
昨年(2025年)は全国的にクマの目撃情報や出没が相次ぎました。今年も3月~4月になって暖かくなり、クマが冬眠から明けると、市街地や住宅地を車で運転中にも、クマに遭遇することもあるかもしれません。運転中にクマと遭遇した場合、どのように対処すればいいのでしょうか。
この記事では、車を運転中にクマに遭遇したときの対処法とやってはいけない行動のほか、クマとぶつかったり車を傷つけられたりしたときに使える保険について解説します。
クマの遭遇率は増加傾向にある
ツキノワグマ・ヒグマといったクマ類の遭遇率は、近年、全国的に増加傾向にあります。山間部で生息していたクマはえさを求めて人間の生活圏に近づいてきており、市街地や住宅街でも頻繁に目撃されるようになりました。2024年には、四国の個体群を除くツキノワグマ・ヒグマが、集中的・広域的に管理を図る必要がある、国の「指定管理鳥獣」に指定されています。
クマによる死傷者も増えています。環境省の発表によれば、出没数の公表を行っていない北海道を除き、2025年4月から12月にかけての出没件数は5万件近く、人的被害合計は236名に達しました。
クマの出没が増えるのは、例年だと冬眠から目覚めて空腹状態でエサを探す4~6月と、冬眠に備えて活動を活発化させる9~11月の時期なので、注意が必要です。
運転中にクマに遭遇したときの対処法
車の運転中にクマに遭遇しても、できる限り落ち着いて対処してください。ここでは、運転中にクマに遭遇したときの対処法について解説します。
すべての窓を閉めてドアロックする
車の運転中にクマに遭遇した場合、すべての窓を閉め、ドアのロックをかけましょう。窓が開いていたり、ドアがロックされていなかったりすると、クマの鋭い爪や強い力によって開けられて、車内へ侵入してしまうおそれがあるからです。
車内にいれば基本的に搭乗者は安全ではあるものの、窓ガラスを割ったり、ボディを損傷させたりできるほどのクマの腕力には注意しなければなりません。「車内にいれば絶対に安全」という過信はしないようにしてください。
できる限り距離を取りながら静かに停車し、距離を確保してすり抜ける
運転中にクマと遭遇した場合、車を停車させずゆるやかに速度を落とします。この際、市街地などの場合、後続車などの追突を防ぐ注意喚起のためにハザードランプを点灯させます。
できる限りクマと距離を取りながら、静かに停車しましょう。クマが立ち去ったり、十分な距離が確保できたりしたら、静かにすり抜けるようにしてください。クマに刺激を与え、興奮させないようにすることが重要です。安全な場所に移動できた段階で、すみやかに警察へ連絡しましょう。
ただし、状況によっては無理にすり抜けようとせず、ゆっくりと停止しながらその場で待機してクマが立ち去るのを待ったほうがいい場合もあります。また、ハザードランプの点滅はクマに刺激を与える可能性もあるため、周囲の交通状況を見て判断してください。
車を運転していてクマとぶつかったらどうする?
車を運転中に道路の脇からクマが目前に突然現れ、接触する事故も報告されています。
車がクマをはじめとする野生動物とぶつかった場合、安全を確保した上で、警察に連絡してください。車の修理において自動車保険の適用を受ける場合には、事故発生を公的に証明する交通事故証明書が必要となる場合があります。
なお、接触したクマが生きたまま事故現場にとどまっている場合、興奮状態になっているかもしれません。周囲に仲間のクマがいることも考えられるため、車を停止させ、車外に出て近づくといった行動は危険です。
ちなみに、本州に生息するツキノワグマの体長は120~160cm、体重は60~100kgで、速度や当たり方によっては車体に大きなダメージを与えます。事故によっては搭乗者がケガを負ったり、道路脇のガードレールなどにぶつかったりしたりする可能性もあるので注意が必要です。このような場合も必ず警察に報告しましょう。
クマとの接触で車が傷ついたときに使える保険
クマとぶつかったり、鋭い爪などで車を傷つけられたりした場合は、自損事故(単独事故)の扱いとなるのが一般的です。自損事故によって車がダメージを負った場合、車両保険を使えば保険金を受け取ることができます。
車両保険には「一般型」と、補償範囲が限定される代わりに保険料が安い「エコノミー型」の2種類がありますが、エコノミー型は基本的に自損事故が補償対象外になるので注意が必要です。ただし、保険会社によって動物との事故はエコノミー型でも補償対象となる場合があるので、加入保険会社に確認してください。
なお、クマとの接触で車の搭乗者がケガなどを負った場合は、人身傷害保険や搭乗者傷害保険などが使えます。
運転中にクマと遭遇したときにやってはいけない行動
運転中にクマと遭遇した場合、避けるべき行動があることも知っておきましょう。ここでは、運転中にクマと遭遇したときにやってはいけない行動について解説します。
むやみにクラクションを鳴らしたりライトを点灯させたりする
運転中にクマに遭遇した場合、むやみに警音器(クラクション)を鳴らすのは避けましょう。
登山などでは、聴覚が優れているクマに対し、クマ鈴やホイッスルで大きな音を出して人間の存在を知らせ、威嚇するのが効果を発揮する場合があります。
しかし、運転中に遭遇したクマも、大きな音を出せば退散するとは限りません。かえって刺激させて興奮状態になり、突進してくるおそれもあるので、クマの遭遇時にむやみにクラクションを鳴らさないようにしてください。ヘッドライトの点灯なども、同様の理由で避けるのが無難です。
急停止する
車を運転中にクマと遭遇したときにやってはいけない行動として、急ブレーキをかけて停車することが挙げられます。これは、急停止によって後続車が追突するといった二次災害を避けるのが理由です。
また、慌てて急停止することで、車がコントロールを失うリスクもあるため、できる限りゆるやかに減速しましょう。
慌てて後退させる
車を運転中にクマと遭遇した際、慌てて後退させるのも、やってはいけない行動といえるでしょう。
クマが素早い動きをするものに反応し、追いかけてくる可能性があるからです。
車の急な後退は操作が難しくなる上、死角が多いために後続車との接触や脱輪などの事故を起こしやすくなるので、注意が必要です。前方にクマが立ちふさがって後退せざるを得ない場合は、できる限り静かにバックして距離を取りましょう。
車外に出たり撮影したりする
車を運転中にクマと遭遇したとき、車外に出たり、撮影したりする行為は厳禁です。クマは時速50km程度で走るとされており、人間の足では逃げられません。また、カメラで撮影しようとレンズを向けたことにより、攻撃的になる可能性もあります。
また、運転中にスマートフォンで撮影する行為は、「ながら運転」に該当し、道路交通法違反となるので注意してください。
野生動物との事故に備えて車両保険を確認・検討しておこう
人間の生活圏でのクマの目撃情報が増加している昨今、いつ運転中にクマと遭遇するかわかりません。また、クマに限らず、野生動物との交通事故は毎年数多く発生しています。野生動物との交通事故は単独事故扱いであり、事故が多い地域では車の修理費用に備えて車両保険に加入しておくと安心です。
ただし、車両保険を付けると保険料が高くなります。保険料が安い会社を探すには複数の保険会社に見積もりを依頼して、比較・検討するのがよいでしょう。難点としては、各保険会社のウェブサイトで見積もり依頼はできるものの、手間や時間がかかること。そこで、自動車保険の一括見積もりサービスを利用して、手軽に見積もりを依頼するのがおすすめです。
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