アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc.はこのほど、「創業期の企業に関する調査」の結果を発表した。調査は2025年8月15日~8月18日、創業3年以内の企業に勤務する全国20歳~69歳のビジネスパーソン515名を対象にインターネットで行われた。
裁量権や自己実現が起業のきっかけに
今回の調査では、創業者が初めて起業した法人に勤務する回答者が最多(38.1%)となった。
初めて起業した際の年齢をみてみると、企業でキャリアの基盤を築いてから20代(28.6%)~ 30代(30.1%)で起業している創業者が半数を超える結果となった。
起業の理由として、「組織に縛られず、自分の裁量で自由に仕事がしたかった (19.6%)」や「自分のアイディアや技術、専門スキルを事業の形で実現したかった (15.9%)」が多く挙げられ、給与や金銭面といった条件面でのメリットよりも、裁量権や自己実現への想いが寄せられる結果となった。社会的な後押しを受け、理想とするキャリアの実現に挑戦する経営者像が浮き彫りとなった。
創業期の企業の最も大きな課題は人材確保
創業期の企業が抱える課題について聞いてみると、「人材の確保や育成(30.9%)」が最も多く挙げられ、人的リソースが限られた中で事業を進める上で、業務の効率化や生産性の向上が必要であることが明らかとなった。人材確保に加えて、企業としての運営基盤を整えるという面では、「社内ルールの構築(19.0%)」も課題のひとつとして挙げられている。
事業の成長・拡大については次いで大きな課題とされており、「認知拡大(16.5%)」、「事業戦略の立案(15.9%)」や「ビジネス上のつながり(15.0%)」 など、ビジネスを軌道に乗せるまでの苦労がうかがえる結果となっている。
創業期の経営層の課題は、人とのつながりと資金管理
創業期の経営層に着目してみると、「人脈や人とのつながり(45.5%)」を課題に感じている回答者が最も多く挙げられた。次いで「急な支出や投資に備えた資金の確保(31.8%)」や「キャッシュフローの管理(25.0%)」など、資金面での苦労が明らかとなり、法人としての信用・実績不足から、「銀行口座やビジネス・カードの作成(27.3%)」も上位の課題として挙げられた。
人とのつながりという面においては、新たに出会いたい相手として「新規の顧客(51.9%)」が最も多く挙げられた一方、「同業のビジネスを運営している経営者(28.6%)」が続き、創業期の経営者がビジネスの拡大を狙いつつ、企業経営に関する悩みを相談できる仲間を探していることが明らかになった。
キャッシュフローの管理に課題を感じる回答者のうち、約半数が「今後数か月の資金繰りの見通しが立てられない(49.1%)」と回答しており、創業期には短期的な資金繰りに苦慮している様子が浮き彫りになった。キャッシュフローを可視化しながら、将来的な収入や支出を予測できるような環境が求められている。
創業期の企業が使用している支払い手段
使用している支払い方法で最も多いのは現金(47.0%)、次いで銀行振込(42.7%)が挙げられ、経営者向けのビジネス・カードは14.8%と6番手となった。法人口座の開設に時間がかかることもあることから、創業期においては現金が重視される傾向がうかがえる。
ビジネス・カードを導入している企業は創業と同時(22.8%)に導入していることが最も多く、さらに創業6か月以内の導入が半数以上に達している。
ビジネス・カードの利用率は創業1年未満で8.9%、2年目では16.7%、3年目で17.9%と増加している。ビジネス・カードは、創業直後では利用場面が限定的であるものの、事業を展開していくにあたって取引先が拡大することなどから、利用する場面も増加することがうかがえる。
ビジネス・カード導入のメリット
ビジネス・カードを導入している企業から最も多く挙げられたメリットとして「支払い業務を簡素化し、コア業務へ集中できる(30.4%)」、「経費立て替えの負担が減り従業員の満足度が向上(28.3%)」と回答しており、業務の効率化や、従業員満足度に寄与していることが明らかとなった。
ビジネスでの支払いは取引金額も大きくなることから、「ポイントを利用して経費削減や福利厚生に生かせる(26.1%)」とビジネス・カードならではのポイント活用が重視されている様子もうかがえた。








