AlbaLinkは2026年5月11日、『実家の権利関係の把握に関するアンケート』の結果を発表した。同調査は2026年5月1日〜6日、実家とは別の場所で暮らしている511名を対象にインターネットで実施した。
実家とは別の場所で暮らしている511人のうち「実家の権利関係をおおむね把握している」と回答した人は42.1%。「多少把握している」(26.6%)と合わせると、7割近くが多かれ少なかれ把握していることがわかった。
ただ具体的な回答を見ると「名義は把握しているが、細かい書類は見たことがない」「祖父母の時代からある古い家なので、何となくローンはないだろうと思っているだけ」といった声も寄せられており、きちんと把握できているかどうかには個人差がある。 きちんと親と話し合ったり引き継ぎを受けたりして把握している人もいれば、「ある程度はわかってるけど」と不安を抱えている人もいた。
実家の権利関係を把握している理由の1位は「親から教えられた」(37.0%)、2位は「普段から親とよく話す」(25.6%)だった。 親と話しやすく情報共有しやすい家庭ほど、権利関係の把握も進みやすいと推測できる。一方で、家族の死去や親の高齢化など、大きな変化や危機感をきっかけに把握するケースも一定数見られた。
<1位 親から教えられた>
親自身に、自分がいつ亡くなるかわからないからといった不安があり、子どもに話をしたケースが多くなっている。「何かあったときに困らないように」といった声からは、親が子どもの負担を減らしたいと思っていることも読み取れる。
実家の権利関係は普段あまり意識しないが、所有者が亡くなると急に必要になる情報だ。権利書の場所などがわからないと手続きで困ってしまうため、元気なうちに子どもへ伝えておこうと考える親も少なくない。
<2位 普段から親とよく話す>
日頃から親子の会話が多い家庭では、お金や住まいの話題も自然に共有されている例がある。帰省のたびに話すという声も聞かれた。 特別に相続の話をしようと構えなくても、日常会話の延長線上で家の名義やローン状況などを知るケースもあるとわかる。ただ「概要は知っているが、細かな内容までは把握していない」という声もあった。
<3位 家族が亡くなった>
親や祖父母などの尊属が死去すると相続が発生するため、実家の権利関係について強く意識するきっかけとなっていた。実際に自分が相続人になる場合はもちろん権利関係の把握が必要になる。
また「祖父母世代から親世代への相続」の場合にも、親が苦労する様子などを見ることによって、自分のときはどうなるかと考えるきっかけになっている。
<4位 親が高齢になった>
親が高齢になってくると、病気や怪我のリスクが高まる。もし突然何かあったらという不安が現実的になってくることで、相続を見据えて権利関係を把握しておきたいと考えた人もいた。親自身が説明するというより、子ども側が「備えておきたい」という意識を強めているケースだ。
<5位 実家の管理に関わっている>
「親の住宅購入」「祖父母から親への相続」といった状況で、親と一緒に実家の権利関係に携わった経験がある人も。実際に不動産購入や登記手続きなどに関わることで、権利関係を自然に把握している人もいるとわかった。親から教えてもらう漠然とした知識ではなく、自分ごととして関わっているケースといえる。
実家の権利関係を把握していない理由の圧倒的1位は「話す機会がない」(45.6%)、2位は「聞きにくい」(23.8%)となった。 全体としては「重要性を理解していない」というよりも、きっかけ不足や遠慮、先送りの意識によって確認できていない人が多い傾向にある。
<1位 話す機会がない>
親子関係が悪いわけではなくても、実家の権利関係についてはあまり話題にのぼらない様子がうかがえる。実家の名義や相続の話は日常生活に直結しにくいため、きっかけがないと話題になりにくいのは当然だ。「聞こうと思ったこともなかった」という声にも、権利関係が意識されていない様子があらわれている。
<2位 聞きにくい>
実家の権利関係は相続に直結するため、親や祖父母の死を連想させやすい話題だ。そのため必要性を感じていても、実際には切り出しにくいと考える人も多くなった。
