三井住友信託銀行は4月28日、住宅ローン返済と資産形成についての調査結果を発表した。調査は2026年1月、全国の18~69歳(関連業種(金融、調査、マスコミ、広告)従事者を除く)5,958名を対象にインターネットで行われた。

ライフプランの策定と資産形成への取組み

まず、資産形成の土台となるライフプランの策定状況を確認した。住宅ローンの借入時期が直近であるほど、ライフプランを「立てている」「ある程度立てている」と回答する割合が、いずれの借入形態においても高まっている。近年では、住宅購入を単発のライフイベントとしてではなく、その後の家計運営や人生設計を含めて考える世帯が増えていることがうかがえる。

なかでもペアローン世帯においては、その傾向がより顕著だ。2016年以降、ライフプランを策定している割合は大きく上昇しており、2021年~2025年では「立てている・ある程度立てている」が49.6%と、およそ半数に達している。この割合は、同時期の単独ローン世帯よりも10ポイントほど多い結果となっている。

  • ライフプランの策定状況

    ライフプランの策定状況

さらに、住宅ローンと並行して資産形成に取り組む世帯(以下、両立派)も、近年増加傾向にある。単独ローン世帯も両立派が増加しているが、特にペアローン世帯では、2021年~2025年における両立派の割合が50.0%に達しており、住宅ローン返済と資産形成を同時に進める家計運営が、一定の広がりを見せている。

  • 住宅ローンの返済と資産形成の両立に対する考え方

    住宅ローンの返済と資産形成の両立に対する考え方

資産形成額と制度利用から見える両立の実情

資産形成額の分布をみると、単独ローン世帯とペアローン世帯では特徴が異なる。世帯年収700万円未満と700万円以上に分けて確認したところ、700万円未満の区分では、単独ローン世帯では、「1万円以上~50万円未満」の層が最も多く、資産形成額が増えるにつれて、その割合は段階的に低下している。

一方、ペアローン世帯では、「50万円以上~100万円未満」が最も多く、資産形成額の中心が単独ローン世帯に比べてやや高い水準に位置している。加えて、「1万円以上~50万円未満」および「100万円以上~200万円未満」といった前後の階級もほぼ同程度の割合で分布している。

さらに、年間200万円以上資産形成を行っている割合は、単独ローン世帯の19.0%に対し、ペアローン世帯では26.6%と7.6ポイント高く、同じ世帯年収であっても、より高い水準で資産形成に取り組めている世帯が多いことが示されている。

これらの傾向は、世帯年収700万円以上の区分においても確認された。

  • 世帯の年間資産形成額(世帯年収700万円未満)

    世帯の年間資産形成額(世帯年収700万円未満)

では、それぞれの世帯は何のために資産形成を行っているのか。最大の目的について確認したところ、単独ローン世帯、ペアローン世帯ともに「老後資金のため」が他の項目を大きく上回っている。また、2位以下の項目についても、その並びはいずれの借入形態においても同じ結果となった。一方で、「特に目的はない」とする割合は、単独ローン世帯9.2%、ペアローン世帯6.3%と少数派であり、両立する以上、やはり何らかの目的を考えて行っている世帯が多いことが見て取れる。

  • 資産形成を行っている最大の目的

    資産形成を行っている最大の目的

さらに、行動段階に着目すると、制度利用の面で違いがみられる。6つの資産形成制度を利用しているか否かについて尋ねたところ、単独ローン世帯の70.6%、ペアローン世帯の77.3%が、何らかの制度を利用して資産形成を行っていた。

また、その中でも最も活用されているのは、NISA(少額投資非課税制度)で、利用率は単独ローン世帯で65.9%、ペアローン世帯で74.8%と、いずれも非常に高い利用率ではあるものの、ペアローン世帯が8.9ポイント高い結果となった。

  • 6つの資産形成制度の利用有無と利用率(複数回答可)

    6つの資産形成制度の利用有無と利用率(複数回答可)