東京建物は3月2日、「TOFROM YAESU TOWER(トフロム ヤエス タワー)」が2月28日に竣工したことを発表した。

  • TOFROM YAESU TOWER

    TOFROM YAESU TOWER

本事業は、東京駅八重洲口前に所在する地下4階、地上51階の大規模複合ビルで、東京駅前八重洲一丁目東B地区市街地再開発組合が推進し、同社が再開発組合の一員として参画する。

八重洲地下街(ヤエチカ)を介し東京駅に直結。オフィス、商業施設、劇場・カンファレンス、バスターミナル、医療施設など多様な用途で構成される。名称の「TOFROM」は、英語の「TO」と「FROM」を組み合わせた造語で、日本中、ひいては世界中のヒト・モノ・コトがここに集まってつながり、ここから多様な価値が生み出され、発信されていく場所になってほしいという思いが込められているという。

なお、同事業は、「TOFROM YAESU THE FRONT」とともに一体街区を構成しており、2026年7月(予定)のTOFROM YAESU THE FRONT竣工をもって、「TOFROM YAESU」街区全体が完成を迎える。

多様な施設が順次開業

オフィスや飲食を中心とした商業店舗に加え、交通・医療・文化といった異なる要素が融合し、八重洲から新たな価値を発信する。国際都市・東京の玄関口にふさわしい多様な施設が順次開業する。

2026年3月20日には、「バスターミナル東京八重洲」第2期エリア(地下A)が開業する。国内最大級の高速バスターミナルとして、国際空港や地方都市へのアクセス機能が大幅に強化される。

2026年春には、東京駅前初となる約800席の段床型劇場・カンファレンス施設が開業する。ぴあ、コングレが運営し、東京駅周辺エリアで不足していたエンターテインメントを通じた文化発信拠点を整備するとともに、MICE(国際会議、展示会・イベント、講演会、セミナー等の催事)を誘致することで、YNK(八重洲、日本橋、京橋)エリアのビジネス交流機能のさらなる拡充に取り組む。

2026年6月30日には、日本医科大学による高度医療施設「日本医科大学八重洲健診ステーション」が開設され、FDG-PETによるがんの早期発見をはじめとした先進的な予防医療や、日本医科大学付属病院との連携による高度医療サービス等を提供する。

2026年秋には、TOFROM YAESUの商業区画である「TOFROM YAESU Shop & Restaurant」が第1期オープンを迎える。「東京ならでは」を発信する施設として、多様な食文化を継承する飲食店を中心に約60店舗が出店予定となっている。さらに、屋内広場「檜物町スクエア(ひものちょうスクエア)」も誕生し、さまざまなイベントを開催することで、まちのにぎわいに貢献する。

  • 左:大庇下広場/右:檜物町スクエア

    左:大庇下広場/右:檜物町スクエア

  • 左:劇場/右:オフィスロビー

    左:劇場/右:オフィスロビー

TOFROM YAESUの立地

TOFROM YAESUの位置するYNKエリアは、徒歩圏内に鉄道駅が集積し、都内主要エリア・地方都市・国際空港を含むあらゆる立地への圧倒的な交通利便性があり、オフィスのプライム立地としてのポテンシャルを有しながら、江戸時代から続くお祭りや食・アート・ものづくりなどの豊かな文化が今もなお継承されており、イノベーションを創出しやすい素地があるという特徴を有している。

さらに、首都高地下化をはじめとした日本橋川再生計画やTokyo Sky Corridor計画、羽田空港アクセス線(仮称)による東京駅から羽田空港へのダイレクトアクセス化、つくばエクスプレスと都心部・臨海地域地下鉄構想の東京駅接続に向けた動きなど、更なる発展が見込まれている。

地域を含めたレジリエンス向上の取り組み

東京駅の東側の八重洲エリアは、江戸城の城下町、町人・商人・職人のまちとして発展してきた歴史から、複数の道路や路地により敷地が細分化されていたが、本事業により敷地の統合や建物の不燃化・耐震化、交通インフラの再編を含めた一体的な整備を行い、エリア全体を災害に強い強靭なまちへと再生させ、都市防災力の向上に寄与している。

  • 昭和28年(1953年)当時の八重洲周辺 出典:東京建物百年史

    昭和28年(1953年)当時の八重洲周辺 出典:東京建物百年史

また、世界初の技術である重なりダンパーと手裏剣ダンパーを採用したハイブリッド制震構造を採用することで、超高層建築物の構造計算基準で定められた地震動の1.5倍に耐える高い耐震性能を備えるほか、エリアの地盤特性を考慮した長周期地震動と共振しない構造計画としている。さらに、被災度判定システムを導入することで、建物構造の被災状況を早期に判定し、速やかな復旧計画の立案を可能にした。

また、信頼性の高い3回線スポットネットワーク受電に加え、中圧ガスと重油の双方に対応するデュアルフューエル式非常用発電機を導入。万一のインフラ断絶時でも約72時間の電力供給を可能にし、企業の事業継続を強力に支える。主要な電気諸室を2階以上に配置するなど、水害対策も徹底している。

地域と連携し、まちとしての防災機能の完備も推進している。TOFROM YAESU TOWERでは約1,800人が一時滞在できる約3,000㎡の帰宅困難者受入れスペースを確保しているほか、帰宅困難者向けの防災備蓄倉庫を新設した。TOFROM YAESU Shop & Restaurant第1期オープンに合わせ、帰宅困難者用の食料に加えて、毛布、資機材、簡易トイレなど、災害時に必要となる各種物資の配備を進めていく。