(左から)野球日本代表侍ジャパンの千賀滉大、井端弘和監督、今永昇太(写真:Getty Images)

 

 リーグ屈指の成績を残し、貴重な左のリリーフとして代表候補に挙げられていた存在。安定感と奪三振能力を兼ね備えていたが、代表経験や直前の状況が影響し、大舞台への切符は届かなかった。[1/6ページ]

救援サウスポーの選考

及川雅貴

[caption id="attachment_248609" align="aligncenter" width="530"] 野球日本代表侍ジャパンの及川雅貴(写真:Getty Images)[/caption]

 

 

 

・投打:左投左打

・身長/体重:184cm/84kg

・生年月日:2001年4月18日(24歳)

・経歴:横浜高

・ドラフト:2019年ドラフト3位(阪神)

・2025年成績:66試合登板(62回)、6勝3敗46ホールド、67奪三振、防御率0.87

 

 

 

 貴重な救援サウスポーとして有力候補に挙がっていた及川雅貴。だが、侍ジャパンでの経験は少なく、今大会は縁がなかった。

 

 横浜高から2019年ドラフト3位で阪神タイガースに入団。高卒2年目の2021年に一軍デビュー。

 

 同年は39試合登板、2勝3敗10ホールド、防御率3.69を記録した。

 

 

 

 その後は足踏み状態が続いたが、2025年に大きく飛躍。自己最多の66試合に登板し、6勝3敗46ホールド、防御率0.87、奪三振率9.58と傑出した数字をおさめた。

 

 井端ジャパンでは、2023年開催のアジアプロ野球チャンピオンシップに出場。

 

 しかし、2025年11月に行われた韓国との強化試合では、代表に名を連ねたものの、コンディション不良のため出場辞退となった。

 

 NPBではトップクラスの数字を残していたが、メンバー入りはならず。リリーフを本職とする左腕は松井裕樹(パドレス)のみと、やや手薄な編成となっている。

 前回大会で大舞台の先発を託され、世界一に貢献した実績を持つ左腕。メジャーでも結果を残してきたが、直近シーズンの故障歴や編成事情もあり、今回はメンバー外となった。[2/6ページ]

 

前回大会主力の不在

今永昇太

[caption id="attachment_244880" align="aligncenter" width="530"] 野球日本代表侍ジャパンの今永昇太(写真:Getty Images)[/caption]

 

 

 

・投打:左投左打

・身長/体重:178cm/86kg

・生年月日:1993年9月1日(32歳)

・経歴:北筑高 - 駒沢大

・ドラフト:2015年ドラフト1位(DeNA)

・2025年成績:25試合登板(144回2/3)、9勝8敗、117奪三振、防御率3.73

 

 前回大会では決勝戦の先発マウンドを託されるなど、投手陣の中心を担った今永昇太。今大会も選出が有力視されていたが、名前を呼ばれることはなかった。

 

 2015年ドラフト1位で横浜DeNAベイスターズに入団すると、早くから先発ローテーションに定着。

 

 球界を代表するサウスポーとなり、2023年のWBCでは3試合(6回)を投げ、7奪三振、自責点2の好投を披露。世界一に大きく貢献した。

 

 

 

 同年オフにポスティングシステムを行使し、シカゴ・カブスに移籍。メジャー初年度から先発の一角を担った。

 

 同年は29試合(173回1/3)を投げ、15勝3敗、174奪三振、防御率2.91と優れた成績をおさめた。

 

 しかし、2025年は5月に左太もも裏の肉離れを発症し、約2ヶ月間離脱。復帰後は被本塁打が目立ち、最終的に25試合の登板で9勝8敗、防御率3.73と数字を落とした。

 

 第6回WBCでもメンバーの有力候補と目されていたが、まさかの選出漏れ。左投手では菊池雄星(エンゼルス)、宮城大弥、曽谷龍平(ともにオリックス)らの招集が発表されている。

