JR西日本は29日、輸送密度2,000人/日未満の線区別経営状況に関する情報開示を行った。各線区の営業係数も公開しており、最も営業係数の大きかった線区は芸備線東城~備後落合間の「9,945」、次いで姫新線中国勝山~新見間の「4,510」となった。
同社によれば、2024年度実績による輸送密度(平均通過人員)2,000人/日未満の線区(19路線32線区)について、線区別の収支率等(2022~2024年度の3カ年平均)をまとめたという。
ローカル線を取り巻く環境が変化するとともに、利用状況も変化し続けており、とくに輸送密度2,000人/日未満の線区は「大量輸送という観点で鉄道の特性が十分に発揮できていない」とした上で、「こうした線区については、地域の皆様と共に、将来にわたりご利用しやすい最適な地域交通体系を創り上げていく必要がある」と同社。各線区の現状と課題を沿線地域と共有することを目的に、2022年度から各線区の情報開示を行っている。
今回開示した情報のうち、収支率は「その区間でかかる費用に対する収入の割合」、線区営業係数は「その区間で100円の収入を得るためにかかる費用」を示す。営業係数が「100」未満だと黒字だが、「100」を超えると赤字となり、数字が大きくなるほど維持が困難になる。
JR西日本の赤字線区ランキング(営業係数の大きい順)
- 1位 : 芸備線 東城~備後落合間 : 営業係数 9,945 / 収支率 1.0%
- 2位 : 姫新線 中国勝山~新見間 : 営業係数 4,510 / 収支率 2.2%
- 3位 : 木次線 出雲横田~備後落合間 : 営業係数 3,725 / 収支率 2.7%
- 4位 : 芸備線 備後落合~備後庄原間 : 営業係数 2,903 / 収支率 3.4%
- 5位 : 芸備線 備中神代~東城間 : 営業係数 2,692 / 収支率 3.7%
- 6位 : 山陰本線 益田~長門市間 : 営業係数 2,227 / 収支率 4.5%
- 7位 : 大糸線 南小谷~糸魚川間 : 営業係数 2,132 / 収支率 4.7%
- 8位 : 福塩線 府中~塩町間 : 営業係数 2,117 / 収支率 4.7%
- 9位 : 因美線 東津山~智頭間 : 営業係数 2,054 / 収支率 4.9%
2022~2024年度平均の線区営業係数をもとに、赤字線区をランキング形式で並べると、ワースト1位の東城~備後落合間をはじめ、上位5線区のうち3線区が芸備線という結果に。ワースト2位の姫新線中国勝山~新見間、3位の木次線出雲横田~備後落合間も含めると、上位5線区はすべて広島県北部・岡山県北部を中心とした山間部の線区ということになる。
ワースト1位の東城~備後落合間は、コロナ禍前後の営業係数が「20,000」を超えていたため、当時と比べれば改善したともいえるが、同線区における2024年度の平均通過人員は19人/日であり、依然として厳しい経営状況であることに変わりはない。ワースト2~5位の線区もすべて平均通過人員が100人/日を下回っている。
その他の線区についても、山陰本線益田~長門市間、大糸線南小谷~糸魚川間、福塩線府中~塩町間、因美線東津山~智頭間で営業係数「2,000」以上となった。

