横浜DeNAベイスターズの小田康一郎(写真:編集部)

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 ベースボールチャンネルでは2026年も、横浜DeNAベイスターズがファーム拠点を置く「DOCK OF BAYSTARS YOKOSUKA」で汗を流す選手たちにインタビューしていく。2026年第1回は、青山学院大からドラフト1位で入団したルーキー・小田康一郎。プロとしてのスタートを切ったばかりの22歳に、今の心境を訊いた。(取材・文:石塚隆)【取材日:1月11日】

 

“ドラ1”小田康一郎がプロになった実感

 

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 活躍を予感させる、新たな星の輝き――。

 

 フレッシュな選手たちが顔をそろえた新人合同自主トレがスタートした。その渦中に身を置く、横浜DeNAベイスターズに入団した小田康一郎は、自分がプロになったことを強く実感しているという。

 

 「寮が併設されたトレーニング環境だったり、練習をサポートしてくれる方の多さは、学生時代と比べ物になりません。練習ですらファンの方々がいらっしゃるのは、今までではありえないことでしたし、この注目度や規模といったものを体験すると、プロになったんだなって思いますね」

 

 真っすぐな目、はきはきとした口調。初々しさのなかにある、どこか自分を俯瞰するような落ち着き。独特な雰囲気を持つ小田に「野球が“仕事”になった感覚はありますか?」と尋ねると、少しだけ苦笑してかぶりを振った。

 

 「いや、仕事という実感はまだ湧いていません。今まで野球が上手くなるために毎日練習をしてきましたし、今も結果を出すために野球をやっているのは変わらないので、これでお給料がもらえるという意識はまだないですね」

 

 それはそうだろう。まだ歩み始めたばかり。とにかくすべてが新鮮であり、小田は、野球だけに集中できる環境に喜びを感じている。

 

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 「ここ(DOCK)にいれば、いつでも練習ができますし、ケアもできるので、いい環境で野球をやらせてもらっていると思っています。大学時代、朝練のときは「ああ、このあと授業か~」なんて思っていたんですけど、今はもうひたすら野球やって、ご飯食べて、寝て、また野球ですから、すごく楽しいです」

 

 そう語ると小田は顔を輝かせた。

 

成就した願い「ベイスターズで野球がしたいな」

 

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 青山学院大学時代は、広角に強い打球を放つ東都大学リーグ屈指のスラッガー。ミート力とここ一番の集中力に長けており、全国大会や国際大会では自慢の長打力で活躍してきたDeNAの将来を担う選手である。

 

 昨年のドラフト会議で1位指名されたわけだが、実は小田にとってDeNAは“意中の球団”だったと教えてくれた。

 

 「僕は個人的にどこの球団のファンというわけではないんですけど、中継で横浜スタジアムの試合を見たとき、ファンの方々の盛り上がりがすごくて、こういうところでプレーしたいなって思っていたんです。ドラフト前は、選手目線でいろいろなことを加味してベイスターズで野球がしたいなって考えていたんです。でもこればかりは運ですから、可能性は低いとは思っていました」

 

 念ずれば、花咲く。DeNAはまず1位で佐々木麟太郎を指名したが、抽選を外し交渉権獲得とはならなかった。小田はその様子を冷静に見守り、あることを考えていたという。

 

 「佐々木選手とはタイプ的(長打力のある左打ちの内野手)に似ていたので、そういう選手をチームは欲しているのかなと思ったんです。だったら可能性はあるかもしれないと、中継を見ていました」

 

 すると改めてDeNAは、小田を1位指名した。その瞬間、若きスラッガーは心のなかでガッツポーズをした。

 

 「あのとき、表情にはあまり出しませんでしたが、内心すごくホッとしましたし、嬉しかったんですよ」

 

 笑みを浮かべ小田は言った。想いが成就したドラフト会議だったというわけだ。

 

 先ほど小田は、いろいろなことを加味してDeNAに行きたかった、と語っていたが、チームには牧秀悟や宮﨑敏郎、佐野恵太、そして筒香嘉智といった打棒に長けた実績を持つ手本となる選手たちがいる。そんな先輩たちとのコミュニケーションをとれることにも興味があった。

 

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 「野球だけじゃなく、どんな日常生活をしているのかにもすごく興味があります。野球が上手いだけでは、あそこまで上り詰めることはできないと思うので、そういうところをまず一から勉強させてもらいたいなと思っています」

 

