ファイザーは5月19日、働く人の片頭痛に関する経済損失額試算および意識調査の結果を発表した。調査は月4日以上の頭痛または片頭痛の症状で日常生活に支障をきたしている20~69歳の就労者1,040名を対象にインターネットで行われた。
働く人の片頭痛、経済損失額は年間「約1.5兆円」
出勤しながらも、片頭痛が原因で「業務に支障をきたした」時間を年間で集計した「年間総生産性低下損失(プレゼンティーズム)」は、約6,200億円だった。また、片頭痛が原因で、欠勤・遅刻・早退した時間を年間で集計した「年間総欠勤損失(アブセンティーズム)」は、約9,500億円だった。働く人の片頭痛に起因する経済損失額は、上記の欠勤などによる直接的な損失と、出勤していても生産性が低下する間接的な損失を合わせ、年間1兆5,700億円規模にのぼった。
片頭痛でも無理をして働く理由
片頭痛の症状が出ても無理をして働く最多の理由として、「市販薬の使用や我慢で何とか勤務できるから」と回答した人が約75%いる一方、そのうち約74%が、実際には仕事への悪影響(欠勤、遅刻・早退、業務への支障)が生じていた。これにより「やり過ごせているつもり」という認識と実態の乖離が明らかになった。
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頭痛または片頭痛を原因として、無理をして働いた理由として、下記の中であてはまるものを全て選んでください/直近1年間で、頭痛または片頭痛を原因として起こったこととして、下記の中であてはまるものを全て選んでください
受診をしない理由
過去に片頭痛と診断された経験があるにもかかわらず、現在通院していない人は約20%おり、「市販薬で対処できると思うから」「通院する時間や手間が負担だから」といった認識が通院をしない背景にあることが示唆された。
市販薬でのやり過ごしに「完全に満足」している人は20%
直近1年間で通院経験があるかどうかに関わらず、約92%の人が片頭痛の症状を和らげるために市販薬を使用しており、そのうち市販薬でのやり過ごしに「完全に満足」している人は20%程度にとどまった。
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直近1年間で、頭痛または片頭痛の症状を和らげるために、市販薬(頭痛薬、鎮痛薬、吐き気止めなど)を使用したことがありますか/あなたは、市販薬(頭痛薬、鎮痛薬、吐き気止めなど)での頭痛または片頭痛の対処に満足していますか
片頭痛が日常生活に及ぼす影響
片頭痛の人の約99%が、仕事・家庭・趣味のいずれかで片頭痛による悪影響が生じており、仕事・家庭・私生活を合算すると、月に延べ19日分もの生活時間が失われていた。仕事では、欠勤・遅刻・早退・生産性低下により月10日分、いつも通りこなせない家庭のことにより月5日分、いつも通り過ごせない趣味・余暇により月4日分だった。これは、通院に要する時間を大きく上回る規模と推測される。
仕事における片頭痛への理解不足が明らかに
片頭痛について、「周囲に症状を言えなかった/隠した/理解してもらえなかった」のいずれかを回答した人は、仕事の場面では約84%、家庭の場面では約74%、趣味・余暇の場面では約69%だった。片頭痛は「個人の問題」として埋もれやすく、偏見(スティグマ)が存在していることが示唆された。
スティグマには性差も
スティグマが示唆される状況には性差も見られ、片頭痛の症状が出ても無理をして働く理由として、女性は「代替が効かないことや、周囲の迷惑への不安」、男性は「職場の評価やキャリアへの不安」が多い傾向だった。さらに、周囲に片頭痛の症状を「言えなかった/理解してもらえなかった」と感じた場面として、女性は「職場」、男性は「家庭」「趣味・余暇」と回答した人が多く、沈黙を強いられる場面にも性差が見られた。
「予防・治療できる」で受診意向
過去に片頭痛と診断された経験があるにもかかわらず現在通院していない人において、医療機関で「予防・治療できる」とわかれば、約87%が「受診したい」と回答しており、片頭痛治療に関する適切な情報提供によって行動が変わる可能性が示唆された。





