
フェラーリが、「12Cilindri Manuale」を発表した。1950、60、70年代のグランツーリスモに代表されるフェラーリ伝統のドライビングの感動に、現代の最先端テクノロジーを融合させ、ドライバーと車両との意思疎通をさらにダイレクトなものにすることを目指して誕生したあらたな限定スペシャルシリーズである。
【画像】マラネッロで完全に設計・開発されたマヌエーレ・シフト・バイ・ワイヤ・システムを備えたフェラーリ「12Cilindri Manuale」(写真19点)
最大の特徴は、「Manuale」の名の通り、マニュアル・コマンドと新しいクラッチ・ペダルを採用したことだ。マラネッロで完全に設計・開発されたマヌエーレ・シフト・バイ・ワイヤ・システムは、最先端のテクノロジーを活用することにより、精度、再現性、扱いやすさを保証するとともに、現代的に再解釈したアナログなシフトレバーの操作体験を実現した。機械の物理的な動きを電子信号に変換しつつ、そのアナログなフィール、一貫性、自然さを再現することを可能にしたという。
12Cilindri Manualeでは、6速およびリバースのマニュアル・モードか、オートマチック・モードを選択できる。新しいマヌエーレ・シフト・バイ・ワイヤ・システムのアーキテクチャーは、レバー式ギア・セレクター、操作パネル、そしてクラッチ・ペダル(これもバイ・ワイヤ式)を備えるペダル・アッセンブリーで構成され、ドライバーはクラッチ・ペダルでクラッチ・パックの締結・解放をコントロールすることが可能だ。加えて、制御ユニットとギアボックス/エンジン制御ソフトウェアもアップデートされている。このように機械的・電子的テクノロジーが融合した結果、ドライビング・フィーリングを損なうことなく、極めて高い精度と操作荷重の制御を実現した。
マニュアル制御システムは、先進的なキネマティック機構とセンサーを備えたメカニカル・モジュールで構成されており、回転数の同期からギアの締結・解放の各フェーズにおいて、フェラーリのマニュアル・ギアボックスらしい機械的な操作荷重を再現する。
3ペダル・レイアウトも完全に再設計された。クラッチ・バイ・ワイヤ式ペダルは、ドライバーとパワートレインとの高精度なインターフェースとして機能し、ペダルの位置をペダル・アッセンブリー内の位置センサーで検出。これをDCTクラッチの油圧作動へと変換して、変速中にトランスミッションとエンジンを同調させる。このシステムは機械的にリンクされた従来のマニュアル・ギアボックスの典型的な踏力・ストローク曲線を再現することが可能となっている。
角度位置センサーは、ペダル・ストロークの全域にわたってドライバーの意図を継続的に読み取るため、従来のマニュアル・ギアボックスと同じ論理で挙動が決まる。つまり、きちんと回転を合わせられればスムーズで正確なギアチェンジができるが、そうでない場合はギアが入りにくくなり、ガクンという衝撃が発生したりエンジンがストールしたりする可能性もあるということだ。
キャビンは、シフトレバーで操作するマニュアル・トランスミッションを備えた往年のフェラーリ車の代表的要素を現代的に再解釈し、センター・トンネル・コンソール、シフトレバー、シフトノブ、シフトゲート、ペダルを装備。シフトゲートは、左上にリバースを配置した6速のシフト・パターンを再現しており、丸型のアルミニウム製シフトノブには、6つのギアと現在アクティブなドライビング・モード(オートマチック/マニュアル)を示すバックライト付きのスクリーン印刷が施されている。象徴的なシフトゲートは、そのアイコニックな地位はそのままに、モデルのデザイン要素と調和するよう再解釈された。スチール製プレートは、音叉の形をしたアノダイズ処理アルミニウムの彫刻で飾られ、そこに操作パネルとキー・ハウジングが組み込まれている。
12Cilindri Manualeは、わずか1,499台の限定生産で、専用のテーラーメイド仕様によりその希少性は一層高められる。なお1,499という数字は、1947年に誕生したフェラーリ初の12気筒エンジンの排気量にちなんだものである。