ぐるなびの「今年の一皿」は、『お米グルメ』に決定した。米の存在感があらためて認識されたこと、米の新たな価値観が広がったこと、などが選定理由となっている。都内では、記者発表会および関係者によるトークセッションが開催された。
「今年の一皿」とは?
ぐるなびでは2014年より、優れた日本の食文化を人々の記憶にとどめ、より豊かな食の未来の進化・発展につなげるために、その年の世相を反映し象徴する食を「今年の一皿」として発表している。
審査フローは、以下の通り。まずは、飲食店情報サイト「楽天ぐるなび」の検索・行動履歴などから、ぐるなびのビッグデータを抽出する。そのうえで2,850万人(2025年11月5日時点)のぐるなび会員にアンケートを実施。さらにメディア関係者の審査を経て、4つのノミネートワードが選出される。
その中から「その年に流行または話題になったこと」「その年の社会の動きと関係が深く、世相を反映していること」「食文化の記録として後世に受け継ぐ価値があること」の条件を満たしていることを実行委員会が確認し、「今年の一皿」が決まる。
ぐるなび 取締役会長の滝久雄氏は「12回目の開催を迎えた「今年の一皿」は、おかげさまで日本の年末を彩る風物詩となりました」と笑顔。過去の発表を振り返りながら「すでに飲食店のメニューとして定着したケース、また食材の生産地の活性化につながったケースもございます」と紹介する。
そのうえで「今後も「今年の一皿」をきっかけに、人々に食べる楽しみ、喜びを再認識してもらい、生産者や飲食店の方々の応援につなげることができれば大変嬉しいです」と滝会長。ここで最終審査に残った4つのノミネートワードを紹介した。それは「抹茶」「麻辣湯」「ご当地うどん」「お米グルメ」だった。
このうち準大賞に選定されたのは「抹茶」。選定理由は、1. 海外の健康志向や日本食への関心の高まりを背景に、日本の「Matcha」が世界に発信され、2025年のインバウンド消費を牽引した、2. 緑茶の輸出額が過去最高額を記録し、加工用と飲用問わず、抹茶の品質価値が国内外で再認識された、3. 急激な需要の増加により、抹茶の原料である「てん茶」の不足を招き、次世代へつなぐための持続可能性の追求がより一層活発化した、としている。
そして「お米グルメ」が「今年の一皿」に選出された。選定理由は、1. 猛暑による不作や価格高騰により、米の安定供給への関心が高まり、食料安全保障の観点からも日本人の主食である米の存在感が改めて認識された、2. 玄米や雑穀米などの健康米市場が拡大し、また備蓄米を美味しく食べる調理の工夫や高温耐性米が注目されるなど、米の新たな価値観が広がった、3. 米の流通経路が多様化したほか、米粉、酒、長粒米など活用法も広がり、外食においても様々な米の楽しみ方の提案が加速している、としている。
このあとステージには原宿・表参道の小池精米店 三代目店主 小池理雄さんが登壇し、ぐるなびの会長から記念品を受け取った。「このたびは、お米グルメの普及に携わる皆さんを代表して、僭越ながら私が「今年の一皿」を受け取ります。こんな日が来るとは思いませんでした。感無量です」と小池さん。
最後にトークセッションが行われた。参加したのは小池さんのほか、ごはんソムリエの柏木智帆さん、農事組合法人 おきすの森脇康博さん。
小池さんは「こういう賞を通じて、お米が注目されることを嬉しく思います。2025年は"全国的にお米が足りない"ということで話題となりましたが、その後はお米の種類、美味しい食べ方にもフォーカスが当たり、結果としては良かったのでは、と思っています」と話す。柏木さんは、備蓄米・輸入米が出回ったことをプラスに捉えて「お米って、炊き方によってはこんなに美味しくなるんだ、という気付きにつながりました。日本のジャポニカ米は粘りがあるから美味しい塩むすびができるんだ、と改めて感じる日々でもありました」と振り返る。
森脇さんは、猛暑による不作、お米の価格高騰といった社会問題が起こったことを踏まえて「生産者としては、翻弄された1年でした」とする。今後は、高温耐性に優れた品種の開発にも取り組んでいくと説明。同時に、バイオ炭を活用してCO2削減を目指すなど、環境に優しい農業を拡大することで「沸騰する地球を食卓から冷ますことができれば。消費者の皆さんと一緒にできる取り組みを増やしていきます」と話していた。










