
長年ロックの殿堂を批判してきたジーン・シモンズ(2014年にKISSのメンバーとして殿堂入り)が、ヒップホップ・アクトを顕彰する同団体を再び痛烈に非難した。
「俺の音楽じゃない」と彼はポッドキャスト『LegendsNLeaders』で語った。「俺はゲットーの出身じゃない。あの音楽は俺の言語を話していない。これまでも何度も活字で言ってきたが、ヒップホップはロックの殿堂入りに値しない。オペラや交響楽団も同じだ……。なぜニューヨーク・フィルハーモニックはロックの殿堂に入らない? それはロックの殿堂と呼ばれているからだ」
「アイス・キューブとはやり合ったことがある」と彼は続ける。「彼は頭の切れる男で、成し遂げてきたことには敬意を払っている……。だが彼は、ロックンロールの”スピリット”なんだと言い返してきた……。それでアイス・キューブやグランドマスター・フラッシュ、そのほか大勢がロックの殿堂に入っている。じゃあ、レッド・ツェッペリンがヒップホップの殿堂に入るのはいつなんだ? 音楽にはラベルがある。アプローチを説明するためだ。大まかに言えば、ラップやヒップホップはスポークンワードの芸術だ。そこにビートを敷き、誰かが音楽的なフレーズを乗せるが、本質は言葉だ。メロディがある場合もあるが、基本的には言語表現だ」
こうした議論が持ち出されたのは今回が初めてではない。2015年にN.W.Aが殿堂入りした際、アイス・キューブはその考えがいかに的外れかをRolling Stoneに語っている。「ラップはロックンロールの一部だが、同時にソウルの一部でもあり、R&Bの一部でもあり、ブルースの一部でもある。あらゆる先行する音楽の要素を含んでいる」と彼は語った。「ラップはロックンロールの精神を捉えていると思う。ラッパーもロックをやる連中も同じ精神を共有している。ただ進む方向が違うだけで、その精神は同じだ」
シモンズはまた、ロックンロールは死んだと考えている。「次のザ・ビートルズは現れない」と彼は2017年にRolling Stoneに語った。「1958年から1988年までの30年間を見てみろ。エルヴィス、ビートルズ、ローリング・ストーンズ、マドンナ、プリンス、マイケル・ジャクソン、U2、AC/DC、そしてKISSも入るかもしれない。じゃあ1988年から今日までで、新しいビートルズを挙げてみろ」
私たちは、パール・ジャムやレディオヘッドのようなグループが1988年以降に大きな成功を収めたと伝えようとした。「トム・ヨークがパサデナの通りを歩いたらどうなる?」と彼は問い、私たちが人々は気づくだろうと述べると、それを一蹴した。「妄想だと思う。デイヴ・グロールと一緒に通りを歩いたことがあるが、誰も気づかなかった。プリンスはスターだった。1マイル先からでも分かった。成功しているアーティストはいる。パール・ジャムはどんな基準でも非常に成功している……。言い方を変えよう。通りを歩けば、レディオヘッドよりもモトリー・クルーのほうが多くの人に気づかれるだろう」
KISSの近況
KISSは2023年12月にフェアウェル・ツアーの最終公演を行って以降、ほぼ活動休止状態にある。ただし2025年11月、ラスベガスで開催されたファン・イベント「Kiss Kruise Land Locked」でノーメイクの公演を数本行った。翌月には存命する3人のオリジナル・メンバーがケネディ・センター名誉賞で珍しく公の場に姿を見せた。しかしシモンズは、その数週間後、KISSのドラマー、ピーター・クリスが代表曲「Beth」を実際には書いていないと発言し、いつものようにその好意的な空気を打ち砕いた。
「ピーターはあの曲に何の関わりもない」と彼はYouTube番組『Professor of Rock』で語った。「歌っただけだ……。”Beth”の神話はまさに神話だ。真実は、ピーターが”Beth”という曲を書いた男と、たまたま同じ場所に同じタイミングでいただけということだ」
クリスはすぐさま反論した。「あの曲が最初にどう書かれたかをジーンが知るはずがない。60年代後半の構想段階にもいなかったし、ボブ・エズリンと曲を完成させた場にもいなかった」と彼はBillboardに語った。「ジーンの発言はばかげているし、まったくもって不適切だ。自分の知らないことについて語っている」
From Rolling Stone US.
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