1年を通して優秀な活躍をした俳優や映画・ドラマ等を表彰する「2026年 第50回エランドール賞」の授賞式が4日、都内で開催。プロデューサー賞の受賞者は5人中4人が女性となり、制作現場における女性の台頭が可視化された。

  • (左から)『国宝』村田千恵子P、『じゃあ、あんたが作ってみろよ』杉田彩佳P・丸山いづみP、『ホットスポット』小田玲奈P

    (左から)『国宝』村田千恵子P、『じゃあ、あんたが作ってみろよ』杉田彩佳P・丸山いづみP、『ホットスポット』小田玲奈P

「不屈の闘志」が実写映画興収No.1作品を生む

今回受賞したのは、プロデューサー賞が、映画『国宝』の村田千恵子氏(ミリアゴンスタジオ)、ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』の杉田彩佳氏(TBSスパークル)と丸山いづみ氏(同)。プロデューサー奨励賞が、映画『爆弾』の岡田翔太氏、ドラマ『ホットスポット』の小田玲奈氏(日本テレビ)で、岡田氏以外全員女性だった。

『国宝』の村田氏は「プロデューサーへの賞というのがなかなか存在しない中で、女性である私が頂けるということは本当に光栄です。今回一緒に受賞する方も女性が多くて、時代が変わったなと思って、すごくうれしく思っています」と実感をコメント。『国宝』に加え、映画『キングダム』シリーズでも一緒に仕事をしている吉沢亮は、お祝いゲストとして駆けつけ、「非常に愛情を持って作品を支えてくださっている姿を、いつも見させていただいています」と語る。

また李相日監督は、当初から上映時間3時間で大規模な製作費が見込まれていた作品に、東宝から「GO」が出ずに頓挫しかけていた中、村田氏から「よかったらうちでやりませんか?」と声をかけられたことで、「そこから息を吹き返して、この作品がこう産声を上げるきっかけを頂きました」と実現の経緯を紹介。「村田さんが会社の中でこの企画を通した困難さは想像に難くないんですけども、不屈の闘志のおかげで制作に取りかかることができました」と、その“英断”に感謝した。

『じゃあ、あんたが作ってみろよ』の2人の女性プロデューサーのお祝いゲストには、竹内涼真が登場。「僕の突拍子もないアイデアをたくさん聞いてくれて、それをすぐ反映する原動力が2人ともすごいなと思って、すごく感謝しています。 僕ら同世代でこれからも面白いものを作っていこうじゃないか!(笑)」と“仲間”たちに呼びかけた。

  • (左から)市川実日子、小田玲奈P

    (左から)市川実日子、小田玲奈P

「みんなが健康的な生活をしながらドラマを作る」

小田氏は、『ホットスポット』で新たな試みとして、ドラマ現場の働き方改革を実践。「キャスト・スタッフみんなが健康的な生活をしながらドラマを作ること」を目標に掲げ、1日の撮影時間を最大10時間に制限、撮休を週に2日設定、さらには小さな子どもを育てるスタッフ・キャストのための託児所まで設けたという。自身も子育てしながらドラマ制作に臨んできた小田氏ならではの姿勢だ。

お祝いに駆けつけた市川実日子は、オファー時からこの目標を聞いたものの、実現は困難と考えていたことを告白。しかし、宣言通りに現場が進んだことに驚き、「いろんな仕事がありますが、どんなことをするかということも大事ですけど、“どんな人とするか”っていうことが本当に大事だなと、『ホットスポット』 という現場で小田さんと出会えて思いました」と強い信頼を述べた。

昨年10月に開催された「東京ドラマアウォード2025」の授賞式でも、作品賞に選ばれた12作品中10作品(※)で女性のプロデューサーが登壇した。かつては男社会と言われた映画やドラマの制作現場だが、映画やドラマの制作現場で女性の活躍が確実に浸透していることを象徴する2つの授賞式。ちなみに、「東京ドラマアウォード」はこの回で2008年からの歴史に幕を下ろし、来年から「エランドール賞」に統合されることになっている。

(※)…『海に眠るダイヤモンド』『東京サラダボウル』『ホットスポット』『御上先生』『夫の家庭を壊すまで』『波うららかに、めおと日和』『ゴールデンカムイ ―北海道刺青囚人争奪編―』『スロウトレイン』『新・暴れん坊将軍』『三谷幸喜「おい、太宰」』