「『M-1』の漫才、僕めっちゃ嫌いなんです」――。決勝常連として注目を集めながらも、1月30日公開のYouTubeチャンネル『NON STYLE石田明のよい~んチャンネル』であえてそう言い切ったのは、お笑いコンビ・ヤーレンズの楢原真樹だった。

11年連続出場、3年連続決勝進出という輝かしい実績の裏で、彼らが抱えていたのは、“勝つための漫才”への葛藤と、ラストイヤーを前にした率直な不安。『M-1グランプリ』がもたらした成長への感謝と、その舞台を離れたあとに訪れるかもしれない“空白”への恐怖を告白した。

  • ヤーレンズ(左から楢原真樹、出井隼之介)

    ヤーレンズ(左から楢原真樹、出井隼之介)

「『M-1』のおかげで漫才のレベルが上がった」

2015年大会から11年連続で出場し、2023年・2024年・2025年大会では3年連続の決勝進出を果たすも、優勝を逃しているヤーレンズ。2026年大会はラストイヤーとなり、楢原は、「1番やりたいやつかなと思ってますけどね。これやったほうが勝てそうでやるよりも、ノッてるやつのほうが優勝できなくても……」と心の内を吐露。これに、2008年大会王者のNON STYLE・石田明は、「これだけは言っとくで。優勝したほうがいい」と返し、「優勝してなかったらどうなってたか、ホンマわからへん。ふとした瞬間に怖い」「優勝するに越したことはない。優勝したら、『THE SECOND』も出なくていいわけ」と真剣に語りかけた。

「戦うためにネタ作るって、実は本末転倒やん。このループから逃れんと、ホンマにヤーレンズみたいなタイプは良さが生まれへん気がする」と伝えた石田。楢原は、「『M-1』の漫才、僕めっちゃ嫌いなんです。ネタにしなきゃいけないから。4分のネタの大会だと思う。それがやっぱりすごい嫌」とぶっちゃけつつ、「『M-1』のおかげで漫才のレベルが上がった」とも。「ちょっとでも笑ってもらえるために、このフリは絶対に言わなきゃいけない、ツッコミもこういう言い方しなきゃいけないみたいな。1個1個考えて詰めていく作業で、漫才師としてのレベルがめちゃくちゃ上がった」と同大会のメリットを語った。

そのため、ラストイヤー後の不安があるようで、楢原は、「腕が落ちないかな? と思って。それが今すごく怖いんですよ。漫才師として強制的にレベルを上げる作業が、この1年で終わっちゃうのか。終わったあと、果たして面白くなれるのかどうかみたいな。ちょっと怖いです」と本音を吐露。すると、石田が、「体の中に“M”の老廃物がいっぱい溜まってる。それが抜け切ったときに、ホンマの楽しさを知る」「今も楽しいけど、ずっと“M”がよぎってるやんか。“M”がないんですよ。ウケるもスベるも、何も“M”には関係ない。全部、自分たちの人生でしかない」とアドバイスを送り、楢原は、「確かに」と納得の声を上げた。

また、「漫才の腕が落ちたと感じるときはあるか?」とズバリ聞かれた石田は、「簡単にそうなる」と返しつつ、「俺らは週1で、YouTubeにネタをアップしてるから。年間50本ぐらい新ネタせなあかん」と現状を説明。続けて、「『M-1』のらせんから抜けると、ちょっとしたアイデアでもやれる」といい、「後輩に観られたら恥ずかしいぞ、先輩から怒られるかもしらんっていうネタも平気でやれる。だって、関係ないし、見られてないし」とあっけらかん。「おもんないネタのほうが、スキルは上がるからね。ウケようと頑張るから」と伝えると、ヤーレンズの2人は、「おお~! 深い」「なるほど。確かに」と感嘆していた。

視聴者からは、「めちゃくちゃいい先輩」「他事務所の後輩にも真摯に答えてくれている石田さんすごく良かった」「Mの老廃物が抜け切ったあとの楽しさって感覚に共感した」「すごくストイックに漫才をとらえてんだな」「M-1を卒業しても漫才師としての高みを目指そうとしてると言う心意気に感動」「ヤーレンズに今年のM-1優勝してほしい」など、多数の反響が寄せられている。

【編集部MEMO】
NON STYLEの石田明は、2022年9月に公式YouTubeチャンネル『NON STYLE石田明のよい~んチャンネル』を開設。“いま話したいゲスト”と熱いトークを繰り広げ、これまでとろサーモン・村田秀亮、キングコング・西野亮廣、南海キャンディーズ・しずちゃん、ダイアン・ユースケらが豪華ゲストが登場している。