BESTは4月15日、スズメバチ被害についての調査結果を発表した。調査は2026年2月3日、全国の自宅にスズメバチの巣ができた経験がある100名を対象にインターネットで行われた。
築年数が経過した住宅ほど注意が必要?
調査結果ではスズメバチの巣ができた住宅の築年数についての回答が「築11~20年」が24%ともっとも多い結果となった。その他の築年数については大きな差は見られなかったものの、全体で見ると築11年以上の住宅が大半を占めていることが分かった。
築年数が経過した住宅は、外壁や屋根、軒下などに細かなひび割れや隙間が生じやすくなる。こうした隙間からスズメバチが侵入し、壁の内部や屋根裏などに巣をつくられてしまうことが考えられる。
また、庭付きの住宅では、新築時と比べて庭木や雑草の手入れが行き届かなくなっている場合もある。枝葉が込み入った場所は外敵から身を隠しやすく、スズメバチにとって巣づくりに適した環境になる。
このように、築年数が経過するほどスズメバチが巣をつくる可能性のある場所が増える傾向があり、その結果として築11年以上の住宅の割合が多くなっている可能性が考えられる。
敷地が広いとスズメバチの巣に気づきにくい可能性も
総務省が実施している住宅・土地統計調査によると、一戸建ての平均延べ面積は126.32平米とされ、2階建てを標準とすると建築面積はおよそ63平米が目安となる。
今回の調査では、スズメバチの巣ができた住宅の敷地面積については「100平米以上」が30%でもっとも多い結果となった。全体で見ても60平米以上の住宅が半数以上を占めており、比較的広い住まいでスズメバチの巣が見つかる傾向が見られた。
住宅の規模が大きくなると、庭や建物の周囲に普段あまり人が通らない場所ができたり、使用頻度の低い物置やベランダの一角のような日常的に確認しない場所が生まれることがある。
さらに、先ほどの調査結果でも築11年以上の住宅が多かったことから、子どもが独立して部屋を使わなくなるなど、生活環境の変化によって普段あまり立ち入らない部屋や場所が増えている可能性も考えられる。
人の気配が少なく雨風をしのげる場所は、スズメバチにとって巣づくりに適した環境となる。そのため、敷地の広い住宅では、巣がある程度大きくなるまで気づきにくく、結果として巣が見つかる傾向につながっていると考えられる。
スズメバチに巣をつくられやすい場所
今回の調査では「軒先・軒下」が45%と、スズメバチに巣をつくられた経験がある場所として圧倒的に多い結果となった。
また、軒先・軒下に続いて「ベランダ(18%)」や「庭木(17%)」が上位と、住宅周辺の比較的風通しが良い開放的な空間に巣をつくられるケースが多く見られた。
住宅周辺で駆除されることが多いスズメバチとして知られるキイロスズメバチやコガタスズメバチがこのような開放的な空間を好んで巣をつくるため、今回の調査でもこのような結果になったと考えられる。
一方で、キイロスズメバチは閉鎖的な空間にも巣をつくることがあるため、目に見える場所だけでなく、屋根裏や壁の中のような場所にも注意が必要となる。
巣を見つけるまで存在に気づけないことも
スズメバチの巣に気づいたきっかけについては、「巣を見つけた」という回答が70%でもっとも多い結果となった。この結果から、スズメバチの姿を意識するよりも先に巣の存在に気づくケースが多いことが分かる。
「スズメバチの姿を見かけた」よりも「巣を見つけた」という回答が多かった背景には、先述したように、敷地が広く普段あまり人が通らない場所でスズメバチの姿を見かける前に偶然巣を発見した人が多かったことが影響しているとみられる。
次いで多かった「スズメバチの姿を見かけた(複数匹)」は64%だった。複数のスズメバチが飛んでいるのを見かけたことで巣の存在を疑い、周囲を確認した結果、巣の発見に至った人も多いようだ。複数のスズメバチが頻繁に目撃される場合、すでに働きバチが活動している段階であり、自力での駆除が難しいとされる10cm以上の巣に成長している可能性が高い。
