アプリで「口の健康」を管理…サンスターグループがデジタルで目指す“健康で豊かな暮らし”とは?
笹川友里がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「DIGITAL VORN Future Pix」(毎週土曜 20:00~20:30)。この番組では、デジタルシーンのフロントランナーをゲストに迎え、私たちを待ち受ける未来の社会について話を伺っていきます。6月6日(土)の放送は、サンスターグループ 情報セキュリティ グローバルディレクターの堀健二(ほり・けんじ)さんが登場。グローバル本社設立の経緯、企業DX(デジタル・トランスフォーメーション)について話を伺いました。

(左から)堀健二さん、笹川友里

堀健二さんは、1986年に名古屋大学工学部電子工学科を卒業後、松下電器産業株式会社(現パナソニックホールディングス株式会社)に入社。情報・マーケティングにおけるシステムやセキュリティ分野を中心にキャリアを重ね、2019年にサンスター株式会社へ入社。現在はIT&DX推進部長のほか、2022年から消費財日本事業本部 デジタル戦略管掌、2024年から情報セキュリティ グローバルディレクターの3つの役職を兼務。また、日経ITイノベーターズのエグゼクティブメンバーとしても活動しています。

◆サンスターがスイスに本社を置く理由

サンスターグループといえば、歯磨き粉や歯ブラシなどのオーラルケア製品を思い浮かべる人も多いかもしれません。堀さんによると、売り上げの約6割を占めるのが歯磨き粉や歯ブラシ、ビューティー関連商品などの消費財事業です。一方、残る約4割は、金属部品や接着剤など企業や官公庁向けの製品を手がける生産財事業です。

ここで、サンスターの歴史を紐解きます。1932年、大阪で創業したサンスターは当時、自転車部品やパンク修理用のゴム糊を製造販売していました。そして、1946年に転機を迎えます。堀さんは、「チューブ容器入りの練歯磨き剤を開発して販売したところ非常にヒットし、今の歯磨き粉や歯ブラシの事業を進める最初のきっかけになりました」と説明します。

その後、2009年にはスイスにグローバル本社を設立しました。その理由について、堀さんは「日本、アジア、ヨーロッパ、アメリカのいずれとも時差が少なく、スムーズに連絡やコミュニケーションが取りやすい。さらに、科学技術も高度に発展しており、優秀な科学者やエンジニアを擁する企業もたくさん集まっているため、コラボレーションも円滑に進められる点を踏まえ、スイスに本社を移しました」と話します。

サンスターグループは、世界21ヵ国に拠点を構え、100市場で製品を販売しています。そのうち、売り上げの約4割を日本が占めているものの、アメリカやヨーロッパ、アジアそれぞれでも2割前後を占めています。

◆サンスターが推進する攻めと守りのDXとは

続いて、サンスターグループのDXについて伺います。本格的にDXを推進し始めたのは、堀さんが入社した2019年以降のことです。eコマース(電子商取引)など新たなビジネスに取り組むなかで、社内業務を支える仕組みは旧来型のものが中心でした。それを社員が工夫しながら運用していたため、業務効率や生産性の向上が大きな課題だったといいます。

そこで同社が進めたのが、「攻めのDX」と「守りのDX」の両輪による改革です。攻めのDXは、主にマーケティングや営業領域をターゲットとし、新たなビジネスモデルの創出や顧客満足度の向上を目指す取り組みで、守りのDXは、社内のシステム刷新や業務改善を通じて、効率化や生産性向上を中心とした取り組みを指します。今回の放送では、「攻めのDX」について詳しく話を伺います。

攻めのDXを象徴する施策として、堀さんは会員向けサイト「クラブサンスター(Club Sunstar)」をあげます。2016年に開設し、現在50万人を超える会員数を誇る当サイトでは、歯磨きや口腔ケアに加え、食事や睡眠、運動など健康に関する幅広い情報を発信しています。ほかにも、堀さんは「会員同士でコミュニケーションを取れるサイトにもなっています。こちらに寄せられたさまざまなご意見に対して、運営側からご回答をおこなっております」と補足します。さらに、「クラブサンスタープロ(Club Sunstar Pro)」といった医療従事者や医療系流通関係者向けの専門サイトを運営するなど、それぞれの立場に応じた情報提供の場を整えています。

こうした取り組みの背景には、「常に人々の健康の増進と生活文化の向上に奉仕する」という社是があります。堀さんは、「お客さまの健康をどのようにして増進していけるか、豊かな暮らしのためにどうすればいいのか。単に製品を提供するだけではなく、日々の生活のなかで最大限にご利用いただき、その先にある生活そのものを楽しんでいただくこと。そういったところまで含めて提供させていただくのが、メーカーとしての務めではないかと考えております」と語ります。

また、サンスターグループでは、オーラルケアとデジタル技術を組み合わせたサービス開発にも力を入れています。その代表例が、スマートフォンアプリ「おくち元気チェック」です。本アプリでは「パ」「タ」「カ」と発音したときの口の動きやスピードを測定し、その結果を数値化することで口腔機能の状態、つまり「お口の年齢」を確認することができます。高齢者の健康管理を目的に介護施設などでも活用されています。そのほか、歯ぐきの状態を確認しながら適切な歯ブラシ選びをサポートするアプリなども提供しています。デジタル技術を活用して健康状態を見える化し、日々のセルフケアに役立ててもらうことが狙いです。

さらに、サンスターは顧客データを一元管理するカスタマーデータプラットフォームの構築にも力を入れています。先述した「クラブサンスター」や「おくち元気チェック」の利用履歴、スマートデバイスから得られる情報などを分析し、一人ひとりに合った情報やサービスの提案、商品開発に生かしています。

次回6月13日(土)の放送は、引き続き堀さんをゲストに迎えてお届けします。社内での生成AI活用法、そしてデジタルが変えるサンスターの未来とは?

<番組概要>

番組名:DIGITAL VORN Future Pix

放送日時:毎週土曜 20:00~20:30

パーソナリティ:笹川友里

番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/podcasts/futurepix/