ユースケがこう話す一方で、大阪・難波にある吉本の劇場「なんばグランド花月(NGK)」の舞台に立つことを目指し、キャリアの晩年もその場所でネタをやり続けることを目標にしている芸人も多いように思う。
「昔はそう思ってましたし、多分そう思ってる人も多かったと思うんですよ。でも、じゃあ何組のコンビがそうなれんねんと考えたときに、そんなに枠もない。年々、新しい芸人さんが出てきますし、昔思ってたほど簡単なものじゃないというか。その枠は取り合いやと思いますし、そのときの状況にもよるでしょうけど、出られない人のほうが多くなってくるので、出られてたらうれしいなくらいの気持ちでいます」
帯谷孝史から届いたメールに「すごいびっくりしました」
その「NGK』の舞台には、今も師匠たちが立っている。ユースケに師匠たちの近況を尋ねると、『なんなん自分』でも登場している帯谷孝史とのエピソードを話してくれた。
「帯谷さんっていう新喜劇の方がいらっしゃるんですけど、最近お会いしてなかったんです。たまに劇場の合間とか、ご飯に連れていってもらったりとかしてたんですけど、最近会わへんなと思って、この間、メールを送ったんですよ。『お元気ですか?』みたいな。じゃあ、次の日ぐらいに『お久しぶりです』だけ返ってきたんです」
「大丈夫かなと思って、次の日にもう1回、『最近、劇場でもお会いしてないんで、ちょっと連絡しました。元気してますか?』みたいなメールを送ったら、また次の日ぐらいに『お久しぶりですすすすす』って。そのあとに『ぬあああああああ』みたいな文章が送られてきて」
「で、その後また『お久しぶりです』って来たんですよ。『ぬあああああああ』って打ってるんかなと思ったら怖くなって。じゃあ、電話がかかってきて、ガラケーからスマホに変えたと。だから打ち方が分からなかったみたいで」
「最近、腰をちょっと悪くしてるみたいで休んでるという状況だったらしくて、お元気そうやったんすけど、(『ぬあああああああ』のメールが)ブワーって来たときは、すごいびっくりしました。ブワーって打ったんかなって。でも、お元気そうだったので良かったです」
「僕、新喜劇をよく観てたので、帯谷さんは子どもの時からめっちゃ見てた芸人さんなんです。なので、ご飯に連れていってもらったりすると、びっくりするときがあるんですよ。『うわっ、帯谷孝史にメシ連れていってもらってるやん』って」
就職や転職を考える人へユースケからメッセージ
『なんなん自分』では、進路をどうするかについて考え、吉本の養成所「吉本総合芸能学院(NSC)に入学することになるまでの心のうちがつづられている。芸人になるという一歩を踏み出し、大活躍しているユースケから、就職や転職を考える人へのメッセージをもらった。
「僕は好きなことを仕事にできたらいいなと思ってました。好きなことじゃないことを仕事にしてしまうと、結構大変やったり、嫌な思いをしたりすることもあると思うんです。でも、好きなことを仕事にしたなかでの悩みやったら、まだ向き合えるんかなと。なので、みんながみんなは難しいとは思うんですけど、できるなら好きなことを仕事にできればいいんじゃないかなって。仕事を選ぶときに僕が思ってたのは、そこだけですかね」
ただし、誰しも夢に向かって頑張るべきだと思っているわけではない。エッセイでも、「夢があって頑張ることは素晴らしい。ただ夢がなくても素晴らしい」と記している。
「もちろん、やりたいことがあるのは素晴らしいことだと思うんです。でも、別になくてもいいんじゃないかなって。ちゃんとしてれば、やりたいことがあることだけが特別に素晴らしいわけでもないんちゃうかなっていうふうには、ちょっと思ってます」
仕事を決める上で大切にしていたことを話したあと、ユースケは「大したこと言えなくて……」と申し訳なさそうに付け加えていたけれど、やりたことがある人は背中を押され、やりたいことがないと心配する人は心が少し軽くなったのではないだろうか。少なくとも、ユースケの言葉を聞いた自分は、とても勇気づけられた。直接は言えなかったが、『よなよな…』リスナーとして、「ありがたいなぁ」とここで言わせてもらいたい。
ユースケ
1977年3月14日生まれ。滋賀県出身。2000年4月、津田篤宏とお笑いコンビ・ダイアンを結成。2018年4月、芸歴18年目にして東京進出。2019年4月には、西澤裕介からユースケに改名した。『M-1グランプリ』では2007年、2008年に決勝進出。2018年には「第53回上方漫才大賞」で大賞に輝いた。主な出演番組は『本日はダイアンなり!』(ABCテレビ)、『ダイアンのガチで!ごめんやす』(群馬テレビ・BSよしもと)、『千鳥の鬼レンチャン』(フジテレビ系)、『深夜のダイアン』(テレビ朝日系)、『ダイアンユースケの犬が言うてます。』(テレビ朝日系)など。


