近畿日本鉄道は9日、名古屋線および大阪線などで運行開始する新型一般車両「1A系」の報道関係者向け試乗会・撮影会を実施した。1A系による試乗会の列車は近鉄名古屋駅から名古屋線を走行。塩浜駅で折り返して富吉駅まで運転され、富吉車庫で撮影会を行った。
1A系は同社の奈良線・京都線などで2024年10月から運行開始した8A系をベースに新造。試乗会・撮影会を行った名古屋線において、新形式の一般車両は5800系以来、28年ぶりだという。アルミ合金製車体の4両編成で、八角形をモチーフとした車体前面の形状を採用するなど、1A系の外観は8A系とほぼ共通だが、「伝統の赤」を基調とした配色の8A系に対し、1A系は「進化の青」と位置づけ、「伝統を守りつつ進化していく」との思いを表現。近鉄らしさも継承しつつ、青色と白色のツートンカラーで新しい近鉄のイメージを創造している。
車内も8A系と同様、利用状況に応じてロングシートとクロスシートを切り替えられるL/Cシートを設置。1両の中でロングシートとクロスシートを混在させた配置も可能とした。座面は従来より10mm拡幅した460mmとし、シート背面に荷物を掛けられるフックを装備。大型の仕切を設け、着席した乗客と扉付近に立つ乗客が互いに気を遣うことのないよう配慮している。
ベビーカーやキャリーバッグ・スーツケース等の大型荷物を持った利用者が気兼ねなく着席できるスペースとして、「やさしば」を1両あたり2カ所、車両中央の乗降扉付近に配置。荷物が動かないように、キャスターを1つ掛けられるストッパーも取り付けた。
名古屋線および大阪線の一般車両で初という、バリアフリー対応の多目的トイレも特徴のひとつ。長時間の利用も考慮した設備で、快適性・利便性の向上を図った。
車端部は優先座席とし、バリアフリー対応の車いすスペース(フリースペース)を各車両に1カ所設置。従来車両と比べて出入口の高さを下げ、ホームとの段差を低減することで乗降りしやすくしている。扉上に42インチの大型液晶ディスプレイを設置し、停車駅や列車の運行情報など多言語で表示するほか、広告も放映。夏期・冬期の車内保温を目的に扉個別開閉スイッチを設け、駅に長時間停車する際でも個別に扉を開閉できるようにした。
扉の開閉に連動した空調制御を導入したほか、空調装置の冷房能力も向上。車内温度センサも増設し、きめ細かな温度調整を行う。深紫外線LEDで車内空気の除菌を行う装置も搭載。車内防犯カメラは1両あたり4カ所、乗務員と通話できる非常通話装置は1両あたり2カ所設置し、非常通話装置が作動した際、映像を乗務員および運転指令者がリアルタイムに確認することで、車内の状況を迅速に把握できるようにしている。



1A系の外観は青色・白色のツートンカラーに。名古屋線・大阪線ともに伊勢志摩へつながる路線であり、近鉄のコーポレートカラーでもある青色と親和性があるという。床下には、山間線区を安定的に走行するための機器も
省エネルギー対応として、車内照明や前照灯・尾灯にLEDを採用。新型のインバータ制御装置により、従来車両と比べて消費電力を約45%削減するなど、環境負荷の低減を図った。1A系が走行する線区のうち、大阪線に33.3%という連続勾配区間があることから、安定的に走行するためのディスクブレーキやブレーキ抵抗器など搭載。他にも増粘着剤噴射装置や鹿よけ笛も設置しているとのことだった。









