JR東日本グループは11月11日、上野駅を「文化創造HUB」として位置付け、2026年春に同社駅最大級となるゼロカーボンメディアやショールーミングスペースを新設すると発表した。
上野駅を「文化創造HUB」へ
同社は、上野駅を文化創造HUBとして位置づけ、駅の"つなげる(HUB)"機能を強化し、世代や国籍を超えて、すべての人が心の豊かさを感じられ、駅とまちが一体的かつ持続的に成長できる共創型まちづくりを推進していく。また、アートと歴史・下町・伝統芸能を特色とするウォーカブルな文化回遊廊を「Suica」機能を活用して形成し、駅から「文化体験の創造・魅力発信」と「まちの回遊」の循環を促すことで、えきまち一体のシームレスな移動・文化体験ができる社会の実装を目指す。さらに、「北の玄関口」として、東北・上信越等地域の魅力を駅から発信し、観光流動の創出・交流人口拡大につなげる。
駅空間のリアルな"つなげる(HUB)"機能
2026年春、グランドコンコースは、同社最大級のゼロカーボンメディア「UENO CANVAS」(約75㎡)とショールーミング空間「UENO ZERO」(約225㎡)を常設完備し、歴史ある大屋根空間を活かした、アートやサイネージ、光、音が調和する、新しい鑑賞体験空間へと変わる。
これに加えて、「上野広小路口ビジョン」「ポレイア広場」「PLATFORM13」「CREATIVE HUB UENO "es"」や「パンダ橋」新幹線地下3階コンコース「ときめき広場」など、駅空間全体が、リアルな"文化創造HUB"となり、「文化」を通じて、「ひと」と「まち」・「地域」をつなげる舞台として完成する。同駅は、駅空間全体で、東京の文化価値や地域の豊かな文化価値を国内外に発信し、新たな事業価値の創造を図る。
まちとデジタルで"つなげる(HUB)"機能
同駅では、2026年春に向けて、生活のデバイスへと進化する「Suica」機能等を活用し、「えきまち一体のシームレスな移動と文化体験が可能な社会の実装」を目指す。
たとえば、Suicaで改札を通った情報と連動して、チケット購入サイト「JRE MALLチケット」に出店の「イベントチケット」をシームレスに購入できるサービスを提供する。
また、台東区や地域の文化施設等と連携し、文化回遊廊を巡り、施設等のデジタルスタンプを収集できるサービス(エキタグ)等、まちとデジタルで"つなげる(HUB)"サービスを拡充し、まちへの回遊促進に貢献する。
さらに、現在のみどりの窓口等で試験運用中の混雑状況の見える化を、「JR東日本アプリ」を通じて、アトレ上野を含めた駅構内の混雑状況の見える化に拡張し、まちの滞在・回遊における時間価値向上に貢献する。
アートで「ひと」をつなげる
上野駅がまちと共に発展してきた歴史を重視し、歴史や文化を次代につなぐ取り組みとして、猪熊弦一郎氏が1951年に制作した壁画「自由」の修復や、平山郁夫氏原画・監修によるステンドグラス「昭和六十年春 ふる里・日本の華」の修復を進めていく。ステンドグラスは、新幹線改札内への移設・修復をしており、これまで以上に身近に作品を鑑賞できるようにする。
また、包括連携協定を締結した東京藝術大学の協力のもと、駅構内に点在するアート作品・拠点を解説するツアーの実施や、案内サインを整備する。案内サインの二次元コードからWEBに誘導し、多言語対応や障がいのある人にも配慮したアートの解説動画やマップを提供することで、アートへの興味・関心をひろげていく。
さらに、アートファン等の参加を募る共創、かつ、持続可能な文化創造エコシステムの構築に挑戦する。発表の場を求めるアーティストと応援・支援者をクラウドファンディングによるマッチングを通じて、「ひと」とアートをつなぐ共創の循環を繰り返し、上野駅の文化価値のサスティナブルな高まりをまちに循環させていく。
これに加えて、藝大生等と連携したワークショップや音楽、パフォーマンス等の知的好奇心を刺激するアート体験・イベント、並びに、「PLATFORM13」等での幅広い世代が共感できる"推し"の映像掲出等を通じたアート体験等を通じて、上野のまちの文化集積・魅力へ興味・関心をつなげていく。今後は、東京都美術館等、上野駅周辺の文化施設との連携を拡大し、まちと共創しながら、上野文化回遊廊を充実させていく。
2つの上野文化回遊廊の魅力で「ひと」をつなげる
上野・浅草エリアは、歴史・文化の集積の魅力に加え、成田空港へのアクセス性に優れており、訪日旅行客も多い。2026年春に向けて、上野駅の「JR EAST Travel Service Center」を、「上野の桜」をモチーフに、まちの歴史や文化を感じられる空間へと刷新する。
「UENO CANVAS」では、まちと連携して情報を発信し、現地への興味・関心を高め、駅を起点にまちや地域を巡るきっかけを提供する。さらに夕方以降に、地域の事業者や文化施設と連携し、街歩き、アート鑑賞、食文化体験、伝統芸能などを組み合わせた「ナイトツアー」や、「ナイトマルシェ」を開催。駅を起点に"夜の上野"の魅力を発信し、文化と観光が融合する新たなナイトカルチャーを創出する。
地域の豊かな文化で「ひと」をつなげる
上野駅の"つなげる(HUB)"機能を活用して、五感で地域の魅力を体験できる「つながる産直市」を実施する。「上野広小路口ビジョン」「UENO CANVAS」「PLATFORM13」等による情報発信に加えて、地域の新鮮な食材を駅へ直送する鉄道輸送サービス「はこビュン」や、「UENO ZERO」「ポレイア広場」等ショールーミングスペースでの試飲試食、地域の生産者・クリエイターとのリアルなコミュニケーションや地域のまつり等迫力ある伝統文化の鑑賞体験等を組み合わせることで、地域の魅力をこれまで以上に豊かに体験できるようになる。地域の魅力を地域の新たな「食」や「工芸」の発表の場としても活用し、駅での地域体験を創造し、地域の経済活性化や、新たな魅力発掘の共創・循環をつくる。








