起立性調節障害改善協会は2026年5月19日、小学校高学年から高校生の子どもを持つ全国の保護者200名を対象に実施した「子どもの朝の不調と起立性調節障害に関する実態調査」の結果を発表した。本調査は2026年5月13日〜18日、インターネットによるアンケート調査の方法で実施されたもの。

半数以上の家庭でGW明けに子どもの異変や登校渋りが発生

  • GWが明けてから、子どもに朝起きられない、学校に行きたがらないなどの様子があったか

    GWが明けてから、子どもに朝起きられない、学校に行きたがらないなどの様子があったか

GWが明けてから、子どもに朝起きられない、学校に行きたがらないなどの様子があったかという設問に対し、「ときどきあった」(25.5%)、「数回あった」(25.0%)、「頻繁にあった」(6.5%)を合わせると57.0%に達した。半数以上の家庭でGW明けに子どもが何らかの異変や登校渋りを見せており、新しい環境の疲れが一気に出やすい時期である様子がうかがえる。

朝の不調のトップは「起きられない」でだるさや倦怠感が続く

  • 子どもに見られている具体的な朝の不調

    子どもに見られている具体的な朝の不調

子どもに見られている具体的な朝の不調は、「起きられない・布団から出られない」(26.5%)が最も多く、次いで「だるいと倦怠感を訴える」(14.6%)、「いつもより食欲がない」(7.6%)、「イライラする・不安がる」(7.0%)となった。その他は20.8%であり、内訳は「集中力が続かない」が6.6%、「頭痛を訴える」が3.6%、「起き上がるとふらつく・めまいがする」が3.3%などである。

これらは午前中に強く現れ、午後には回復することが多いため、サボりや気持ちの問題と周囲から誤解されやすい特徴を持つという。

病名自体の認知は広がるも約6割の保護者が概要を知らない現状

  • 起立性調節障害という病気についてどの程度知っているか

    起立性調節障害という病気についてどの程度知っているか

起立性調節障害という病気についてどの程度知っているかという設問では、「名前は聞いたことがある」(35.5%)が最多となり、次いで「名前と概要は知っている」(33.5%)、「まったく知らない」(11.5%)、「ほとんど知らない」(11.5%)、「詳しく知っている(症状・治療法まで)」(8.0%)となった。

名前は知っていても概要や詳細までは知らない層が全体の58.5%と約6割を占めており、具体的な症状や適切な対処法についての理解はまだ十分とは言えない現状が浮かび上がった。

初期段階での見落としリスクが高く病気の可能性を疑う親は3.0%

  • 子どもが朝起きられない・登校を渋る様子を見た時、最初にどう感じたか

    子どもが朝起きられない・登校を渋る様子を見た時、最初にどう感じたか

子どもが朝起きられない・登校を渋る様子を見た時、最初にどう感じたかという設問では、「朝の不調や登校渋りはない」が28.0%であった。それ以外では、「GWの生活習慣の乱れのせいだと感じた」(22.0%)、「夜更かし・スマホのせいだと感じた」(17.0%)、「学校で何かあったのではと心配した」(7.0%)、「五月病かもしれないと思った」(7.0%)となった。その他は19.0%であり、怠けているのではと感じたが6.0%、思春期特有のものだと考えたが4.5%、病気の可能性を疑ったが3.0%であった。

子どもの自己管理不足や一時的な精神面が原因だと捉える保護者が合計で4割以上にのぼる一方、病気の可能性を疑った保護者はごくわずかであり、初期段階で見落とされがちなリスクが示されている。

最多の対応は生活リズムの改善を促すことだが無理な強制には懸念も

  • 子どもの朝の不調や登校渋りに対して現在どのような対応をしているか

    子どもの朝の不調や登校渋りに対して現在どのような対応をしているか

子どもの朝の不調や登校渋りに対して現在どのような対応をしているかという設問では、「生活リズム(就寝時間など)の改善を促している」(20.3%)が最多であった。次いで「朝の不調や登校渋りはない」(19.9%)、「本人の気持ちを聞く時間を増やしている」(13.3%)、「体調を優先し、無理に登校させない」(12.3%)、「食事や水分・塩分摂取に気を配っている」(7.6%)となった。その他は26.6%であり、遅刻・午後登校など柔軟に登校しているが6.3%、学校・担任に相談して連携しているが6.0%、医療機関と連携して経過を見ているが4.7%などであった。

起立性調節障害の場合は本人の意志でコントロールできない自律神経の乱れが原因であるため、無理な規則正しい生活の強制がかえって子どもを追い詰めることもあり、正しい知識に基づいた適切なケアが求められている。

子どもの体調不良のサインを適切に見守り専門機関へ相談する視点が重要

今回の調査から、GW明けに多くの保護者が子どもの不調に直面しているものの、その多くが生活習慣の乱れやスマホ、夜更かしが原因であると判断されていることが明らかになった。

背景に隠れているかもしれない病気の可能性にまで思い至る保護者はごくわずかであり、概要を正しく知らない保護者が約6割に達している現状は、叱責や無理な登校強要に繋がってしまう可能性を示唆している。単なる五月病や気分の問題で片付けるのではなく、体調不良のサインとして適切に見守り、必要に応じて専門機関へ相談する視点が必要である。

起立性調節障害改善協会はサボりではないと理解して焦らず見守る姿勢を推奨

起立性調節障害改善協会は、GW明けの新学期は自律神経のバランスが最も崩れやすい時期であると指摘している。朝起きられない姿を見るとつい厳しく言ってしまいがちであるが、起立性調節障害の場合は本人の意志や根性ではどうにもならない身体の病気であるという。

無理に起こそうとしたり生活リズムの改善を急に強要したりすると、子どもは罪悪感を深め、症状がさらに悪化して不登校へと繋がってしまうケースも少なくない。大切なのは、まず朝の不調はサボりではないと保護者が理解し、子どもの言葉や様子に耳を傾けることであるとのことだ。医療機関への相談や、水分・塩分を多めに摂るなどの適切なアプローチを行い、焦らずに見守る姿勢を整えていくことが求められている。