 先発として安定した投球を続け、国際大会でも結果を残した左腕。代表の常連として評価を高めていたが、同タイプの投手との比較の中で選考から外れる結果となった。[3/6ページ]

 

常連左腕の競争

隅田知一郎

[caption id="attachment_245232" align="aligncenter" width="530"] 野球日本代表侍ジャパンの隅田知一郎(写真:Getty Images)[/caption]

 

 

 

・投打:左投左打

・身長/体重:177cm/81kg

・生年月日:1999年8月20日(26歳)

・経歴:波佐見高 - 西日本工大

・ドラフト:2021年ドラフト1位(西武)

・2025年成績:23試合登板(159回2/3)、10勝10敗、149奪三振、防御率2.59

 

 2024年のWBSCプレミア12をはじめ、井端ジャパンでは代表の常連組となっていた隅田知一郎。しかし、第6回WBCではまさかの落選となった。

 

 西日本工大から2021年ドラフト1位で埼玉西武ライオンズに入団。ルーキーイヤーから一軍の先発マウンドを経験し、翌2023年には9勝を挙げた。

 

 プロ4年目の2025年は23試合(159回2/3)を投げ、10勝10敗、防御率2.59と自己最高の成績をマーク。

 

 

 

 国際大会では、2023年に開催されたアジアプロ野球チャンピオンシップで初めて侍ジャパン入り。

 

 翌2024年のプレミア12では4試合に救援登板し、2勝0敗、防御率2.25と好投を見せた。

 

 今大会のメンバー入りにも期待がかかったが、昨年11月の強化試合で猛アピールした曽谷龍平(オリックス)らとの争いに敗れる形となった。

 

 一方で、今月27日、28日に名古屋で行われる中日ドラゴンズとの強化試合では、サポートメンバーとして出場が決定。思わぬ形で、侍ジャパンのユニフォームを着ることとなった。

 メジャーリーグの舞台でも先発として活躍を見せ、国際舞台でも高い評価を受けてきた剛腕。完全復調への期待はあったものの、近年の故障歴とシーズン終盤の内容は懸念材料となっただろう。[4/6ページ]

 

剛腕エースへの判断

千賀滉大

[caption id="attachment_248607" align="aligncenter" width="530"] 野球日本代表侍ジャパンの千賀滉大(写真:Getty Images)[/caption]

 

 

 

・投打:右投左打

・身長/体重:186cm/92kg

・生年月日:1993年1月30日(33歳)

・経歴:蒲郡高

・ドラフト:2010年育成選手ドラフト4位(ソフトバンク)

・2025年成績:22試合登板(113回1/3)、7勝6敗、109奪三振、防御率3.02

 

 前回のWBCではメジャー移籍年ということもあり、出場を断念した千賀滉大。今大会は侍ジャパン入りが期待されていたが、最後まで名前が呼ばれることはなかった。

 

 2010年育成選手ドラフト4位で福岡ソフトバンクホークスに入団。高卒2年目の2012年4月に支配下登録を勝ち取った。

 

 2016年から先発ローテーションの一角を担い、短縮シーズンとなった2020年は18試合の登板で11勝6敗、149奪三振、防御率2.16をマーク。投手3冠(防御率・勝利・奪三振)に輝いた。

 

 

 

 2023年にはニューヨーク・メッツへ移籍し、メジャー初年度ながら29試合(166回1/3)を投じて12勝7敗、202奪三振、防御率2.98と優れた成績を残した。

 

 しかし、翌2024年は右肩の故障により、わずか1試合の登板に終わった千賀。

 

 2025年は開幕から好調を維持していたが、6月に負傷離脱。7月に復帰後は大きく調子を落とし、マイナー降格も経験した。

 

 最終的に同年は22試合登板、7勝6敗、防御率3.02の数字となった。

 

