高知県といえば、かつおやよさこい祭りなどが思い浮かぶ人が多いだろう。そして「お酒に強い」というイメージも。高知県は忘・新年会の開催率が全国トップクラスとのことで、まさにイメージ通り飲み会好きな県民性がある。特に「おきゃく」と呼ばれる独特の宴会文化や、大皿にごちそうを盛りつけた皿鉢(さわち)料理など、マネしてみるとさらに飲み会が楽しくなりそうだ。

  • 高知県観光政策課プロモーション担当の西村陸氏と土佐の「おきゃく」2026実行委員長の土佐かつおさん

    高知県観光政策課プロモーション担当の西村陸氏と土佐の「おきゃく」2026実行委員長の土佐かつおさん

全国屈指の「酒国」とよばれるほど、酒好きな高知県民

高知県の「おきゃく」文化についてお披露目するメディア向け体験会で、高知県観光政策課プロモーション担当の西村陸氏は、「高知県はよさこい祭りや坂本龍馬、そして消費量日本一を誇るカツオのたたき、さらに四万十川や仁淀川など、文化・歴史・食に自然と様々な魅力が備わっている県です」とアピールした。

  • 高知県観光政策課プロモーション担当の西村陸氏

    高知県観光政策課プロモーション担当の西村陸氏

  • 高知県ではカツオのたたきは塩で食べるのが主流

    高知県ではカツオのたたきは塩で食べるのが主流

  • カツオ以外にも新鮮な魚が豊富なことも魅力

    カツオ以外にも新鮮な魚が豊富なことも魅力

高知県では2024年度から2027年度にかけて、"極上の田舎高知"をコンセプトにした「どっぷり高知旅キャンペーン」を実施中。高知ならではの食や貴重な自然、伝統文化などを地元の方々と交流しながら堪能してもらう内容だ。

高知県は全国屈指の「酒国」とよばれるほど酒好きな人が多いことで知られる。日本酒の品質も全国屈指で、全国新酒鑑評会での金賞受賞率が高く入賞率は都道府県別でトップクラスだという。特に古くから続く「おきゃく」と呼ばれる、知らない人同士でも集まって料理やお酒を組み交わして絆を深める文化は根強いのだそう。

高知ならではの県民性から生まれた「皿鉢料理」とは

高知県のご当地タレントの土佐かつおさんがそんな「おきゃく」文化を紹介してくれた。

  •  高知県では知らない人はいないご当地タレント・土佐かつおさん

    高知県では知らない人はいないご当地タレント・土佐かつおさん

土佐さんは「"おきゃく"は宴会と何が違うのか? と思いますよね。根本的に違うのは、知らない方がそのメンバーにおることが多いということ。高知の人は子どもの頃から当たり前に知らない人がいる場での宴会に慣れているので、人見知りをしない県民性なんです」と話す。

さらに「高知でお酒を飲むと、高知県人に飲まされる」というイメージに対して土佐かつおさんは、「高知の人はそれを"おもてなし"と思っています。今の時代は無理やりお酒を飲ませることは少ないですが、昔は潰れるまで飲んでもらおうということもあったようですね。『高知に来て喜んでいただきたい』という思いが強いんです」と語った。

"おきゃく"文化を象徴するもののひとつが「皿鉢(さわち)料理」だ。大皿に、海の幸・山の幸・デザートなどを彩りよく盛り付けたもの。これもお酒好きの県民性から生まれたもののようで……

  •  皿鉢料理

    皿鉢料理

「高知の人はおもてなしとして皿鉢料理を出すのですが、せっかく来てくれたのなら好きなものを食べてほしいと思っているのでさまざまな種類の食べ物をいっぱい入れています。そしておもてなしをされた方はちょっとだけ残すのがポイント。すると『ああ、満足してくれたんだな』と思えるんです。好きなものを好きなだけ食べてほしいという思いですね。さらに、料理をつくる人が都度台所を行ったり来たりする必要がないのもメリットです。最初に皿鉢料理を出してしまえば、あとは全員一緒にお酒を飲み始めることができますから」(土佐かつおさん)

まさにお酒と宴会好きな高知の方ならではの発想!

