花王は2026年2月10日、「災害への備えに関する意識と実態」調査の結果を発表した。調査は2025年5月、首都圏在住20~60代男女1,400人、全国の70代男女600人、全国の18歳以上の身体・精神障害者男女700人を対象にインターネット調査形式で行われた。
日常的に不安に思っていることは「地震」がトップに
日常的に不安に思っていることは、どの調査対象者でも「地震」がトップに。次いで「停電」「断水」のライフラインの停止や、「台風」「暴風雨」の自然災害が挙がった。
対象者別に見ると、最も不安度が高いのは「障害のある人」、次いで「70代高齢者」であった。「20~60代」では年代が下がるにつれ不安度が低くなり、20代ではトップの「地震」でも49%と半数にとどまった。
「障害のある人」や「70代高齢者」の自由回答からは、自身の避難の困難さだけでなく家族に負担をかけるのではないか、という不安が見受けられた。
また、過去に災害の経験があまりない若年層では、災害を「自分ごと」として認識できない、という声も上がった。
自然災害やライフラインの事故への備えについて
自然災害やライフラインの事故に備えての日頃からの準備について、「十分備えている」および「ある程度備えている」と回答した人は、70代で58%、60代で53%と高齢層では半数を超える結果に。一方で、40~50代は45%、20~30代は40%に留まり、若年層ほど対策が後回しになっている実態が浮き彫りとなった。
また、20~60代を「単身者」と「家族と同居している人」で比較すると、「全く備えていない」割合は、「家族同居者」の13%に対して「単身者」では31%と、「単身者」の備え不足が顕著であった。
備蓄品のトップは「水」、若年層の準備不足が課題
日頃から備えているものは、ほとんどの対象者で「水(ペットボトル等)」がトップにのぼった。
「60代」「70代高齢者の方」「障害のある人」は、比較的備蓄率がどの項目でも比較的高いのに対し、20~30代は最も備えている「水」でも38%。それ以外の項目はいずれも3割未満で、具体的な備蓄品においても、若年層の準備不足が課題であることが分かった。
備えられない理由は「面倒」「わからない」「金銭的余裕がない」
「あまり備えていない」「全く備えていない」と回答した人たち(計1,415人)に対して、備えていない理由を尋ねたところ、最も多かった回答は「面倒で後回しにしている」(38%)という結果に。次いで、「何を備えればいいかわからない」(33%)、「金銭的余裕がない」(31%)、「いくら備えても万全ではないと思っている」(23%)となった。
家庭で何を備えればよいか、備えがないとどう困るのかを具体的にイメージできていない様子が見受けられる。
「若年層」と「単身者」の備えていない理由を自由回答から見ると、「誰かが助けてくれる」という意識が見られた。また、「障害のある人」については障害の特性による備えの難しさも見受けられた。
これを受けて同社は、自治体によっては、自宅が安全であれば避難所ではなく自宅で避難生活を続ける「在宅避難」を推奨しており、在宅避難を行うには、自分自身でその間の生活を支える「自助」の考え方がとても重要だとしている。
配慮が必要な人に周囲の人ができること
配慮が必要と言われる高齢者と障害のある人に対し、災害時に「災害を乗り越えられると思うか」を聞いたところ、70代高齢の人は79%が「大きな問題はなく乗り越えられる」、「多少の不便はあるが乗り越えられる」のいずれかを選んだ。
一方で、障害のある人では47%にとどまり、36%が「乗り越えられず、多くの困難を感じる」と強い不安を抱えていることが分かった。
これを受けて同社は配慮が必要な人の「乗り越え意識」には、自分でできる備え以外に、「周囲からの支援・配慮が得られるか」や「普段と異なる環境に対応できるか」が大きく影響していることを示唆している。
非常時には、隣近所の声かけやちょっとした手助けが安心感につながるため、家族だけでなく地域や職場での「共助」の意識を高めることも重要だとしている。









