キング・クリムゾンのロバート・フリップが80歳の誕生日、特別企画や新プロジェクトが始動

キング・クリムゾン(King Crimson)のロバート・フリップが2026年5月16日、80歳の誕生日を迎えた。これに伴い、彼のこれまでの歩みを振り返る特別企画や新たなプロジェクトが多数始動している。

所属レーベルのDGM(Discipline Global Mobile)は、フリップの生誕80年を記念した特別企画「Fripp@80」の開始を発表した。これは、1967年にプロとしてのキャリアを開始してから約60年間に及ぶ、膨大なソロ録音やコラボレーション作品のカタログから厳選された音源を、1年間にわたり毎週デジタルリリースするプロジェクトだ。楽曲の配信に加え、音楽の背景にあるストーリーや新たな洞察を明かす解説、回想録なども合わせて公開される。

すでに公開されているシリーズのイントロダクション(デヴィッド・シングルトンとの対談)では、フリップが1961年に最初のビートグループ「ザ・レイヴンズ」のメンバーとして初めてヴァンに乗り込み、ギグに向かった当時のエピソードなどが語られている。また、第1弾のリリースでは、1964年頃の「ザ・リーグ・オブ・ジェントルメン」による未公開のオリジナル曲のほか、キング・クリムゾンの最初の解散やJ・G・ベネットのIACEでのサバティカル(安息年)を経て、1978年にニューヨークで小規模な活動を再開する前後のパンクなロックンロール音源などがフィーチャーされている。この記念シリーズは毎週金曜日に更新され、Spotifyのプレイリストでも展開される。

これと並行して、フリップは自身の新たな発信媒体として「Substack」(robertfripp.substack.com)を開設した。過去のアルバムのライナーノーツ、1980年代の『Musician』誌の連載記事、公式ウェブサイト「dgmlive」での日記、2022年の著書『The Guitar Circle』などの内容から厳選したテキストに加え、多様なコンテンツを今後発信していくという。

さらにDGMからは、1978年に主にニューヨークで録音されたアルバム『Exposure』のセッション音源も定期シリーズとしてリリースされており、毎週月曜日に新たなダウンロード音源が追加されている。

ロバート・フリップの近況

現在、フリップはかつてのような頻繁なツアー活動からは離れているものの、自身が「本当の仕事」と位置づける「ギター・クラフト(Guitar Craft)」の活動は継続している。直近ではイタリアで「オーケストラ・オブ・クラフティ・ギタリスト」のパフォーマンスを率いたほか、2026年11月にはヴィラ・サンチェルソにて「ギター・クラフト&ザ・ギター・サークル入門」コースの指導を行うことが決定しており、現在その受講登録が受け付けられている。

なお、フリップの80歳の誕生日にあたる5月16日は、1969年にキング・クリムゾンがロンドンのマーキー・クラブに初出演(ステッペンウルフのサポート)し、バンドの大躍進のきっかけを作った日(当時は23歳の誕生日)でもある。また、40年前の1986年の同日には、妻のトーヤと結婚し、その後のギター・クラフトの拠点となった家(レッド・ライオン・ハウス)の売買契約を完了させており、フリップの音楽人生とプライベートの双方において、幾重にも重要な節目が重なる記念日となっている。

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