 それでも、2017年開催の第4回WBCでは、大会ベストナインに選出。国際大会でも実力を示しており、代表入りを望む声も多かったが、招集は見送られることとなった。

 国際大会で圧巻の奪三振ショーを披露し、救援投手として存在感を放ってきた右腕。直近2年は成績も安定していたが、少ない救援枠も影響し、代表入りは叶わなかった。[5/6ページ]

 

わずかな救援枠の争い

藤平尚真

[caption id="attachment_248608" align="aligncenter" width="530"] 野球日本代表侍ジャパンの藤平尚真(写真:Getty Images)[/caption]

 

 

 

・投打:右投右打

・身長/体重:185cm/85kg

・生年月日:1998年9月21日(27歳)

・経歴:横浜高

・ドラフト:2016年ドラフト1位(楽天)

・2025年成績:62試合登板(59回2/3)、2勝2敗12セーブ21ホールド、66奪三振、防御率2.11

 

 2024年のWBSCプレミア12では、9者連続奪三振と圧巻の投球を見せた藤平尚真。第6回WBCでも救援候補の1人に挙げられていたが、代表落選となった。

 

 2016年ドラフト1位で東北楽天ゴールデンイーグルスに入団し、プロ入り当初は先発で経験を積んだ。

 

 高卒8年目の2024年に中継ぎに転向すると、47試合登板、1敗20ホールド、防御率1.75とブレイク。

 

 

 

 同年11月のプレミア12では侍ジャパンに招集され、6試合の登板で1セーブ、防御率0.00、奪三振率18.00と圧倒的なピッチングを披露した。

 

 さらに、2025年は自己最多の62試合に登板し、2勝2敗12セーブ21ホールド、防御率2.11、奪三振率9.96をマーク。

 

 2年続けて好成績を残し、同年11月に行われた韓国との強化試合でも侍ジャパンメンバーに招集された。

 

 しかし、今大会の救援投手は大勢(巨人)、松本裕樹(ソフトバンク)、平良海馬(西武)らが選出。藤平の落選もあり、楽天は12球団唯一の代表選出者なしとなった。

 リーグを代表するクローザーとして圧倒的な数字を残し、強化試合でも好投を披露。初の大舞台が期待されたが、経験豊富な投手陣との比較もあり、選考から漏れる結果となった。[6/6ページ]

 

守護神候補の比較

松山晋也

[caption id="attachment_244883" align="aligncenter" width="530"] 野球日本代表侍ジャパンの松山晋也(写真:Getty Images)[/caption]

 

 

 

・投打:右投右打

・身長/体重:188cm/92kg

・生年月日:2000年6月23日(25歳)

・経歴:八戸学院野辺地西高 - 八戸学院大

・ドラフト:2022年育成選手ドラフト1位(中日)

・2025年成績:53試合登板(52回2/3)、1敗5ホールド46セーブ、72奪三振、防御率1.54

 

 プロ3年目の2025年は最多セーブに輝き、第6回WBCへの選出が期待されていた松山晋也。しかし、今大会は代表から漏れることになった。

 

 八戸学院大から2022年育成選手ドラフト1位で中日ドラゴンズに入団。ルーキーイヤーの6月に支配下登録を勝ち取った。

 

 同年はブルペン陣の一角に定着し、36試合登板で1勝1敗17ホールド、防御率1.27と瞬く間にブレイクを遂げた。

 

 

 

 翌2024年には、最優秀中継ぎ投手(43ホールドポイント)を戴冠。2025年はクローザーに抜擢され、53試合登板で46セーブ、防御率1.54、奪三振率12.30をマークし、最多セーブのタイトルを手にした。

 

 その後、同年11月に行われた韓国との強化試合で侍ジャパンに招集され、1回無失点の好投を披露。

 

 160キロに迫るストレートと140キロ超のフォークを武器に、初のWBC出場に向けてアピールに成功した。

 

 侍ジャパンの守護神候補と目されていたが、代表選考から落選。クローザー経験者は松井裕樹(パドレス)、大勢(巨人)らが選出されている。

 

 

【了】