JR四国は10日、老朽化したローカル気動車(ディーゼルカー)の置換えとして製作を進めてきたハイブリッド式ローカル車両の量産先行車が完成すると発表した。車両形式は「3600系」で、量産先行車は4両(2両編成×2編成)。2026年6月の営業運転をめざす。
3600系は、同社において新方式となるハイブリッド式を採用し、安全性・言頼性のさらなる向上に加え、静かで快適な乗り心地を提供。エンジンで発電した電力と、ブレーキ時など蓄電池に貯めた電力を組み合わせ、モーターを回転させて走行する。駅停車時にアイドリングストップを行うことで燃費を向上させ、CO2削減も図る。
エクステリアデザインは、ステンレスボディに四国の海と空をイメージしたライトブルーを配色。縁取るゴールドのラインと側面のストライプは、空から海と川面に降り注ぐ光を表現し、四国の豊かな自然と澄んだ空気・水を象徴したという。
量産先行車は「SHIKOKU Hybrid Vehicle 3600」の表記と、きらめきの雫をあしらった特別仕様に。降り注ぐ光を強調しつつ、電気モーターで走行するハイブリッド車両の特性を視覚的に表現しており、環境に寄り添う未来の鉄道を象徴するデザインとのこと。
インテリアデザインは、温もりを感じる木目調の床面と、明るく清潔感のある布目地に、壁面のグレーブラウンをアクセントとして加えた。座席の袖壁には優しい曲線を取り入れ、車両の前面窓周りに描かれた緩やかなカーブラインとともに、外観と内装に統一感をもたらすデザインとしている。
腰掛モケットは、外観と同じくブルーを基調とし、光に照らされてきらめく様子を多彩な色で表現。優先席は色弱者も認識しやすいグリーンを採用し、四国の美しい山々をイメージした配色とした。一面に巡らせた植物は、光を受けて成長する木の芽をモチーフとしている。
車両の特徴としては、複雑な構造の機械部品と回転部品がなくなったことによる安全性と信頼性のさらなる向上、駅停車時のアイドリングストップによる静粛性向上、気動車特有のギアチェンジをなくすことによる乗り心地の向上などが挙げられる。蓄電池に貯めた電力をモーターおよび駅停車時のサービス機器に使用することで燃費も向上。電車と同じシステムと機器を使用することにより、メンテナンス時の作業・コスト低減も図る。
室内の座席レイアウトはロングシートを基本とし、トイレを設置していない車両(Mc2)に一部クロスシートを採用。JR四国では初という電気式戸閉装置を採用し、ドア挟み時の自動開機能によって安全性の向上を図っている。
客室内に液晶式の情報表示器を設置し、室内照明にはLED照明を採用。バリアフリー整備ガイドラインに対応した車内設備とし、車いすスペースと車いす対応トイレを設置した。車内とトイレに非常通報装置(SOSボタン)と客室用防犯カメラも設けた。
3600系の量産先行車は、2026年1月から性能確認等の走行試験を行い、6月の営業運転をめざして教育・訓練等を実施する。営業運転開始時期は別途発表する。量産車は2027年度から順次導入予定とされ、量産先行車含めて合計70両(2両×35編成)の製作を計画している。






