高配当株に投資するなら、やはり気になるのが配当利回りです。利回りが高いほど受け取れる配当金は増えますが、その数字だけで判断するのは避けたいところです。今回は9月に配当権利を迎える銘柄の中から、配当利回り5%以上が期待される3銘柄を紹介します。※サムネイル画像:PIXTA

◆配当利回りは「高さ」と「継続性」の両方を見る

高配当株を探すとき、多くの人が最初に目を向けるのが配当利回りです。同じ100万円を投資するのであれば、利回りが高い方が多くの配当金を受け取れるため、数字に目が行くのは自然なことでしょう。

ただし、利回りが高いからといって、必ずしもいい投資先とは限りません。配当利回りは、「年間配当金÷株価」で計算されます。そのため、株価が大きく下落すると、一時的に利回りが高く見えることがあります。業績悪化によって株価が下がっているケースでは、その後に減配が発表される可能性もあるため注意が必要です。

一方で、利益を安定して生み出しながら積極的に株主へ利益を還元している企業もあります。こうした企業は、高い配当利回りと安定した配当の両立を目指しているケースが少なくありません。

高配当株を選ぶ際は、「利回りが何%あるか」だけではなく、「今後も配当を維持できそうか」「事業に安定感があるか」という視点もあわせて確認しておきたいところです。

今回は、配当利回り5%以上を期待できる銘柄の中から、初心者でも比較的事業内容を理解しやすい9月に配当権利を迎える3社を紹介します。配当利回りは2026年7月8日時点のもの。

◆淺沼組<1852>/配当利回り5.29%

淺沼組<1852>は、マンションやオフィスビル、学校、病院などの建設を手掛ける中堅ゼネコンです。派手な知名度はありませんが、長年にわたって建設事業を展開してきた実績があります。

近年は株主還元を重視する姿勢を鮮明にしており、高い配当利回りでも注目されています。建設会社は公共工事や民間設備投資の影響を受ける業種ですが、同社は財務体質の改善を進めながら利益を積み上げており、積極的な還元策を続けています。

配当利回りの高さだけでなく、株主への利益還元を経営の重要課題として位置付けている点も魅力です。高配当株を探している人にとって、一度は確認しておきたい銘柄といえるでしょう。

◆AOKIホールディングス<8214>/配当利回り5.33%

AOKIホールディングス<8214>は、紳士服専門店「AOKI」のほか、インターネットカフェ業態の「快活CLUB」や結婚式場など、多様な事業を展開しています。

スーツ需要の変化に対応しながら、エンターテインメント事業など収益源を広げてきました。事業構成が以前より多様化したことで、1つの分野だけに依存しない経営体制を築いています。

配当利回りの高さも魅力の1つであり、高配当株を探している投資家から注目されることが多い銘柄です。配当だけでなく、事業内容にも目を向けながら長期保有を検討したい企業といえるでしょう。

◆青山商事<8219>/配当利回り5.27%

青山商事<8219>は「洋服の青山」で知られる紳士服最大手です。近年はオフィスカジュアルの普及など市場環境が変化していますが、ビジネスウエアに加え、カジュアル衣料や女性向け商品など販売領域を広げています。

また、不動産事業なども展開しており、収益基盤の強化を進めています。高い配当利回りが期待できることから、高配当株投資ではたびたび名前が挙がる企業です。

利回りだけを見るのではなく、事業改革がどのように進んでいるのかにも注目すると、企業を見る楽しみが広がります。

※記載されている情報は、正確かつ信頼しうると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性または完全性を保証したものではありません。予告なく変更される場合があります。また、資産運用、投資はリスクを伴います。投資に関する最終判断は、ご自身の責任でお願いします。

文:田代 昌之(金融文筆家)

新光証券(現みずほ証券)やシティバンクなどを経て金融情報会社に入社。アナリスト業務やコンプライアンス業務、グループの暗号資産交換業者や証券会社の取締役に従事し、2024年よりフリー。ラジオNIKKEIでパーソナリティを務めている。

文=田代 昌之(金融文筆家)