【鎌倉 観光スポットレポ】八幡神社 - 地元民に愛される市場の小八幡…

鎌倉の八幡様と言えば鶴岡八幡宮が有名ですが、八幡の名を冠する神社は一社だけではありません。

今回はJR北鎌倉駅から徒歩5~10分の場所に鎮座する八幡神社(別名:市場八幡神社、小八幡さま)を紹介。北鎌倉をよりディープに味わいたい中級~上級者におすすめです。

八幡神社の歴史

こちらの八幡神社は、江戸時代中期の1735年(享保20年)8月11日、当時この地を治めていた領主の別所(べっしょ)氏によって創建されました。

御祭神は京都の石清水八幡宮から勧請(かんじょう。御魂を分けていただくこと)した八幡神(応神天皇)で、近隣の稲荷神社(鎌倉市台)とともに村の鎮守として崇敬を集めています。

地元では大八幡(鶴岡八幡宮)に対して、小八幡(こはちまん)さまとも呼ばれてきました。

社殿は1923年(大正12年)9月1日の関東大震災で倒壊してしまいますが、1926年(大正15年)12月10日に再建され、現在に至ります。

地名「市場」の由来

八幡神社の鎮座する一帯は市場(いちば)と呼ばれてきました。かつて鎌倉に幕府が開かれたころ、鎌倉府中(幕府中心地)への出入り口として、この地に市場が開かれたのが地名の由来です。

○小名 △市場 毎月五日・十日、此所に市立て、諸物を交易す、右は紅花のみを鬻(ひさ)ぎしとなり、……

※『新編相模國風土記稿』巻之九十八 村里部 鎌倉郡巻之三十より

【筆者による意訳】市場という地名は、毎月5日と10日に市場が開かれ、様々なものが取引されたことに由来する。やがて紅花のみが取引されるようになった。

紅花とは染料のベニバナか、あるいは遊女の隠語か、諸説あって定かではありません。

市場の地名は今も市場町内会の名前に残っており、八幡神社が鎮座する山のふもとには市場公会堂があります。

失われた亀井堂

八幡神社の境内には、かつて亀井堂(かめいどう)と呼ばれる仏堂があり、御本尊として十一面観音はじめ阿弥陀像や地蔵尊像が祀られていました。

亀井とは八幡神社の鎮座する山を指す地名で、清らかな水の湧き出たことが由来と考えられています。

我か心 にこらしものを かめいどう 山もちかひも きよき水かな

※相州鎌倉郡三拾三所順礼歌

【筆者による意訳】私の心は濁っているのに、亀井堂の仏様に向き合うと、近くの山から湧き出る水のように清らかな気持ちで誓いを立てられる。

亀井堂は鎌倉郡聖観音三十三霊場のうち第十三札所として信仰されていましたが、1970年(昭和45年)ごろに老朽化のため廃堂となってしまいます。御本尊は市場公会堂に遷座(神仏をお移しすること)した後、鎌倉国宝館に寄託されました。

亀井の地名も近くに残っているため(台亀井隧道、台亀井公園など)、探してみると楽しいでしょう。

八幡神社の見どころ

山の斜面に鎮座する八幡神社はアップダウンが大きく、参拝するだけで一苦労です。しかし、境内の見どころを予習しておくことで、励みになるかも知れません。

118段!もある石段

実際に筆者が上り下りしながら数えました。一気に登り切ってしまいたいところですが、石段は永い歳月によって摩耗、凸凹しているため足をとられないよう充分ご注意ください。

特に雨上がりや急いでいる時などは転びやすいため、心身と時間に余裕をもって参拝するようにしましょう。手すりもついているため、必要に応じてご利用ください。

毎年7月第3日曜日に行われる例祭では、重い神輿を担いでこの石段を上り下りするのですが、一つ間違えると大事故につながりかねません。なのでみんな心一つに力を合わせ、神様に町内をご巡幸いただくのでした。

亀井堂跡地(庚申塔群)

石段を上った斜面の中腹に、先ほど紹介した亀井堂の跡地があります。奥には庚申塔(こうしんとう)が並んでおり、人々の営みを感じられるでしょう。

庚申塔とは道教に基づく庚申講(こうしんこう。庚申待ちとも)の記念として建立する石碑です。庚申講とは庚申の日に徹夜するイベントで、60日に1度訪れるこの晩に寝ると、天帝(天の神様)に自分の悪事を告げ口されてしまうと考えられました。そこで庚申の晩だけは、とにかく寝ないように頑張ったのです。

真面目に夜通し仏事を営むもよし、朝まで飲めや歌えやどんちゃん騒ぎを繰り広げるもよし。こちらの地域でも、人々は庚申講をきっかけとして、盛んに交流していたことがうかがえます。

再建された社殿

先ほど紹介したとおり、八幡神社の社殿は関東大震災で倒壊した後、1926年(大正15年)に再建されました。2026年(令和8年)で築100年を迎える社殿を仰ぐと、一世紀の歳月を経た風格が味わえるでしょう。

また、社殿の左かたわらには稲荷社も祀られているので、時間に余裕があれば、あわせてお参りしていかれるのもよいと思います。

まとめ

今回は北鎌倉からほど近くにある「市場の小八幡さま」こと八幡神社を紹介してきました。

ここからさらに大船方面へ進むと、野趣あふれる素掘りの台亀井隧道(台トンネル。通称:青の洞門)があり、くぐり抜けた先にはよりディープな世界が広がっています。

いつもは北鎌倉駅で下りたら円覚寺・明月院・浄智寺・建長寺方面へ向かわれる方も、たまには大船方面を目指してみると、新たな発見があることでしょう。

八幡神社

御祭神

八幡神(応神天皇)

参拝時間

24時間(ただし管理元神社は9:00~17:00)

※境内は照明がほとんどないため、日没後~日出前の参拝は危険です。

休務日

社務所はありません(連絡は管理元神社へ)

主な祭礼

2月上午の日 初午祭(はつうまさい)7月第3日曜日 例祭(れいさい)

アクセス

所在地:神奈川県鎌倉市台2044

JR横須賀線「北鎌倉駅」より徒歩5~10分

駐車場:なし(近くのコインパーキングか、公共交通機関のご利用がおすすめです)

連絡先

管理元神社:岩瀬 五所稲荷神社

電話/FAX:0467-47-4798(9:00~17:00)

メール:iwase5inari@mou.ne.jp

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