実は、山本Dがマユミさん本人を直接取材した期間は、わずか1カ月程度。家族とはそれから2年も交流を続けてきただけに、今後もその関係を継続していきたいと話す。
「僕自身、マユミさんからすごく学ばせてもらって、自分自身の人生を考えるきっかけをくれたご家族なので、本当に感謝しているんです。家に伺わせていただくと、一緒にマユミさんのアルバムを見ながら楽しく思い出話をしてくれますし、娘さんは僕の誕生日に“おめでとうございます”とメッセージまでくれました。長女は20歳、次女は14歳なので、お母さんの思いを胸に、これからどんな人生を歩んでいくかも見守っていきたいですね」
マユミさんは、山本Dが初めて取材にやってきた際、その日が誕生日だった山本Dを、ケーキを用意してサプライズでお祝いしてくれた。そんなマインドを、娘たちがしっかりと引き継いでいることが伝わるエピソードだ。
関西在住のため、前回の番組はTVerで視聴したという家族。この回はマユミさんの安楽死に至る葛藤を中心に描き、それから半年しか経過していなかったため、泣きながら見ていたといい、山本Dは家族の気持ちが少し落ち着くまで近所のカフェで待機してから、自宅に行って会話をしたという。
今回も、当事者にとってつらい場面が登場するが、「放送日に訪ねて、またご家族にマユミさんの思い出話も聞かせていただけたらうれしいです」と話している。
●山本将寛
1993年生まれ、埼玉県出身。上智大学卒業後、2017年フジテレビジョンに入社し、ディレクター、プログラムディレクターとして『直撃LIVE グッディ!』『Mr.サンデー』『サン!シャイン』などを担当。「FNSドキュメンタリー大賞」で『禍のなかのエール ~先生たちの緊急事態宣言~』(20年)、『最期を選ぶ ~安楽死のない国で 私たちは~』(23年)を制作し、『最期を選ぶ』では、「日本民間放送連盟賞」優秀賞、「FNSドキュメンタリー大賞」優秀賞、フランス・パリで開催された日本ドキュメンタリー映像祭「Un petit air du Japon2024」でエクランドール賞(最優秀賞)、国際メディアコンクール「ニューヨーク・フェスティバル2024」でドキュメンタリー・Human Rights(人権)部門の銅賞を受賞。「ニューヨーク・フェスティバル2025」では『私のママが決めたこと~命と向き合った家族の記録~』がドキュメンタリー・Social Issues(社会問題)部門で金賞、『最期を選ぶということ~安楽死のないこの国で~』がドキュメンタリー・Human Rights(人権)部門で金賞を受賞した。『エモろん ~この論文、エモくない!?~』『オケカゼ ~桶屋が儲かったのはその風が吹いたからだ~』といったバラエティ番組も手がけ、現在も複数のドキュメンタリー番組を制作。著書に『最期を選ぶ 命と向き合う人々、その家族の記録』(マガジンハウス新書)がある。
