北大路欣也主演でおくる、時代劇専門チャンネルとJ:COMの共同製作によるオリジナル時代劇シリーズ最新第9作となる、『三屋清左衛門残日録 永遠(とわ)の絆』(日本映画+時代劇 4Kで12月7日19:00~テレビ初放送、時代劇専門チャンネルで26年3月放送予定)の撮影が東映京都撮影所で行われ、北大路と今作の主要ゲスト俳優である佐藤流司、山谷花純が取材に応じた。

これまで8作が制作された人気シリーズ『三屋清左衛門残日録』。藤沢周平の傑作小説を原作に、前藩主用人の職を退き隠居した三屋清左衛門(北大路)の第二の人生を、身の回りに起こる様々な出来事とともに描く。

第9作となる『永遠(とわ)の絆』は、清左衛門が亡き妻の墓参の帰り、1年ほど前に幼い息子を亡くし深い悲しみに沈む結城友助(佐藤)と妻・はなえ(山谷)に出会ったことから物語が展開。若い夫婦を静かに見守る一方、藩では富商・能登屋(上川隆也)の支援を受け進められていた開墾工事が突如中止に。さらに、清左衛門の親友である町奉行・佐伯熊太(伊東四朗)の旧友で、工事の指揮を執っていた榊甚左衛門(藤岡弘、)が切腹したとの知らせが届き、清左衛門と熊太は真相を探り始めるというストーリー。

理不尽な苦しみを背負う者たちに、あたたかくも揺るぎない芯のある眼差しを向ける清左衛門役の北大路と、物語の鍵となるつましく生きる夫婦役を演じる佐藤、山谷が撮影を振り返り、役柄や作品に対する思いなどを語った――。

  • (左から)山谷花純、北大路欣也、佐藤流司

    (左から)山谷花純、北大路欣也、佐藤流司

「“愛しい”ってなんだろう」

――今回が9作目となる『三屋清左衛門残日録』。北大路さんは、このシリーズの魅力はどこにあるとお考えですか?

北大路:やはり藤沢先生の描く世界です。私たち人間は、生かされながら生きている――その思いの中で人と出会い、互いの感じたことを素直に交わすことで世界が広がっていく。結論を急ぐのではなく、相手の思いを受け止め、自分の感情を返すという自然なやりとりの中で一歩ずつ前進していくのです。清左衛門はすごく静かですが、芯がしっかりしているところに、とても憧れます。

――シリーズを重ねる中で、その憧れの姿にご自身が近づいているような実感は?

北大路:できるだけ近づきたいとは思いますが、やはり憧れが強くあって、今も追いかけていますね。

――佐藤さんは友助について、以前「素晴らしい役に出会えた」とコメントされていました。

佐藤:これまではどちらかというと、闇がある役をいただく機会が多かったのですが、友助は好青年なので、貴重な経験をさせてもらいました。友助のセリフを読んでいると、「こういうふうに生きられたら周りにももっと信頼してもらえるかな」といったことも考えるような役どころです。自分にはないものを持っている、素晴らしい役だなと思っています。

――山谷さんが演じるはなえという役は、非常に大きな悲しみを背負っていて、物語のキーとなる役です。演じるにあたって考えたことや、役柄に対する思いを教えていただけますか?

山谷:縫い物を仕立てるシーンのセリフで「一針一針が愛おしくて」というのがあるのですが、「はなえの“愛しい”ってなんだろう」と考えた時に答えが出なくて。針と糸、着物を貸していただいて、撮影がない日はずっとホテルで縫い物の練習をしながら過ごしました。そうすると、自然と優しい気持ちや、胸が痛くなるような悲しい気持ちが湧き出てきました。自分の手で同じように経験しないと見えてこないものがあるということが、はなえという役に出会って改めて勉強になりました。

――“清左衛門に憧れる”とおっしゃっていた北大路さんですが、演じられる上で、いつも大切にされているのはどのようなことでしょうか。

北大路:「今日もこうやって仕事ができる、務めることができる」ということに対する感謝の気持ちです。それと、作品を通じて素晴らしい皆さんと出会えることは、うれしいですね。今回の物語は若いご夫婦がその人生を受け止めて歩んでいくのですが、簡単にはいかない。でも、それを乗り越えようとする互いの愛情や思いやりがある。それを清左衛門は2人から感じて、すごく感動しているんです。そうやって少し引いた目で見ながら、なんとか2人の思いが一つになるようにと願いながら演じさせていただきました。