「まだ元気だから話しづらい」という声も、「体調を崩しているから話しづらい」という声も寄せられている。子ども側が気を遣うことで、会話が始まらないケースも多いとわかった。感情がハードルになっている様子が読み取れる。
<3位 家族に任せている>
実家で親と同居している兄弟姉妹がいるなどの場合には、自分では積極的に関わらないケースもある。「いずれ別の兄弟姉妹が相続するのだろうな」と思っていると、自分が関わる必要性を感じられないからだ。
家族内で役割がわかれているとわかりやすいが、任せている人に不満が溜まっていないかには留意する必要がある。また任せている人がいつまでも健在とは限らないため、ある程度の情報共有は必要だ。
<4位 まだ早い>
「親が元気だから」「相続を意識する年齢ではない」といった声も多く寄せられた。ただ相続は突然現実になることも多く、何かのきっかけで親との意思疎通が急激に難しくなってしまうことも。実際にアンケートでも「親が脳出血で倒れてから失語症になり、会話がスムーズにできず、聞きようがない」という事例が寄せられた。後回しにするのではなく、気になったときに概要だけでも聞いておくことをおすすめする。
<5位 親が教えてくれない>
親側が意図的に権利関係の話題を避けているケースも見られた。背景としては「資産の話をすることへの抵抗感」「子どもに心配をかけたくない」などが考えられる。繰り返し避けられてしまうと、「聞きにくい」という状況になってしまう可能性がある。
「実家の権利関係で将来不安なこと」を聞いたところ、1位は「身内同士の揉めごと」(24.3%)、2位「金銭的な負担」(18.6%)、3位「相談先がわからないこと」(15.1%)が続いた。
全体としては、権利関係そのものの難しさというよりも、家族との関係性やお金の負担などに不安を抱えている人が多いとわかった。
<1位 身内同士の揉めごと>
不動産は大きな資産だ。そのため、実家の所有権や借地権を誰が引き継ぐかなどで、兄弟姉妹と揉めてしまいそうだと危惧している人が多くなった。権利をもらいたいというケースもあれば、誰も欲しがらなくて押し付け合いになるというケースもある。
また共有名義で相続しても、「売却したい」「リフォームして賃貸に出したい」と考えたときに同意が必要になってしまい、のちのちトラブルになる可能性も。親が元気なうちから権利関係を整理し、家族で意向を共有しておくことで、トラブルを防ぎやすくなる。
<2位 金銭的な負担>
実家は大きな資産ではあるが、相続する人によってすべてプラスになるとは限らない。ローン残債や修繕費などの費用負担が発生することもあるからだ。
不安を和らげるためには、「ローンの残債」「抵当権が抹消されているのか」「借地権なのだとしたら、借地料はいくらか」などを調べておく必要がある。
<3位 相談先がわからないこと>
相続や実家の権利関係は、仕事などで日常的に関わっている人以外には、あまりなじみのない分野だ。法律、税、不動産など複数の分野が関わり、法律の知識も必要になる。
そのため「不安なので相談したいが、何を誰に相談すればいいのかわからない」と感じる人も少なくない。まずは自治体の無料相談など、身近な窓口に相談してみることをおすすめする。
<4位 手続きの難しさ>
不動産の名義変更や相続などは、多くの人にとって一生に一度経験するかどうかという手続きだ。経験する機会が少ないため、「複雑そう」「書類が多そう」という漠然とした不安を抱える人が多くなった。不安を和らげるためには、自治体の相談窓口や解説サイトなどを使う方法がある。また自分でも相続登記はできるが、司法書士などの専門家に頼むことも可能だ。
<5位 方針が立たないこと>
「親がどう考えているかわからない」「実家を残すべきか決められない」など、将来の方向性が見えないことで不安になっている人もいる。不安を軽減するためには、まず権利関係の現状を把握したうえで、親が元気なうちに当事者が集まって話し合うことをおすすめする。
実家の権利関係を把握している人の特徴としては、「親が危機感をもっている」「普段から家族間のコミュニケーションが多い」などが挙げられた。実家の相続については、何か起きてから急いで確認することになりバタバタしてしまうケースも多い。 親が元気なうちに少しずつ話し合い、家族で情報共有しておくことが、将来の負担や不安を軽減する第一歩となるだろう。