巣はつくられ始めたばかりの段階は小さく目立ちにくいため、注意して確認していなければ見過ごしてしまうことがある。そのため、巣がある程度大きくなってから初めて存在に気づく傾向もうかがえる。
そのほか、壁の中から羽音が聞こえる、スズメバチの排泄物による汚れを見つけるといったきっかけで発覚することもあるが、こうした状況ではすでに巣が大きく成長している段階であることが多い。
スズメバチの巣に気づいた時期は7月が最多
今回の調査では、スズメバチの巣に気づいた時期は「7月」が35%と、もっとも多い結果となった。
次いで「6月(26%)」と「8月(25%)」の回答が多く、初夏から真夏にかけて巣の存在に気づく人が多い傾向が見られる。これは、巣が成長して働きバチの数が増えることで、スズメバチの姿を見かける機会が増えたり、巣そのものが目立つようになることが影響しているとみられる。
そのため、春から初夏の段階では巣が小さく気づきにくく、これまでの調査結果からも、ある程度巣が大きくなってから存在に気づく傾向がうかがえる。
例外として、キイロスズメバチやモンスズメバチは、7~8月頃に群れの拡大にともなって初期の巣から別の場所へ引っ越す習性がある。そのため、数日のうちに突然大きな巣が現れたように見えることもある。こうした引越し巣の発生時期も今回の調査結果と重なっており、巣の発見が多くなる要因の1つといえる。
スズメバチの巣の大きさは10~20cm以上が半数以上
巣に気づいたときの大きさについての調査では、10cm以上の巣が過半数を占める結果となった。前項目では、巣が大きくなり働きバチの数が増えてから気づくことが多い傾向が見られたが、今回の結果からもその傾向がうかがえる。
10~20cmほどの巣になると、すでに複数の働きバチが羽化している状態だ。幼虫に餌を与えたり巣材を集めたりする個体が増えることで、巣の成長スピードも一気に早くなる。
この段階で発見できなかった場合、巣はさらに成長を続け、駆除を迷っている間に20~40cmほどの大きさまで拡大してしまうこともある。
スズメバチ駆除にかかった総費用は
スズメバチ駆除にかかった費用は「1万円未満」が半数以上を占める結果となった。この背景には、市販の駆除スプレーなどを購入して自分で対処した人が多かったことが挙げられる。
しかし前項の調査結果では、巣に気づいた時点ですでに10cm以上の巣が多く見られ、これはプロのハチ駆除業者への依頼が推奨される段階といえる。それでも実際には、危険性を理解しつつも自力で対応している人も多いことが、今回の結果からうかがえる。
一方で、巣がさらに大きく成長した場合には専門業者への依頼が必要となり、今回の調査では最大で15万円近くの費用がかかったという回答も見られた。
スズメバチの巣は時間とともに急速に大きくなるため、被害が拡大すると駆除の難易度や費用も高くなる傾向がある。高額な駆除費用を防ぐためには、異変を感じた段階で早めに確認し、巣が小さいうちに発見することが重要といえる。
スズメバチに巣をつくられないための日常的な対策
スズメバチの巣を駆除したあとも、再び巣をつくられないよう予防することが重要となる。スズメバチ被害の経験者の日常的な対策としては「庭や小屋などの見回り」が58%ともっとも多い結果となった。定期的に敷地内の様子を確認することで、巣が大きくなる前に早期発見・予防につなげたいと考えている人が多いことがうかがえる。
見回りの際には、軒下やベランダ、庭木の周辺などスズメバチが巣をつくりやすい場所に忌避スプレーを散布する習慣をつけるとよい。また、敷地内に放置されたガーデニング用具や自転車、ブルーシートなどの物陰は、スズメバチにとって雨風をしのげる巣づくりに適した場所になりやすい環境のため、不要なものはできるだけ置かないよう心がけ、整理整頓を意識することも巣づくりの予防につながる。







