寒さがピークに差し掛かると、身体が自然と求め始めるものがある。心を満たす一椀の幸、鍋だ。ちゃんこ鍋でもキムチ鍋でもいいんだけど、具材はできるだけ豪華であることに越したことはない。そんな欲望を思いがけず満たしてくれたのが、和食チェーンの華屋与兵衛である。
今回味わったのは期間限定メニュー「本ずわい蟹鍋~蟹雑炊セット~」。ぶっちゃけチェーン店で、しかも1人鍋で、ここまでしっかりと蟹を味わえるとは思っていなかった。いい意味で裏切られたその顛末を、以下にてご報告したい。
華屋与兵衛「本ずわい蟹鍋」がチェーン店レベルじゃなかった
華屋与兵衛で開催中の「豪華 本ずわい蟹と和牛フェア」。本ずわい蟹と和牛という“陸と海の二大巨頭”を同時に味わえる贅沢なフェアだが、実際のラインナップを見ても「本ずわい蟹といくらの極み重」「本ずわい蟹の季節天丼」「本ずわい蟹と黒毛和牛のしゃぶしゃぶ定食」など、かなりゴージャス。
そんななかで、とりわけ目を引くメニューが「本ずわい蟹鍋~蟹雑炊セット~」だ。1人前の小鍋仕立てでありながら本ずわい蟹を堪能し、最後は出汁を吸った雑炊で〆る……。これよ、これ。ちゃんこ鍋もキムチ鍋も大好きだけど、たまにはこんなプチ贅沢もいいじゃない。むしろ、1年で最も寒い時期を乗り越えるために必要な投資っしょ!
ということでさっそくオーダー。ほどなくして届いたのが……
こちらの御膳! うおぉぉぉ! すげぇ〜!
これよ、これ。真っ赤に輝く本ずわい蟹! 瑞々しくキラキラと光ってるけど、実際に生食もできるほど鮮度がいいらしいよ。やべェ、アガる……!
まずはすっきりとした出汁が香るスープに野菜たちを投入。
で、グツグツと煮立ってきたところで、いよいよ主役の本ずわい蟹を迎え入れる。ああ、この瞬間……胸が高鳴る!
蟹は軽くスープにくぐらせる程度で引き上げて……
完成! 超ウマそうじゃない!? それでは、まずは棒肉と呼ばれる脚の部分から……いただきます!
こッ、これはッッッ……! めっちゃウマいッッッ!! うわーーー、めっちゃ味が濃いッッッ!! 想像の5倍は濃厚なんですけど!
口に入れた瞬間、なめらかな食感とともに、本ずわい蟹特有の濃厚な旨味がダイレクトに脳を突き抜ける。新鮮だからこそ味わえる、ややとろみを感じるような舌触り。噛む必要がないほど柔らかく、それでいて蟹の繊維がほろりと一本一本解けていくのがわかる。
生の蟹って、やっぱりハンパじゃない。ボイルも美味いけど、生の蟹はフレッシュな旨味がよりギュギュッと凝縮されている感じというか……マジでたまらんぞ、これ。
続いて、蟹の部位でも特に人気の高い「蟹爪」の部分。こちらは一転してプリプリした強い弾力で、噛みしめるたびに上品な旨味と甘みが溢れ出してくる。棒との異なる食感と味わいのコントラストを独り占めできる贅沢。華屋与兵衛……いや、与兵衛。与兵衛よ。アンタ、最高だな。これこそ与兵衛が提案する1人鍋の真髄なんだろ? 最高だよ。
もちろん、野菜のほうも激ウマッ! 蟹から出た濃厚なエキスと特製スープが染み込んだ白菜は、クタクタに柔らかくなっていて甘みが倍増。長ねぎのシャキシャキ感と甘み、彩り鮮やかな人参、そしてえのきとまいたけのダブルきのこも風味&食感ともに実に豊かだ。ハフハフしながら食べる焼き豆腐もまた冬の風物詩なり。
具材を綺麗に食べ終えたところで、いよいよ〆の雑炊へ。
残ったスープには蟹と野菜の旨味がこれ以上ないほど凝縮されていることだろう。ここに、国産米100%のごはん、そしてセットに含まれている本ずわい蟹ほぐし身を惜しげなく投入。このほぐし身の存在はデカいよな〜。
仕上げに、濃いオレンジ色がまぶしい厳選赤たまごを溶き入れ、数十秒ほど成り行きを見守ったら……
完成! うおおお、めっちゃウマそう〜!
最後に刻み海苔を散らし、レンゲで一口食べてみると……フッ。フフフッ。もはや笑うしかない。ウマすぎるっつーの!! これヤッバァァァアアア!! マジで超〜美味しい!
出汁に溶け出した蟹のエキスが一粒一粒のお米にギュッと凝縮されている。ほぐし身がたっぷり入っているため、どこを食べても蟹の旨味をダイレクトに感じられるのも最高だ。手前味噌ながら、たまごのとろとろ具合も完璧で、マイルドなコクが全体を優しく包み込んでいる……!
出来立てホヤホヤなのでかなり熱かったはずだが、気づけば一粒どころか一滴も残さず完食。茶碗の底が見えたときの名残惜しさといったらなかった。こう言っちゃ失礼だが、華屋与兵衛の「本ずわい蟹鍋~蟹雑炊セット~」は、いわゆるチェーン店のレベルを遥かに越えた逸品だったように思う。
寒い冬の夜、ちょっと自分を甘やかしたいとき。専門店に行くほど必死ではないけど、本物の蟹を堪能したいとき。ぜひ華屋与兵衛の暖簾をスッとくぐってみてほしい。そこには、1人鍋で味わう、最高に豪華で、最高に温かい冬の幸が待っているから。

















