富士スピードウェイでのF1開催50周年を記念した企画展「知られざる あの、激闘」

静岡県小山町にある富士スピードウェイに隣接する「富士モータースポーツ ミュージアム」。自動車技術進化の歴史に加え、国内外の自動車メーカーの連携により展示されているレーシングカーは、各メーカーの協力により期間ごとに展示車両が入れ替えられ、2022年のオープン以来、何度訪れても来場者を飽きさせない。

【画像】1976年と1977年の富士を沸かせたF1マシンをクローズアップした特別展「知られざる あの、激闘」(写真14点)

そして、何といっても、ここ「富士モータースポーツ ミュージアム」最大の特徴といえば、モーターレーシング130年の歴史へ特化したコンセプトだ。展示された各世代、様々なカテゴリーで活躍したマシンのホンモノだけが持つ圧倒的な存在感、オーラを生で感じることのできる数少ないモーターミュージアムである。

そうした車両による常設展だけでも、かなりの満足感が得られるのだが、さらに嬉しいのが、富士スピードウェイでの開催イベントなどと連携した企画展も見逃せないものばかりであるということ。

富士スピードウェイでの開催50周年を記念し、現在開催中の「知られざる あの、激闘」では、日本初、そしてアジア初となった1976年「F1世界選手権イン・ジャパン」と、正式に「日本グランプリ」を冠した翌1977年の2回のレースにフォーカスしたものだ。世界の強豪と闘った日本勢の活躍の焦点はドライバーたちのみならず、この富士スピードウェイ周辺にあるレーシングガレージ「大御神レース村」での”アナザーヒストリー”での秘話まで掘り下げられた濃い内容である。

さらには日本でのF1開催前夜、日本のプライベートチームとしてF1世界選手権へと初めて挑戦したマキF1チーム、富士のみのスポット参戦ながら高い戦闘力で並いるコンストラクターを驚かせたコジマ・エンジニアリングという、我が国のモータースポーツの礎ともいえる2つのコンストラクターを紹介、検証した展示は、今回の大きな見所でもある。

そしてフロアには1976年、1977年の富士F1に参戦した歴史的マシンが並べられ、ニキ・ラウダとジェームス・ハントが激突した1976年富士決戦の写真および映像などの資料も展示される。加えて、ミニチュアモデルによる1976年のグリッドを再現するなど非常に手の込んだ展示がされているのも、じっくりと回想できる面白い試みだ。

現在ではトップカテゴリーの様々なレースでの勝利を重ねている我が国のメーカーやチームであるが、半世紀前においても「Made in Japan」の技術力の高さを証明した先人たちの挑戦は、レースファンだけでなくとも、様々な発見と日本人としての誇らしさを感じさせてくれる。

まだ始まったばかりの「知られざる あの、激闘」。2027年1月31日までの開催期間中は富士スピードウェイでのレースと連動し、ドライバーやコンストラクターといった当事者たちのトークショーほかを予定しているというから非常に楽しみである。

文・写真:奥村純一 Words and Photography: Junichi OKUMURA