日本テレビの100%子会社である日本テレビサービスの業績が好調だ。けん引するのは、アニメの関連グッズ事業をはじめとするコンテンツビジネスで、その売上高は2022年度から24年度で2.5倍に伸長した。

テレビ各局が「IP(知的財産)戦略」を掲げる重点分野において、ここまで大きな成長を遂げる背景には、長年にわたって手がけてきた番組商品の開発や店舗展開のノウハウがあるという。同社の神蔵克社長が、それを培ってきた歴史をひも解きながら、次の一手まで語ってくれた――。

  • 日本テレビサービスの神蔵克社長

    日本テレビサービスの神蔵克社長 (C)青山剛昌/小学館・読売テレビ・TMS1996

ゴルフ練習場運営から番組グッズ開発に進出

日テレサービスの祖業は、不動産管理。日本テレビ初代社長の正力松太郎が500m級のテレビ塔建設を計画していた東京・新宿の土地(現在の新宿イーストサイドスクエア)に、当時都心最大のゴルフ練習場「日本テレビゴルフガーデン」を1972年に、75年には「日本テレビ・読売新聞新宿住宅総合展示場」を開設し、運営していた。

番組グッズを最初に手がけたのは、ビートたけし司会のバラエティ番組『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』。85年4月の番組スタートと同時に、たけしのイラストがデザインされたトレーナーなど、オリジナルグッズを企画・販売した。当時、番組グッズは視聴者プレゼントを目的に作るのが一般的だった中で、画期的なことだったという。

そこからしばらくは、日本テレビ社屋のお土産ショップとして番組関連グッズを販売する時期が続いた。しかし、当時はまだ「IP」という概念が浸透していない時代。「番組にグッズを作らせてほしいと企画しても出演者や制作側の様々な事情で実現が難しかったりして、できる番組はすごく限られていました」(神蔵社長、以下同)と明かす。

そんな風潮を変えるきっかけになったのが、『世界の果てまでイッテQ!』のカレンダープロジェクト。メンバーが月ごとに様々な場所へ出向き、神秘の現象や絶景などを撮影してカレンダーにするという企画だ。

最初は視聴者プレゼントされていたが、翌年は商品として販売することに。一般のカレンダーの流通が9月に始まる中、『イッテQ』のカレンダーは12月分まで撮影してから印刷・製本するため、発売が年末になってしまうが、「1年間追いかけていくという企画のパワーで、瞬間的かつ爆発的に売れた」という人気商品になった。

最近では、『シューイチ』の「体格ブラザーズ」がスーパー銭湯チェーンの「極楽湯」とのコラボグッズを制作した模様を番組内で紹介するなど、テレビ局の関連会社ならではの番組連動も強みとなっている。

  • 番組グッズショップ「日テレ屋」=東京・汐留

    番組グッズショップ「日テレ屋」=東京・汐留

ふなっしーで“日テレ外”に本格進出

このように長年、日テレの番組グッズを手がけてきたが、「やはり番組や編成の都合に左右される中で売上も番組グッズだけで展開していくには限界があり、日テレ以外のグッズ展開にも乗り出したいという意見が若手から出てきました」というタイミングで出会ったのが、ふなっしーだ。

千葉県船橋市の非公認キャラクターとして登場し、独特な動きとトークスキルでまたたく間にお茶の間の人気となっていた、ふなっしー。グッズメーカー各社がふなっしーにコンタクトを取ろうとする中、人脈とタイミングでいち早くふなっしーにつながることができ、商品化権の獲得に成功した。

13年に商品化すると、テレビで見ない日はないほど大ブレイクしていたために、「ぬいぐるみからポーチ、お菓子、梨の香りがするトイレットペーパーまで、とにかく何を出しても売れました」と大ヒット。全国的な知名度を追い風に「うちも置きたい」と注文が殺到して販路が一気に広がり、“日テレ外のIPでのビジネス”に本格的に進出するきっかけとなった。

  • ふなっしーの商品

    ふなっしーの商品