宮城県ではさらなる観光客増に向けて、観光スポットなどをアピールしている。これからの寒い季節には「痛風鍋」など、身体の温まるグルメも注目されそうだ。
東京駅から1時間半、海も温泉も楽しめる宮城県
宮城といえば、牛タン、ずんだ餅などのグルメ、青葉城、松島などの観光名所が思い浮かぶ。しかし宮城県の魅力は、それだけにとどまらない。
宮城県 広報課の貝塚憲一氏は「仙台は、新幹線で東京駅から1時間半で来られる観光地です。クルマで30分で海にも出られますし、山に向かえば温泉もあります」としたうえで、三陸の海が育む新鮮な海の幸、そして内陸の新たな観光スポットにも注目してもらえたら、と呼びかける。また同 観光戦略課の須賀和希氏は観光スポットについて、農政部の小堀海帆氏はグルメについて紹介する。
いま同県を訪れる観光客の数は、コロナ拡大前とほぼ同水準まで回復している。宮城県 観光戦略課によれば、令和6年の宿泊観光客数は988万人(前年同期比+4.8%)。
須賀氏は、注目の新スポットとして、創建1300年を迎えた「多賀城跡」(多賀城市)、昨秋オープンしたブルーインパルスがテーマの「道の駅東松島」(東松島市)などを挙げる。
また宮城県の取り組みとして、自然と文化を体感できる「宮城オルレ」、大自然のなかで整う「サウナ体験」などを紹介。「宮城オルレは全7コースとなり、より県内各地を周遊できるようになりました。また鳴子・秋保・遠刈田などの温泉地と自然を活かして、温泉×サウナ×自然という、唯一無二の体験を提供します」と説明する。
宮城県は食材王国「せり鍋」「痛風鍋」「はらこ飯」
このあと小堀氏が、宮城の食について紹介。県の農業産出額は全国第18位の1,924億円(令和5年時点)であり、海面漁業・養殖業産出額は全国第4位の887億円(同)となっている。
そこで、全国第1位の「せり」を使ったのが「せり鍋」。小堀氏は「最近になり、せり鍋を食べる文化ができました。新鮮な葉茎から根っこまで、おいしく食べられます」と解説する。
またカキの水揚げが全国2位の宮城県。カキ、あん肝、白子など「プリン体」たっぷりの食材をこれでもかと詰め込んだ「痛風鍋」が、新たな宮城名物になりつつある。「痛風鍋は、仙台の居酒屋(地酒と宮城のうまいもん処 斎太郎)が発祥です。あん肝(アンコウの肝臓)、白子(タラやアンコウなどの精巣)を載せていますが、その具の下にはおいしい野菜もたくさん入れております」(小堀氏)
宮城県は、米の生産量が全国5位、作付け面積も全国5位の米どころ。主力品種「ひとめぼれ」のほか、平成30年度より「だて正夢」も生産量を伸ばしている。「だて正夢は、もっちりとした粘りの強さ、そして食味の良さが特徴です。炊きたてはもちろん、冷めたあとでもおいしいと評判です」。
みやぎ米と同様に、みやぎサーモンも評価が高い。宮城のギンザケ養殖は歴史も古く、志津川の漁業者によって約40年前からはじまった。いまや国内シェアの8割を超えている。そこで小堀氏がアピールするのが、鮭を使った郷土料理の「はらこ飯」。鮭を煮込んだ汁でご飯を炊き、煮汁にくぐらせたいくら(はらこ)と鮭を盛り付けて作る。「作る人により味が変わるので、県内各地で食べ比べるのもオススメです」と説明する。
東日本大震災の発生から14年半。貝塚氏は「この間、宮城県ではたくましく復興の道のりを歩んでまいりました。その中で、地域の魅力がさらに磨きあげられたように感じます」と話し、この機会に1人でも多くの宮城県ファンを作っていけたら幸いです、と言葉に力を込めた。










