企業のSNSリスク対策やリテラシー教育を提供するエルプランニングは2026年6月18日、日常のSNS投稿に潜む罠や企業が抱える信頼失墜の火種に関する「SNSリスク意識調査」の結果を発表した。本調査は2026年5月、全国の20代〜30代の会社員601人を対象に、インターネット調査にて実施された。

  • SNSリスク意識調査

    SNSリスク意識調査

約6割が友人の投稿をスクショ保存し「BeReal」利用者では97%を超える

友人のSNS投稿をスクリーンショット等で保存したことがあるかという質問に対し、57.6%が「保存したことがある」と回答した。特に飾らないリアルな日常を共有するSNS「BeReal」の利用者に限定すると、スクショ経験の割合は97.6%にまで跳ね上がる。若い世代ほどSNS投稿を日常的にスクショ保存する行為が常態化している。

  • 友人のSNS投稿をスクリーンショット等で保存したことがあるか

    友人のSNS投稿をスクリーンショット等で保存したことがあるか

さらにスクショの目的を尋ねると、4割以上(44.2%)が「他の友人やグループチャットに転送・共有するため」と回答。また「内容が不適切だと思ったので、証拠として残しておくため」という回答も約1割(9.8%)存在した。これらをBeReal利用者に絞ると、転送・共有目的の割合は62.5%に上昇し、証拠としての保存目的も20.0%に達した。

  • スクショの目的

    スクショの目的

一度アップされた情報は、たとえ親しい友達限定や24時間で消える投稿であっても、面白半分で転送・共有されるだけでなく、身内の目によって冷静に証拠保存され半永久的に拡散されるリスクが常態化している。

情報漏洩の温床は鍵垢にあり! 社員証の写り込みや社内の愚痴は非公開アカウントが上回る

仕事関連の情報をSNSに投稿した経験について尋ねたところ、全体の約3割(30.8%)が「自ら何らかの投稿をしたことがある」と回答した。一方で「友人の投稿で見たことがある」と答えた人はそれを上回る34.9%だった。背景への機密情報の写り込みや、他の投稿との結びつきによる社内事情の特定など、危険性を伴う投稿が自分では無自覚でも実際には他人の目にとまっている。

  • 仕事関連の情報をSNSに投稿した経験について

    仕事関連の情報をSNSに投稿した経験について

投稿したアカウントの内訳を見ると、公開アカウント(20.8%)よりも非公開アカウント・鍵垢等(26.6%)での発信率の方が高い。「社員証や社名ロゴが入った備品の投稿」は公開(10.3%)に対し非公開(16.0%)が約1.5倍となり、「社内の特定個人に対する不満や愚痴」も公開(8.7%)に対し非公開(13.3%)が上回った。信頼できる身内しか見ていないから安全という個人の油断が、かえってリスクを高めている。

承認欲求が引き金となり「自慢したい」会社員の3人に1人が鍵垢で仕事の情報を発信

なぜわざわざSNSに仕事の情報を載せてしまうのかという点について、大きな仕事をした際などに「誰かに自慢したい・認められたい」と少しでも思う層(全体の42.6%)に対し実際の行動を尋ねたところ、32.4%が「非公開アカウントで投稿した」と回答した。非公開アカウントへの油断と承認欲求が結びついた結果、閉鎖的な空間に会社の情報が書き込まれ、それが友人のスクショによって外部に流出するという、昨今のSNS炎上の典型的なメカニズムがデータからも裏付けられた。

  • 大きな仕事をした際などに「誰かに自慢したい・認められたい」と思うか

    大きな仕事をした際などに「誰かに自慢したい・認められたい」と思うか

  • 大きな仕事をした際などに「誰かに自慢したい・認められたい」と思ったときに取った行動

    大きな仕事をした際などに「誰かに自慢したい・認められたい」と思ったときに取った行動

約8割が個人の炎上による企業へのダメージを認識する一方「影響は限定的」との回答も

同僚がSNSで炎上した場合の会社への影響について尋ねたところ、「ブランドイメージの低下・売上減少」(48.4%)や「取引先からの信頼喪失・契約打ち切り」(43.1%)など、全体の約8割(81.4%)が企業への深刻なダメージを危惧している。その一方で、18.6%は「個人の問題なので、会社全体への影響は限定的だと思う」と回答しており、依然として当事者意識の薄い層が一定数潜んでいる。

  • 同僚がSNSで炎上した場合の会社への影響について

    同僚がSNSで炎上した場合の会社への影響について

会社に求められるのは一律禁止ではなく「明確なガイドライン」

今後、会社としてどのような対策があればSNS炎上を防げると思うかという質問に対し、約半数(49.9%)の人が「『どこまでがOKか』がわかるガイドラインの策定」を求めた。企業はただ注意を促すだけでなく、実態に即した具体的なガイドラインの提示や定期的なSNS研修、最新事例の共有を通じて従業員の意識を高めていくことが重要となる。

  • 会社としてどのような対策があればSNS炎上を防げると思うか

    会社としてどのような対策があればSNS炎上を防げると思うか

時代やプラットフォームの特性に即したガイドライン再整備と継続的な教育が不可欠

SNS上では日常的に友人同士のスクショ保存が行われており、限定公開であってもいつ情報が流出するか分からない。それにもかかわらず、鍵垢などの閉鎖空間に対する油断が不用意な発信を生み、企業が把握しきれない水面下のリスクを増幅させている。本調査は自己申告によるアンケートであるため、無自覚に危険な投稿をしている潜在的なリスク層まで考慮すると、実際の危険行動は今回の調査数値をはるかに上回ると推測される。組織を守るためには、具体的なガイドラインを再整備し、継続的な教育を通じて従業員の当事者意識を根本から変革していく積極的な対応が不可欠だ。

エルプランニングでは、現代特有のSNSトラブルを未然に防ぐための「SNSリスクリテラシー研修」を提供している。なぜ鍵垢でも漏洩するのかといったリアルな実態や最新事例を交えたプログラムで、弁護士監修のSNS利用ガイドラインのひな形も合わせて提供し、ルールの策定から従業員教育までをワンストップでサポートする。