 好奇心旺盛な目で小田は言った。そして次のようにつづけるのだ。

 

スタメンで活躍するために…「大学で培った経験は活かせるのかな」

[caption id="attachment_245992" align="alignnone" width="482"] 横浜DeNAベイスターズの小田康一郎(写真:編集部)[/caption]

 

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 「ただ、いいバッターが多いということは、僕が試合に出場する上では壁になってくるということです。だから、いろいろなことを聞きながら吸収することで、レベルアップしていきたいです。やはり目標はスタメンで出て活躍することなので、そこは負けないように。上手くやりながらじゃないけど、自分の成長に繋げていきたいと思います」

 

 謙虚さと負けん気が滲み出る。まだ一軍レベルの投手のボールを打席では実際に見ていない状況だが、自分のヒッティングを表現していく上で、なにかイメージしていることはあるのだろうか。そう問うと小田は少し考えて口を開いた。

 

 「出身が東都リーグなので、東都出身のピッチャーの方が一軍で投げて、抑えている姿を見ると、物差しというか、そこを目指せばアジャストできるのではないかといったイメージは持っています。

 

 例えばベイスターズで言えば石田裕太郎さん(中央大学出身)とはよく対戦していたので参考にしたいというか、もちろんプロになってレベルアップしているのは間違いないのですが、大学で培った経験は活かせるのかなと思っています。簡単ではないでしょうが、イメージできるところからイメージをして、徐々に合わせていければいいかなと思っています」

 

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 また大学の先輩である佐々木泰(広島)や西川史礁(ロッテ)の活躍も、小田にとっては重要な指標になっている。

 

 「身近で見てきた方々なので、あそこのレベルに達することができれば、プロでは成績を残せるということがわかりましたし、決して目指せないところではないと考えています。お二人とは連絡を取り合って、いろいろと教えて頂いてもらっているので、その辺を生かして頑張りたいなって」

 

過信でも過小評価でもない小田康一郎の自己評価「自分のスタイルで」

 

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 小田は大学で培った経験や縁を、プロで戦う自身の力に変えようと冷静に考えているようだ。では、自分の打撃を自己分析すると、どのような特性があると感じているのか。

 

 「芯に当てるコンタクトに関しては自信を持っているのですが、よく言われる長打力に関しては、この体格(173㎝/85㎏)のわりには、という見方もされていると思うので、あまり自信を持っていないんです。だから、そこはあまり過信をせず自分のスタイルでやっていければいいのかなと思います」

 

 そしてディフェンス面だが、小田は青学時代、主にファーストを守り、3度のベストナインに輝くなど守備力には定評があるが、DeNAで求められているのは他のポジションでの出場だ。とはいえ青学の安藤寧則監督やDeNAの長谷川竜也編成部長からは、他のポジションも十分にこなせる力はある、と評価を受けている。小田本人としては、そのあたりをどのように考えているのだろうか。

 

 「そうですね。すごく上手とかどこでもできるといった、そこまでの自信はないのですが、一定以上の守備はできるんじゃないかと思っています。大学時代は他のポジションも守りたかったのですが、チーム事情もありますし、勝つためなので仕方がないことだと思い受け止めていました。ただ自分のなかでは、いつでもサードやセカンド、外野でいってくれと言われれば、守れる準備は日ごろからしていたので、やれると考えています」

 

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 冷静に打撃も守備もしっかりと自己分析ができており、過信も過小評価もないように感じられる。果たして今後、攻守に渡りどのような貢献をチームにしてくれるのか、今から楽しみだ。

 

 それにしても22歳にして、落ち着きと愛嬌を併せ持つこの風情。若干のタイプの違いはあるが、ルーキー時代の牧秀悟を彷彿とさせる。後編では、そんな小田の内面についてアプローチしていこう。

 

 (取材・文:石塚隆)

 

 【後編に続く】

 

【著者プロフィール】

石塚 隆 (いしづか・たかし)

1972年、神奈川県出身。フリーランスライター。プロ野球などのスポーツを中心に、社会モノやサブカルチャーなど多ジャンルにわたり執筆。web Sportiva/週刊プレイボーイ/週刊ベースボール/集英社オンライン/文春野球/ベースボールチャンネル/etc...。現在Number Webにて横浜DeNAベイスターズコラム『ハマ街ダイアリー』連載中。趣味はサーフィン&トレイルランニング。鎌倉市在住

 

 

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【了】