総務省の統計によると、日本の空き家数は過去最多の900万戸に達したと言われています。管理されずに放置された空き家は、近隣住民にとって不安の種になることもしばしば……。
そんな中、YouTubeチャンネル「カネヤン /お庭のそうじ屋さん」に投稿された「【恐怖!】空き家の雑草、放置するとこうなる。」という動画が大きな話題を呼んでいます。
「これ家ですよ。ジャングルではありません」
動画の冒頭、投稿者である「カネヤン」さんが指差した先には、家屋が全く見えないほど鬱蒼と茂った緑の壁が立ちはだかっていました。家の裏手は竹林になっており、高さ15メートルほどあろうかという竹に加え、“最強雑草”と呼ばれる「クズ」のツルが家を飲み込む勢いで覆い被さっています。
家の表側に回っても状況は絶望的。玄関へ続くはずの通路はイタドリやヤブガラシで完全に封鎖され、一歩足を踏み入れることすら躊躇われる状態。「怖くて中に入れない」とカネヤンさんが語る通り、草の下に何があるか全くわかりません。
これほどの雑草、すぐに草刈り機で薙ぎ払いたくなるところですが、カネヤンさんは「まずは除草剤」という手順を選択します。これには空き家特有の深刻な理由がありました。
最大の理由は「不法投棄」のリスク。草の下にガラスの破片や粗大ゴミが隠れている場合があり、いきなり草刈りを始めると、足を踏み入れた瞬間に大怪我をする危険性があります。また、見通しの悪い草むらは、イノシシやクマ、ハチといった危険生物の巣窟になっている可能性も高いというのです。
そこで今回は、グリホサート系の除草剤(20倍希釈)を長いノズルを使って「ビタビタ」になるまで散布。まずは雑草を枯らし、足元の安全を確保してから作業に入ろうという狙いです。
2週間後、見えてきた「現実」とプロの機材
除草剤散布から2週間後、再び現場を訪れると、青々としていた雑草は見事に枯れ果て、ようやく地面が見えるようになっていました。こんなに見事に枯れるとは、驚きです。幸いにも不法投棄やハチの巣は見当たらず、ようやく本格的な撤去作業が始まります。
ここからがプロの真骨頂です。まずは「ハンマーナイフモア」という自走式の草刈り機を投入。人が手で刈るよりも10倍速いというこの機械で、枯れた草を粉砕しながら進んでいきます。
続いて、機械が入れない場所や強敵である竹藪には、排気量の高い「スチール社製 FS250」という刈払機と「シュレッダーブレード(2枚刃)」という刃を使用。通常のチップソーでは竹やツルが絡まってしまいますが、この特殊な刃を使うことで、硬い竹もバリバリと粉砕していきます。フェイスシールドなどの完全防備で挑むその姿は、まさに生い茂った植物とのバトルそのもの……!
最大の敵「クズ」との戦い
今回、最も厄介な存在として紹介されたのが、マメ科のつる植物「クズ」。駐車場のアスファルトや砂利すらも覆い尽くす繁殖力はまさに脅威的で、カネヤンさんは除草剤で枯れて乾燥したツルを手作業で引っ張り出しながら撤去していきます。
クズは地中に巨大な根を持っており、表面のツルを刈り取っただけではすぐに復活してしまいます。完全に駆除するには、数年がかりで除草剤を散布し続けるか、根に直接薬剤を注入するなどの根気強い管理が必要だといいます。「草なんて刈ればいいんでしょ」という素人の考えが、いかに甘いかを思い知らされます。
さらに、砂利が敷かれた駐車場エリアでは、石の飛散を防ぐために「カルマーPRO」というハサミのように回転する特殊な刃を使用。プロならではの道具の使い分けにより、境界線すら不明だった駐車場が、見違えるほど綺麗になりました。
放置空き家が招く「負の連鎖」
動画の終盤、見違えるほど綺麗になった空き家をバックに、カネヤンさんは空き家放置のリスクについて警鐘を鳴らします。
「空き家の雑草を放置すると害虫、外獣の住処になります。不法投棄や放火の原因にもなります。またジャングルになってしまうと空き家に入りづらくなって、空き家の管理が億劫になって、結果的に空き家の老朽化が進行してしまいます」
「空き家の管理が億劫になり、さらに荒れていく」という悪循環。これを断ち切るためには、今回のように一度リセットし、その後も「土壌処理型除草剤」を撒くなどの継続的な管理が不可欠です。
この動画は再生回数36万回以上(12月8日時点)という大きな注目を集め、沢山のコメントも寄せられていました。
「ビフォーアフターの違いがすごすぎる。」 「こんなに雑草が伸びるなんて信じられない! 片付けるの大変そう…。」 「空き家じゃないけど、耳が痛い。草刈り頑張ります。」 「お手入れの重要性がよくわかりました。ジャングルになる前になんとかしないと。」 「ぶっちゃけ空き家で無く住人がいる家でもジャングル化してる所めっちゃ在りますよね...。」
今回は、より詳しいお話をカネヤンさんに直接うかがってみました。
── 今回の掃除、完了までどの程度時間がかかったのでしょうか?
除草剤を散布して2週間後に除草作業を行いました。除草作業は4日程かかりました。
── 36万回視聴と多くの反響が寄せられています。率直なご感想を教えていただけますでしょうか?
率直に言って、ここまで多くの方に見ていただけるとは想像していませんでした。私は1年365日、現場で「空き家の雑草問題」と向き合っていますが、こうした“リアルな現場の姿”が、これほど多くの方の関心を引くということは、空き家や雑草の悩みが、もはや一部の人だけの問題ではなく、社会全体の“共通の悩み”になっているのだと実感させられました。
コメント欄には「うちの実家も同じ状況」「管理に困っている」など、当事者の声がとても多く寄せられました。この反響を見て、「もっと早く知りたかった」「こんな状態になる前に対策したい」という声も多かったので、この動画が“放置するとどうなるか”を知ってもらうきっかけになったのは純粋に嬉しかったです。
私としてはただ事実を丁寧に伝えただけなのですが、雑草が放置され続けた空き家の姿は、多くの人にとって“自分事”として響いたのだと思います。
これを機に、「空き家の庭をどう管理するか」というテーマがもっと社会的に認識されるようになれば嬉しいです。
今回の動画は、単なる草刈り動画ではなく、日本の社会問題となりつつある「空き家問題」のリアルを映し出したドキュメンタリーとも言えます。
もし実家が空き家になっている、あるいは将来そうなる可能性がある方は、ジャングル化して手がつけられなくなる前に、適切な管理やプロへの相談を検討してみてはいかがでしょうか。雑草の生命力を甘く見ていると、あなたの家もいつの間にか雑草に飲み込まれてしまうかもしれません。
なお、カネヤンさんは「雑草駆除専門店 お庭のそうじ屋さん」として、愛知県・静岡県の対応エリアで雑草管理の相談も受けているほか、YouTube「カネヤン /お庭のそうじ屋さん(@oniwasoji)」にて雑草対策に関する動画を多数公開しています。














