを思わせる複雑な表情を見せ、沖縄料理との相性も抜群だった。また同じフロアにあるバー&ラウンジ「ディベルティード」も大人ら楽しめる空間として素晴らしかった。

翌日にはSPAも体験することができた。ボディートリートメント60分コースだったが、セラピストによる丁寧なカウンセリングやアフターケアまで含めると約90分に及ぶ。最初にデンファレを浮かべた温かな湯で足を洗い、心身を落ち着かせる。オイルはリラクゼーションタイプを選び、アロマは「Nice Sleep」。ローマンカモミールを思わせる穏やかな香りが広がる。施術は脚から始まり、背中、肩、首、デコルテへと続く。使用されるのは日本初上陸という台湾発のオーガニックブランド「AD VITAM」。中国最大級のスパ業界サミット「Spa China」で6年連続受賞を果たしたブランドである。

施術後、ドレッサーに置かれていた美容液にも目を引かれた。主成分はダマスクローズ。およそ7000kgの花からわずか1kgしか抽出できないとされる希少な原料で、収穫の最盛期は5月。実際に手に取ると上品で奥行きのある香りが広がり、ラグジュアリーとは何かを静かに教えてくれるようだった。

滞在の締めくくりには中国料理「居易園」を訪れたウージャフゥイ(あなたを待つ)と名付けられたまん丸い頬をした少女像が迎えてくれる。あえてコースは選ばず、前菜六種盛り合わせ、沖縄県産窯焼きパリパリチキン、名物麻婆豆腐、そして蟹肉入り炒飯を注文するつもりだ。店の本当の実力は、看板料理を味わうことで見えてくるからである。このランチをもって、後ろ髪を引かれつつ那覇を後にした。

ホテル コレクティブは単なるホテルではない。総合力に長けた企業が沖縄の未来に賭けて築いた都市の迎賓館であり、宿泊、食事、宴会、ウェルネスのすべてを高いレベルで融合させたフルスペックホテルである。3階のジムは本格的。4階には屋外プールも用意されており、青空を眺めながら太陽を楽しむこともできる。プールサイドに位置するチャペル的な利用が可能な多目的ホールは企業の会議などにも利用できそう。

国際通りの中心にありながら、一歩館内へ足を踏み入れればそこには別世界が広がる。那覇という街に新しい滞在価値をもたらした存在であることは間違いない。

ホテル コレクティブ

所在地:〒900-0014 沖縄県那覇市松尾2-5-7

TEL:098-860-8366

FAX:098-860-8258

https://hotelcollective.jp/

文・写真:堀江史朗(オクタン日本版)

Words and Photography: Shiro HORIE(Octane Japan)