  • 「最初に出してしまえば、全員一緒にずっとお酒を飲むことができる」ことが皿鉢料理の魅力だと語る土佐かつおさん

    「最初に出してしまえば、全員一緒にずっとお酒を飲むことができる」ことが皿鉢料理の魅力だと語る土佐かつおさん

ゲームで飲む人が決まる!? 「可杯(べくはい)」とは

続いて土佐かつおさんが紹介したのは「可杯(べくはい)」。これは、飲み切るまで置けない形状・仕掛けになっているおちょこを使用した高知県ならではの酒の席でのゲームだ。

  •  可杯で使用するおちょこたち

    可杯で使用するおちょこたち

天狗の形をしたおちょこは、その形状の特性上中身を飲み切るまで置くことができないので、早く飲み干さなければならない。さらに、ひょっとこのおちょこは口部分に穴が開いているので、指で押さえなければならず、やはり急いで飲み干さなければならない。そして最後のおかめのおちょこは、置こうと思えば置けるのだが「お顔を下にしたら失礼じゃないか」ということで、やはりこれも置けない=飲み干す必要がある。

  •  天狗の形をしたおちょこは、中身を飲み切るまで置くことができない

    天狗の形をしたおちょこは、中身を飲み切るまで置くことができない

  •  ひょっとこのおちょこは口部分に穴が開いているので、指で押さえなければならず……

    ひょっとこのおちょこは口部分に穴が開いているので、指で押さえなければならず……

  •  「お顔を下にしたら失礼」という理由でやはり置けないおかめのおちょこ

    「お顔を下にしたら失礼」という理由でやはり置けないおかめのおちょこ

たくさんの人が集まると始まる「可杯」では、まず駒を回す。

  •  駒の先端が向いた方にいた人がお酒を飲む

    駒の先端が向いた方にいた人がお酒を飲む

駒の先端が向いた方にいた人が、駒の上に描かれた絵柄のおちょこでお酒を飲み干すのだ。全員で「○○さんが飲む~ぞ、○○さんが飲む~ぞ~」と盛り上げる。

  •  駒の上に描かれた絵柄のおちょこでお酒を飲み干す

    駒の上に描かれた絵柄のおちょこでお酒を飲み干す

  • 掛け声で盛り上がる中、当たった人はお酒を飲み干す

    掛け声で盛り上がる中、当たった人はお酒を飲み干す

もうひとつは「菊の花」。ひっくり返された人数分の盃の中にひとつだけ菊の花が隠されており、ひとりずつ盃をひっくり返していく。菊の花入りを当てた人はひっくり返された盃すべてに注いだ酒が飲めるというものだ。

  • 菊の花

    菊の花

いずれの遊びも、「そんなには飲めない……」という人がいた場合、酒好きの助っ人が登場し代わりに飲んでくれることもあるのだそう。あくまで楽しめる範囲で盛り上がるのが鉄則だ。

高知県の一大イベント「土佐のおきゃく」でおきゃく文化を体験してみたい!

そんな"おきゃく"文化をイベントにしたのが、毎年3月の第1土曜日から第2日曜日までの9日間高知市中心商店街などで開催される「土佐のおきゃく」だ。2006年からコロナ禍以外は毎年開催し、2026年で19回目となる。次回開催は2026年3月7日~15日。現在では経済効果20億円以上とも言われている高知県の一大イベントだ。高知県の地元食材を使用したおいしい食事と日本酒を大勢でわいわい楽しめるという。実行委員長は土佐かつおさん! お酒好きな方はこの時期に高知県を訪れてみるのがよさそうだ。

  • 今年は3月7日から15日まで開催される「土佐のおきゃく」

    今年は3月7日から15日まで開催される「土佐のおきゃく」

高知県まで行くのは難しいよ……という方は、都内でもおきゃくを体験できる場所がある。土佐清水ワールド新橋店では12月9日~12月31日までの間、「おきゃく文化体験プラン」を提供中(ネット予約のみ7,500円)。今回紹介した皿鉢料理などを東京で味わえる貴重なチャンスなのでチェックしてみてほしい。